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- [サステイナブル材料] 2021年度採択課題
東京科学大学
総合研究院
助教
「強固な接着」と「容易な解体」という二律背反な機能の両立を目指して、接着界面の化学結合に着目した界面制御技術を開発します。光や熱の刺激によって結合状態を変化させる分子を用いて、接着と解体を界面から制御します。この技術を活用して、強固な接着を証明するための界面状態の検出法や、実利用を見据えた解体システムを提案し、持続可能な社会に向けて資源循環を促進させる技術として貢献することを目指します。
広島大学
大学院先進理工系科学研究科
准教授
使用時には強く接着し、使用後には外部刺激で簡単に剥離できる接着剤は、マルチマテリアル化があらゆる分野で進む中、材料のリサイクル・再利用を可能にします。私は、大きな構造変化と高い熱安定性を両立した新たな分子スイッチを用いて、接着と脱着を光可逆的に制御できる高分子のみからなる接着剤を開発します。固体と液体、および水素結合の形成と解離の光可逆的変換の相乗効果で、接着強度の大きく可逆的な変化を実現します。
東京大学
大学院新領域創成科学研究科
准教授
無機多孔質材料であるゼオライトは、温室効果ガスや汚染物質の吸着・分解、バイオマスを利用した物質合成など、環境・エネルギー問題の解決へ向けたキーマテリアルです。しかしながら、ゼオライト自身のサステイナブルな合成プロセスは確立されていません。本研究では、原子レベルの配列制御にチャレンジし、自在に分解・結合可能な骨格のデザインと、実用化へ向けた高価な原料のリサイクルを合わせて検討します。
東京大学
大学院工学系研究科
准教授
大腸菌やサルモネラ属菌が分泌するポリフェノール性鉄キレート剤であるエンテロバクチンの化学構造に着目し、エンテロバクチンが鉄イオンの補足(ON)と放出(OFF)をスイッチングするメカニズムからヒントを得た新規「分解開始スイッチ」を立案します。この「分解開始スイッチ」を植物由来ポリフェノールからなるバイオベースフィルム中に組み入れることで、水中分解性セグメントとして機能するかどうか検証します。
北海道大学
大学院工学研究院
教授
オートクレーブ環境下における建築系ポリウレタン断熱材の素材フィルムの表面分解とイソシアネートエマルション散布による架橋メカニズムを明らかにした上で、μX線CTによりパッキングされた発泡ウレタン小片の立体配置構造を把握し反応場の形成状況を最適化することで熱伝導率・曲げ強度ともに十分な再生成型体を完成させる。これにより「ポリウレタンの界面部における分解結合制御手法」を完成させる。
東京大学
大学院工学系研究科
准教授
酵素反応は基質特異性により結合形成と分解の両反応を位置・立体選択的に制御することが可能です。本研究では、ポリアミドの適切な分子設計と酵素の選択により、合成と分解をそれぞれ独立に行うことが可能な酵素反応系を確立することで、ポリアミドの合成と分解をオルソゴナルに制御することを目指します。これにより、材料安定性を担保しながらオンデマンドに酵素分解することが可能な機能性ポリアミド材料の開発を行います。
京都工芸繊維大学
繊維学系
教授
脂肪族ポリエステルやポリカーボネートなどの加水分解性を示す脂肪族縮合系ポリマーを基本骨格として、様々な側鎖構造を導入することで、高い熱/力学物性(高物性)の付与や、主鎖の分解の速度と時期の制御を可能にさせます。これにより、いつでも(オンデマンドに)分解可能な「つよい」(高物性)の循環型ポリマー材料を実現し、従来の分解性ポリマーが抱えてきた「分解と材料寿命」のトレードオフの打破に挑戦します。
東京大学
大学院総合文化研究科
助教
本研究では、光・酸協働分解という新概念を基軸に、光に安定で強固な結合をやさしく光分解可能な材料の機能化と多様化を実現する。光・酸協働分解性を有するユニットを開発し、高分子材料中に導入することで、様々な高分子材料に対して「自然光の下でも使い続けることができる光分解技術」を提供する。同時に、本技術の非レアメタル化・多重化を実現し、微細光分解に基づく材料高機能化によって技術を一般化・深化させる。
産業技術総合研究所
材料・化学領域触媒化学融合研究センター
主任研究員
本研究では、スーパーエンジニアリングプラスチックの主鎖内のモノマーユニットに分解性を発現させ、特定の主鎖結合を精密に分解してモノマーに分解する、精密解重合反応の開発に挑戦します。得られたモノマーについては、再重合によるポリマーへの再生、機能化分子へ変換できることも合わせて示します。こうして、従来の手法では困難な高機能、高安定プラスチックのケミカルリサイクルの突破口を切り開きます。
海洋研究開発機構
超先鋭研究開発部門
主任研究員
本研究では、微生物が金属材料(特にステンレス鋼)を腐食させる現象と電気化学的な組織溶解特性の共通点に注目し、微生物が引き起こす組織選択的溶解現象の理解を目指します。微生物による金属腐食は社会インフラにダメージをもたらす重大な問題ですが、独自に確立したステンレス鋼電極を用いた電位モニタリング培養システムを用いて腐食原理を解明し、腐食診断・防食技術・金属回収技術への発展に貢献します。