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- [多感覚システム] 2022年度採択課題
情報通信研究機構
未来ICT研究所
主任研究員
ブラインドサッカー選手のような視覚障がい者アスリートは、目が見えていると錯覚するほど巧みで正確な運動パフォーマンスを発揮することができます。視覚に頼ることなく、脳はどのようにして正確な空間認知や身体制御を実現しているのでしょうか?本研究は、視覚障がい者の身体的な脳の情報表現に着目し、視覚を失った脳が、身体感覚(固有感覚)を活用して空間認知や運動制御を実現する脳内機序の解明を目指します。
大阪大学
大学院基礎工学研究科
助教
触覚情報の記録や理解に向けて,皮膚と感覚神経及び知覚メカニズムを工学的に再現した皮膚型完全触覚センサの開発に取り組みます.まず,皮膚の構造と感覚神経を工学的に緻密に再現した触覚センサを作製します.次に,センサ応答を感覚神経の応答に近付けるための信号処理方法を開発し,FPGAに実装します.最後に,触覚センサが人間と同じ知覚能力を有することを確認し,得られたデータを分析します.
量子科学技術研究開発機構
量子生命・医学部門 量子医科学研究所
主任研究員
本研究は、霊長類モデル動物(サル)を用いて、多感覚から生じる環境の予測、変化の気づき、柔軟な行動の切り替えという一連の神経基盤の理解を目指す。特に、多感覚情報が収斂する前頭眼窩野の機能に着目し、感覚皮質から前頭眼窩野、前頭眼窩野と皮質下神経核との相互連絡による情報処理の役割を特定することで、感覚野―前頭連合野、および前頭連合野-皮質下領域における情報処理機構の新たな機能モデルの構築を目指す。
科学技術振興機構
さきがけ研究者
生物にはストレスに対抗する力 「ストレス適応力 」が備わっています。この力が上手く働かないと、生物はストレス不適応状態に陥り、脳・消化器・循環器など、体の様々な部位で病が生じます。本研究では、多感覚刺激の処理に特化した感覚系ドパミン細胞とストレスホルモンとの関係を明らかにすることで、ストレス適応力の神経メカニズムを紐解くことと、ストレス不適応症の成り立ちの理解を深めることを目標とします。
京都大学
大学院医学研究科
特定准教授
私たちは視覚、聴覚、触覚等の様々な感覚を統合することによって、出来事の“文脈”を記憶します。このような多感覚の記憶は文脈記憶と呼ばれ、複雑な環境を識別して行動するために重要です。本研究では、多感覚が脳内で文脈記憶として統合され行動へ反映される機構を細胞レベルで解析するため、それらを担う神経活動を同時にかつ長期間的に計測、操作することが可能な新たなファイバー内視顕微鏡と光遺伝学を開発、応用します。
東京工業大学
科学技術創成研究院
特任准教授
コミュニケーションは単に自分の意思を相手に伝えるだけでなく、社会とかかわり自己を確立するために重要ですが、その脳内機構の解明には至っていません。本研究では、小型の霊長類であるマーモセットを用いた大規模神経活動計測技術と自由行動下の行動・生理指標解析との融合により、霊長類の多感覚コミュニケーション脳内基盤の解明を試みます。
国立情報学研究所
情報学プリンシプル研究系
助教
本研究では,仮想現実を用いた神経行動学実験,情報熱力学的解析,計算論的神経科学及びデータ駆動型モデリングを相補的・段階的に実施することで,昆虫の多感覚入力に対する状況適応的な運動生成過程の解明を目的とします.成果の帰結として,自律移動ロボットを基盤とした人工システムに再構成することで,昆虫のように不確実性の高い環境に対しても柔軟かつ,適切に動作可能なロボットシステムとして社会実装を目指します.
東京大学
大学院情報理工学系研究科
准教授
個体間の社会的関係,すなわち社会性は,複雑な多感覚情報処理で支えられています.特に,脳の情報処理や自律神経系を反映するような,意識に上らない生体シグナルが,どのように社会性構築に影響するかは大きな問いです.本研究は,個体の内部状態を反映し得る生体シグナルや運動のゆらぎを多角的に計測する系を動物モデルで構築し,多感覚情報処理を介した社会性構築の例として,音楽による社会性強化メカニズムを解明します.
東京大学
大学院情報理工学系研究科
准教授
本研究の目的は,多感覚システムから多層的に自己が立ち上がるメカニズムを解明することです.そのために,身体的自己,身体イメージ,物語的自己という階層の異なる自己の関係を表す神経科学的にも妥当な計算モデルを構築し,VRを活用した基礎研究と自己認識の不適合状態を評価・改善する応用研究の両輪を通じてモデルの検証と改善をすすめ,多層的自己の認識・形成に関する妥当性の高いモデルを確立することを狙います.
科学技術振興機構
さきがけ研究者
我々の腸には1000種類以上もの共生細菌が定着しており様々な生理機能に影響を及ぼしています。本研究課題では不明な点が多く残されている共生細菌が脳に及ぼす影響、なかでも脳機能の発達や脳の発生過程に及ぼす影響を明らかにすることを試みます。特に共生細菌が多感覚システムや多感覚統合プロセスの発達に及ぼす影響に焦点を当て、そのメカニズムについて共生細菌感知メカニズムを含めて明らかにすることを目指します。