[パンデミック社会基盤] 2021年度採択課題

池田 真利子

夜の文化芸術の社会経済的機能に関する研究

研究者
池田 真利子

筑波大学
芸術系
助教

研究概要

本研究はポスト・コロナのグローバル社会の文化慣習の変化を見据え、オンライン・対面接触社会経済のレジリエントかつ創造的融合のため、現在危機的状況にある夜の民間公益文化芸術セクターの経済創造活動に焦点を当て、科学的エビデンスに基づき現状を調査・公開し、コロナを機に露となった日本の文化政策から零れる文化芸術を理解し、真に持続可能な文化行政と夜の社会・経済構築の総合知を形成することを目的とします。

井上 寛康

網羅的ミクロデータに基づく経済シミュレーション

研究者
井上 寛康

兵庫県立大学
大学院情報科学研究科
教授

研究概要

感染症対策等の施策が経済にどのような影響を与えるのかを推計します。具体的には、サプライチェーン・消費・企業活動の多面的・大規模・ミクロなデータを取り入れ、多くの活動主体が相互作用する複雑ネットワークを考慮したモデルを用いて、大型並列計算機を用いたシミュレーションを実施します。その際、従来研究では分析が困難なサービス産業の需給の追跡や日次ベースでの推計精度の向上を目指します。

岩波 翔也

数理科学が推進するパンデミックナレッジ基盤の構築

研究者
岩波 翔也

名古屋大学
大学院理学研究科
講師

研究概要

人々は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を経験する過程で、パンデミックに伴う医療や経済の課題に直面しました。本研究課題では、パンデミックの発生に際した迅速な対応を可能にするために、数理科学を駆使して、ウイルスとしての特性と感染症としての特性を結びつけ、政策など社会的影響を検討します。パンデミックを包括的に理解することで「将来の感染症を知り備えるための社会・技術基盤」の構築を目指します。

佐々木 周作

不確実な感染症政策に対する協力基盤の構築

研究者
佐々木 周作

大阪大学
感染症総合教育研究拠点
特任准教授(常勤)

研究概要

感染症対策となる科学技術には不確実性が伴うために、自発的協力者が少ない・政策ターゲットの協力が得られない等の課題が生じます。本研究では、不確実性に関する特徴を整理した上で、自発参加に委ねる「オプトイン方式」での協力者を量的把握し、行動経済学の情報提供ナッジが協力者を増やす効果を検証します。また、参加を初期設定にする「オプトアウト方式」について人々の自由意志と厚生に配慮できる導入方法を探究します。

瀧川 裕貴

パンデミックに備える社会的データ収集枠組みの構築と数理モデルによるネットワーク介入の有効性評価

研究者
瀧川 裕貴

東京大学
大学院人文社会系研究科
准教授

研究概要

パンデミックガバナンスのための社会的データ基盤の構築に向けて、計算社会科学に基づきながら、社会的属性・健康アウトカム付きのネットワークデータ収集方法論を開発します。その上で、それらのリアルデータを用いたネットワーク介入の数理シミュレーション解析を行います。それにより、感染拡大防止および経済・社会活動との両立および社会的公正さの観点から、ネットワーク介入政策の有効性を評価します。

武見 綾子

感染症対応における国際・国内ガバナンス向上に関わる研究―情報共有における異分野間連携と医薬品開発投資戦略に着目して―

研究者
武見 綾子

東京大学
先端科学技術研究センター
准教授

研究概要

新型コロナウイルスの脅威によってその課題があらためて突き付けられた、感染症対応における国際・国内のガバナンスについて研究します。具体的には、(1)感染症早期探知・対応に関わる異分野間情報共有の促進(2)柔軟な契約形態による医薬品投資の促進等を取り扱います。また国際社会における情報共有枠組み確保の観点から、新しい感染症にかかわる条約がどのように担保されるか、他の条約との比較も踏まえ検討します。

南宮 湖

パンデミックに対してレジリエントな研究体制構築のための基盤研究

研究者
南宮 湖

慶應義塾大学
医学部
専任講師

研究概要

COVID-19の臨床・研究に従事した医療従事者と研究者との双方向の議論やアンケート調査等から課題を抽出し、次の新興・再興感染症のパンデミック時に直ちに運用可能な研究体制を提案します。医療従事者の負担を最小限にする効率的な医療情報収集システムを模索し、研究参加が診療支援及び診療の質の向上につながるシステムを構築します。ELSIも検討し、パンデミックにレジリエントな社会・技術基盤の創出に寄与します。

西 晃弘

パンデミック時の過信行動の進化と早期警戒信号の役割

研究者
西 晃弘

カリフォルニア大学ロサンゼルス校
公衆衛生大学院
准教授

研究概要

本研究では、パンデミック時における過信に基づいた行動(例:マスク非着用で外出、リモート勤務要請に応じない等)の進化とその条件をエージェントベースシミュレーションと実際の参加者によるオンライン実験にて探索します。 さらに過信進化を抑制する際の早期警戒信号の役割を同様の方法で検討します。また歴史的感染症データ利用による実証研究も実施します。 最後に日米他のステークホールダーと意見交換も行う予定です。

長谷川 圭介

屋内空気の遠隔制御による感染症対応型情報環境の構築

研究者
長谷川 圭介

埼玉大学
大学院理工学研究科
講師

研究概要

本計画は、空中超音波が生成する音響流を用いた飛沫制御技術および、ネットワーク越しに触覚・聴覚刺激を伝達するユビキタスコミュニケーション技術の開発を目指すものです。対面とオンラインの両場面での独自技術の進展により、対人交流において本質的に重要な要素が明確になるとともに、COVID-19下でのフィジカルディスタンス対策の問題点を補完してパンデミック下での対人交流の質を維持できると期待されます。

藤原 直哉

マルチスケール地理的感染拡大モデルの構築と展開

研究者
藤原 直哉

東北大学
大学院情報科学研究科
准教授

研究概要

本研究では接触調査を行うことで都市における人々の接触の性質を明らかにし、GPSなどの大規模人流データによって推定された接触との比較を行います。接触調査の結果を利用して感染拡大の数理モデルを構築し、さまざまな地理的スケールにおける感染拡大のシミュレーションを行います。また、疫学データ等の実証分析を行い、モデルと実際の感染拡大を比較するほか、シミュレーション結果を理論的に理解することを目指します。

南木 創

感染症拡大抑止を支援するセンシング・ハブ基盤の構築

研究者
南木 創

産業技術総合研究所
健康医工学研究部門
研究員

研究概要

感染症の発生・拡大を抑制するには、一人一人の健康状態を正確に把握することが重要です。そこで本研究では,各種バイオマーカーの質的・量的変化を簡易に計測するためのマルチセンシングデバイスを開発し、健康診断の「日常化」を実現する分析システムの構築に取り組みます。既存サーベイランスの補完や在宅での健康管理を指向したデバイス開発を通じて、将来のパンデミックを効果的に抑止する基盤技術の創出に挑みます。

米岡 大輔

パンデミック下におけるデータ駆動型政策のための疫学・統計・機械学習的方法論およびその社会還元

研究者
米岡 大輔

東京大学
医学系研究科
客員研究員

研究概要

本研究では、パンデミック下における種々の調査法のバイアスの検討およびその補正ならびに感染状況のフェーズ毎のニーズに見合った疫学・統計・機械学習的方法論を提案します。また、複数分野に分散された情報や数理手法、データやプログラムなどを整理し、その結果の解釈まで一覧できるプラットフォームも構築します。

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