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- [多感覚システム] 2023年度採択課題
新潟大学
大学院医歯学総合研究科
研究准教授
脳と腸が互いに影響を及ぼし合う脳腸相関のメカニズムは不明な点が多く残されています。例えば、炎症性腸疾患は、うつ病の原因となりますが、そのメカニズムは明らかになっていません。本研究では、独自に確立したin vivoイメージング技術を用いて、包括的・網羅的な内臓感覚の観察を可能にし、消化管への病態生理的刺激が情動行動に影響を与える神経基盤を明らかにすることで、脳腸相関メカニズムの解明を目指します。
東京大学
大学院医学系研究科
助教
脳内の情報処理メカニズムを理解するためには単一神経細胞の活動記録と、その背後にある神経回路の同定が欠かせません。本研究では大規模な神経活動計測の結果に基づいた神経回路構造の仮説を立てます。2光子励起顕微鏡により生きた動物の脳から神経活動を記録し、さらに単一神経細胞レベルで神経回路を同定します。一次感覚野、そして連合野で提案仮説を検証し多感覚情報の統合機構の解明を目指します。
順天堂大学
大学院医学研究科
助教
左脳と右脳は対称的に配置されながら、非対称的な機能を発現します。この機能非対称性の成り立ちは未だ明らかにされていません。本研究では、脳の左右非対称性が「経験」に基づいて形成されていくことに着目し、「多感覚入力の左右差」に原因があるのではないかと仮説を立て、左右半球への入力バランスに介入します。そして、機能非対称性の代表的な例である「利き手」成立への影響を検証していきます。
東京大学
大学院情報理工学系研究科
特任助教
私たちは視覚や触覚、あるいは固有感覚などの様々な感覚を受けてそれらの情報を取捨選択しながら行動しますが、その処理過程はほとんど意識していません。このような無意識の多感覚処理は発達の早い段階で獲得されると考えられます。本研究では生後数か月までの赤ちゃんを対象に、多感覚と行動の計測手法および注意機構に着目した行動モデルを開発することで、行動獲得における多感覚統合過程を理解することを目指します。
大阪大学
先導的学際研究機構
准教授
小脳は大脳皮質の様々な領域と密な結合を有しており、小脳の予測能力は非運動性機能にも貢献している可能性があります。本研究は、小脳の予測機能が大脳皮質のダイナミクスにも全脳的に適用され、局所領域のダイナミクスを安定化し、異なる領域のダイナミクス間の協調を実現するという仮説を提案し、計算機シミュレーションを通して、運動・認知・情動に影響を与える小脳・大脳連関の多感覚システム機構を計算論的に解明します。
総合研究大学院大学
統合進化科学研究センター
准教授
アゲハチョウの脳にある学習・記憶の場として研究されてきた多感覚領域ーキノコ体ーで、“色と匂い情報の統合と適応的な色情報の抽出”の神経機構を明らかにすることを目指します。キノコ体内では、内在神経に入った視覚と嗅覚の情報が、出力細胞と傘部にフィードバックする抑制細胞に受け渡されます。そこで、キノコ体の神経ネットワークを巨視的に解明した上で、各神経における匂いと色情報の符号化を明らかにしていきます。
大阪大学
大学院薬学研究科
助教
ストレスにはさまざまな種類や強度があり、脳の活動や行動選択に異なる影響をもたらすと考えられます。 本研究では、細胞種選択的なウイルスベクターやイメージング技術を駆使して、ストレスの種類や強度に応じた脳全体の活動変化や、さまざまな種類の神経細胞の活動動態を捉えることにより、ストレス情報がどのように処理・統合されることで生体反応や情動関連行動に多様性が生じるのかを明らかにします。
東京大学
大学院教育学研究科
助教
ヒトが外界から感覚情報を取得し行動を実行するという一連の感覚運動ループでは、意識的な知覚認知系と無意識的な身体運動系という2つの異なるシステムが脳内で同時に駆動されていると考えられます。本研究では、これらの情報処理プロセスの間にどのような乖離があるのか、また、それがどのような脳内インタラクションを経て、知覚と行動の一貫性が保たれているのかを解明することを目的とします。
慶應義塾大学
環境情報学部
准教授
ヒトは音楽のリズムを聴くと、手拍子したり、ダンスしたり、喜びを感じて自然と身体を動かすことがあります。このような音楽を聴いて快情動や運動意欲が生じる感覚は、グルーヴ感と呼ばれます。本研究では、グルーヴ感を多感覚現象として捉え、グルーヴ感のあるリズム演奏の特徴を解明し、グルーヴリズム演奏を自動生成するシステムの開発・検証に取り組みます。また研究成果を応用し、新たな音楽芸術表現の創作を行います。
理化学研究所
開拓研究本部
理研白眉研究チームリーダー
本研究では、3つの画期的なアイデアを採用することで、研究者自身のこれまでの研究や先行研究と一線を画した新しい行動・神経活動計測実験系を強力な遺伝子生物モデルショウジョウバエにおいて確立します。そして、多感覚を用いた運動制御と高速な意思決定の神経機構の解明という難題解決に向けて飛躍的な進歩をもたらします。