[パンデミック社会基盤] 2022年度採択課題

伊東 潤平

変異株の超早期捕捉に基づく流行予測法の開発

研究者
伊東 潤平

東京大学
医科学研究所
准教授

研究概要

新型コロナウイルスの流行の波は、伝播力の高い「変異株」の出現により引き起こされます。本研究では、新型コロナウイルスの配列データベースを監視し、新規変異株の同定から次期流行株の予測、そして流行予測までを自動で行うAIを開発し、web上に公開します。さらに、基礎ウイルス学者と連携し、同定した次期流行株の性質を流行前に明らかにします。そして、変異株の出現・流行にレジリエントな社会基盤の構築に貢献します。

上蓑 義典

パンデミック下で持続可能な臨床検査体制構築のための基盤研究

研究者
上蓑 義典

慶應義塾大学
医学部
専任講師

研究概要

本研究課題では、COVID-19パンデミック初期に社会や医療の要請に十分に応えられなかった我が国の臨床検査の課題をあらゆる観点から抽出します。そして、デジタル化と自動化により個々の検査室の災害時自助機能の強化と、ネットワークを活用した検査室間の共助体制の構築により、次のパンデミックにおいて安定して機能し、社会貢献が可能な強靭な社会インフラとしての臨床検査のモデルを模索し提案します。

遠藤 彰

意思決定科学と感染症疫学を統合した数理モデルによる社会防疫

研究者
遠藤 彰

長崎大学
大学院熱帯医学・グローバルヘルス研究科
客員研究員

研究概要

意思決定科学と感染症疫学を融合した新たな数理モデルのアプローチにより、「個人の意思決定」と、個々の意思決定の集合として生じる感染症流行に伴う「社会全体の利害」を適切に調停する政策について定量的に検討します。流行中に人々がリスクと利益を評価し個々に意思決定する例として特に重要な「ワクチン接種」と「接触行動」に着目してモデルによる推定やシミュレーションを行い、政策提案につなげます。

大久保 祐輔

パンデミックに強い子どもの医療・保健・教育連携モデルの構築

研究者
大久保 祐輔

国立成育医療研究センター
社会医学研究部
室長

研究概要

コロナ禍において、小児への医療提供体制および医療と教育、医療と地域保健の連携が不十分であることが判明しました。本研究では、医療ビッグデータで、コロナ禍の小児の診療実態と医療政策効果を因果推論・機械学習の手法で分析します。また、地域医療ネットワークを把握し、数理モデルによるシミュレーションを行い、持続可能な子ども医療体制を模索します。

加藤 哲久

総合知で生み出すネクスト・パンデミックに迅速対応できる技術基盤の開発

研究者
加藤 哲久

東京大学
医科学研究所
准教授

研究概要

核酸と蛋白質から構成される微小粒子であるウイルスの姿を正確に分析することは、感染症対策の基盤といえます。しかしながら、ウイルス核酸には非標準的な遺伝情報が多数コードされており、その全容解読は容易ではありません。本研究では、ウイルスの非標準的遺伝情報を解読する革新的な科学技術を創生することで、パンデミックに対してレジリエントな社会・技術基盤を整備することを目指します。

清水 秀幸

微生物学とAIの統合知による次世代の感染症制圧

研究者
清水 秀幸

東京医科歯科大学
M&Dデータ科学センター
教授

研究概要

迅速な創薬は次のパンデミックに対する社会基盤として非常に重要です。本研究では、微生物の性質を人工知能(AI)に学習させ、感染症に対する迅速かつ精密なAI創薬の実現を目指します。具体的には、微生物タンパクと化合物の親和性の関連を深層学習で紐解き、同時に微生物がゲノムにコードする抗菌ペプチドを効率よく発見するAIも創出します。低分子およびペプチド創薬両面からパンデミックに備えた技術基盤を構築します。

中村 絵理

緊急時における公益事業を中心とした企業間連携と住民間協力体制の構築

研究者
中村 絵理

神戸大学
大学院経営学研究科
教授

研究概要

本研究の目的は、パンデミック等の緊急時に必要となる企業間連携や住民間協力の最適体制を、公益事業を中心とした持続可能なプラットフォームとして構築する手法を確立することです。特に、サービス提供プロセスを通じて住民や顧客と接触が多い公益事業として都市交通事業を、生産プロセスを通じて政府や自治体と接触が多い公益事業として水道事業を取り上げ、これらを含む社会統合的な調整・連携ネットワークの構築を目指します。

野村 周平

新しい保健システム構築のための実証的な疾病負荷研究

研究者
野村 周平

慶應義塾大学
医学部
特任准教授

研究概要

包括的で比較可能な保健指標「疾病負荷」は、保健政策の優先決定に重要な情報ですが、諸外国に比べ我が国での政策活用は限定的です。本研究は、これまで私が行ってきた疾病負荷研究を発展させ、コロナ危機の先にある、社会経済活動を維持しつつ、公平で強靭で持続可能な新しい国内外の保健システムの構築に疾病負荷を活用する基盤を確立し、そして我が国の喫緊の国内保健政策とグローバルヘルス政策の議論に資する知見を創出します。

山本 敬洋

本人確認の歴史とパンデミック対応への示唆:証明写真を事例として

研究者
山本 敬洋

シンガポール工科デザイン大学
人文社会科学クラスター
講師

研究概要

パンデミック下での社会経済活動の継続には、非対面での安全・確実な本人確認が重要です。本研究は証明写真を事例に、本人確認技術の普及を巡る政策議論と言説を歴史的に分析します。顔写真による本人確認の登場、一般市民の反応、無帽・無表情・正対直視といった様式の厳格化を分析し、社会的受容の背景及びプライバシー概念との関連をよりよく理解することで、将来の対感染症政策への社会的合意形成に資することを目指します。

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