[信頼されるAI] 2022年度採択課題

五十川 麻理子

個人特定に繋がりやすい情報を活用しない人物状態推定システムの構築

グラント番号:JPMJPR22C1
研究者
五十川 麻理子

慶應義塾大学
理工学部
准教授

研究概要

あらゆる人が安心してAI社会の恩恵を受けられる社会の実現を目指し,「個人特定に繋がりやすい情報を活用しない,人物状態推定システムの構築」に取り組みます.具体的には,人の顔や衣服を含んだ画像情報や,ユーザの声色・会話内容等の個人が容易に特定可能な情報を活用せず,シルエット画像や,意味情報を含まない信号波等の「漏洩しても個人の特定に繋がりにくい計測情報」のみを入力とした人物状態推定技術を提案します.

上原 一将

ニューロインフォマティクス活用で紐解く信頼されるExplainable AI

グラント番号:JPMJPR22C2
研究者
上原 一将

豊橋技術科学大学
情報・知能工学系
准教授

研究概要

ヒト認知運動課題で得られる神経・筋生体情報を利活用することで,(1) AIが導き出した行動課題成績の予測や判別に寄与する判断根拠を神経活動操作や仮想的生体信号操作等のニューロインフォマティクスを駆使して因果に基づくXAIの信頼性を検証する。(2) 将来的に人間-AI協調が必須な医療におけるXAI技術実装の実現を視野に入れ,臨床データを用いて検証することでXAIの社会浸透を目指す。

岸田 昌子

リスク・アウェア制御理論の構築とその展開

グラント番号:JPMJPR22C3
研究者
岸田 昌子

情報・システム研究機構
国立情報学研究所
准教授

研究概要

セーフティ・クリティカルな動的システムの自動化が加速しており、多様な不確実性下でも高い信頼性を有する制御設計が必須です。しかし既存の制御理論は、不確実性への対処はある程度可能であるものの、稀な重大事故による損失を適切に考慮することはできません。本研究では、テール・リスクを定量化して制御設計に反映させることで損失を最小限に抑え、信頼性と安全性を確保するリスク・アウェア制御理論を構築します。

櫻田 健

シーンのプライバシーを自動保護する深層空間モデリング

グラント番号:JPMJPR22C4
研究者
櫻田 健

京都大学
大学院情報科学研究科
准教授

研究概要

カメラやレーザー等のセンサの種類に依存しない統一的な空間モデリング手法の構築と、その空間モデルに含まれるシーンのプライバシーやコンテンツを保護するための自動編集機能を実現します。本技術により、これまで難しかった空間モデルの公開と共有(オープンデータ化)を円滑に進め、自動運転やサービスロボット、XRなど空間データ基盤に基づく産業を後押しすることを目指します。

酒見 悠介

脳型アナログ演算を支える数理モデリング

グラント番号:JPMJPR22C5
研究者
酒見 悠介

千葉工業大学
数理工学研究センター
上席研究員

研究概要

脳型ハードウェアは高いエネルギー効率と高い情報処理能力を両立する次世代コンピュータです。しかし、回路素子の非理想的特性やばらつき特性などのアナログ回路特有の問題により動作信頼性は低く、実用化は困難です。本研究課題では、脳の知見とデータ駆動モデリング技術を活用することで、デバイス・回路・アルゴリズムを融合した設計を可能にし、それにより高い信頼性で動作可能な脳型ハードウェアの構築を目指します。

田中 一敏

簡単に使える柔軟マニピュレータの汎用技能獲得

グラント番号:JPMJPR22C6
研究者
田中 一敏

オムロンサイニックエックス(株)
リサーチアドミニストレイティブディビジョン
シニアリサーチャー

研究概要

汎用技能を獲得するソフトロボットが、身体と物体に合う秩序立った運動を自ら発見し、運動の知識を汎化して応用するためには、物体操作の様々な運動を安全に試せる身体を有し、身体と物体に合う秩序立った運動を発見し、限られた試行から効率よく運動の知識を汎化する必要がある。このため本研究では、軽量小型柔軟アーム、物体特徴を表す秩序運動の生成法、試行効率の高い運動知識の汎化法を開発する。

富岡 洋一

持続可能な高効率AIシステムの実現

グラント番号:JPMJPR22C7
研究者
富岡 洋一

会津大学
コンピュータ理工学部
上級准教授

研究概要

インフラ・医療などのミッションクリティカルシステムにおいて、AIの故障は人命に関わる深刻な誤作動を引き起こす可能性があり、AIの耐故障化が必要です。しかし、既存の耐故障化技術をAIシステムに適用した場合、面積、消費電力、コストを大きく増加させる問題があります。本研究では、突発的に発生した故障を検知し、十分な精度の認識を継続できる耐故障AIを低計算量、小面積で実現する技術を確立します。

二見 太

情報理論を用いた不確実性に関する学習理論の展開

グラント番号:JPMJPR22C8
研究者
二見 太

大阪大学
大学院基礎工学研究科
講師

研究概要

情報理論およびPACベイズ理論の融合により、具体的なアルゴリズムに依存して、深層ベイズ推論の予測能力と統計的不確実性を同時に評価できる新しい非漸近論的な学習理論の構築を目指します。またそれを活用することで、ユーザーのデータに対する仮定に柔軟に合わせて、不確実性の評価が可能な新しい深層ベイズのアルゴリズムやモデルを開発します。

村田 真悟

脳の計算原理とプレイデータに基づく実世界ロボット学習

グラント番号:JPMJPR22C9
研究者
村田 真悟

慶應義塾大学
理工学部
准教授

研究概要

人間の認知発達過程を参考にし,実世界環境におけるロボット学習を実現するために必要な計算原理とデータ取得法の確立を目指します.脳の情報理論として有力視されている自由エネルギー原理に基づく深層生成モデルを構築し,ロボットに実装します.効率性と多様性を備えたロボットのプレイデータを取得することで自己教師あり学習を行い,想定外の状況に対する適応能力や,未経験の目標に対する計画能力について検証します.

和賀 正樹

品質保証と説明の両立による信頼できるAIの構築技術

グラント番号:JPMJPR22CA
研究者
和賀 正樹

京都大学
大学院情報学研究科
助教

研究概要

AI システムを信頼できるようにするためには、安全性、公平性、頑健性などの、システムの「正しさ」の保証とその説明が必要となります。本研究では AI システムの動作を説明する近似数理モデルの自動導出と、導出された数理モデルの数学的証明による正しさの保証を組み合わせることで、「正しさ」の保証と説明を両立する、信頼できる AI システムのための基盤技術を創出し、プロトタイプツールの実装を目指します。

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