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- [サステイナブル材料] 2022年度採択課題
横浜国立大学
大学院環境情報研究院
准教授
本研究では、微量のモノマーにより液中で粒子間を確実に光架橋できてかつ、光硬化体を水系室温の温和な条件で一次粒子まで完全解体できる新概念光応答性スラリーを設計します。さらに、本スラリーを活用して、ガラス・セラミックス材料の任意形状への光造形性、高速な脱脂焼成操作に基づく高速製造性、光硬化体の完全解体と光硬化性スラリーの再生に基づく原料リサイクル性に優れた、革新的製造プロセスを構築します。
マサチューセッツ大学アマースト校
自然科学研究科
助教授
熱硬化性樹脂を含む高分子ネットワークを再成型可能とする材料設計の開発は、持続可能な社会を実現する材料科学における喫緊課題のひとつです。しかし、近年注目される動的結合の組み替えには、それぞれの系に特異的な条件が要求されることから、広汎な材料への応用には至っていません。そこで本研究では細断後超音波による再加工が可能で汎用樹脂に応用可能な、ソフト/ハード動的架橋剤の開発を目標とします。
東京科学大学
物質理工学院
助教
本研究では、自然環境下で速やかに低分子量化し、使用時の安定性と使用後の分解性を両立するサステイナブル材料の設計指針を構築することを目的とします。具体的には、高分子主鎖中の官能基の一部を変換することで分解性を制御する手法を開発します。高分子構造と機能の関係を明確化し、高分子反応による分解性官能基導入手法、および廃棄物を用いた分解性付与手法を確立することを目標とします。
信州大学
先鋭領域融合研究群
准教授
オンデマンド合成が可能で共重合による物性制御を実現するビニルポリマーに、特定刺激での高速分解を実現する機構を搭載し、造形・解体が容易な新材料を提供します。高速分解は主鎖-側基間の分子内エステル交換反応で実現します。ラジカル開環重合によりビニルポリマーの主鎖にエステル結合を導入するとともに側基にアルコール源を含むモノマーを交互連鎖させ、分解構造を構築します。研究の後半では本技術を接着剤に応用します。
東京大学
大学院総合文化研究科
准教授
木質バイオマスの主成分はセルロース、ヘミセルロース、リグニンという3種類の高分子です。本研究では、これら3成分すべての効率的な利用を可能とする結合切断触媒反応を開発します。特に、バイオマス利用を阻む根源的な障害である、セルロース中の糖ユニットを繋いでいるC‐O結合と、リグニンが持つ強固な結合を、触媒によって選択的に切断し、基幹化学品に転換します。
立命館大学
生命科学部
教授
フッ素化合物は私たちの豊かな生活を支える必要不可欠な材料な一方、過激な条件でしか分解せず、環境・生体蓄積性がきわめて高いなどの課題があります。本研究では、深紫外光を含まず、光強度の弱い太陽光を用いて、強固な炭素-フッ素結合を開裂する複合ナノ材料を創出します。温和な条件でフッ素化合物をリサイクル可能なフッ化物イオンにまで分解する手法を確立することにより、持続可能なフッ素リサイクルの実現を目指します。
東北大学
大学院薬学研究科
准教授
本研究では、分解性の芳香族セグメントを設計し、未踏の分解性芳香族ポリマーの科学に貢献することを目指します。従来のポリマーの分解反応では、主鎖の立体的混み合いが反応を阻害しましたが、立体的に空いた側鎖部位の分解が起点となって主鎖の分解を誘起するポリマーを開発します。有機塩基の化学を基盤として、効率的な触媒的分解反応として、さらには、反応性中間体を活用したアップサイクル分解として確立します。
広島大学
大学院先進理工系科学研究科
准教授
本研究では、炭化水素ポリマーの望みの位置に強固な動的架橋部位を導入することで、高機能化とマテリアルリサイクルを同時に達成可能な汎用ゴム材料の開発を目指します。動的架橋部は、特定条件下でのみポリマーの触媒的解重合反応の基点となるように設計し、材料として利用した後のケミカルリサイクルも可能とします。リサイクルが困難と言われるゴム材料の分野において、既存材料を超える性能とリサイクル性の両立に挑戦します。
神戸大学
大学院科学技術イノベーション研究科
特命准教授
本研究では「微生物を菌体触媒に用いたPEFの完全バイオ重合」及び「人工進化的酵素開発を通じたポリマー分解酵素の極高機能化」という2つの技術開発を行います。PEFの完全バイオ重合を達成し、他の剛直成分含有ポリマー合成技術へと拡張します。また、人工進化的酵素開発を通じてポリマー材料を常温常圧で迅速に分解する酵素の開発を行い、ポリマー分解酵素の全く新しい開発手法として体系化します。