[自在配列] 2022年度採択課題

五十嵐 正安

水素結合性無機構造体で拓く新しい学理および材料開発

研究者
五十嵐 正安

産業技術総合研究所
触媒化学融合研究センター
上級主任研究員

研究概要

原子・分子を精密に配列して構造を制御することで新しい物性や機能が発現し、その結果革新的な材料開発が可能になります。本研究では、独自に見出した水素結合性無機構造体(HIF)の特異な空間配置・配列をもとに、無機化学と有機化学双方の学理を追求し、さらにその学理を基盤とした革新的な有機-無機複合化合物の創出を目指します。

今井 みやび

原子精度での光合成色素分子の配列形成と光電変換機能の評価

研究者
今井 みやび

理化学研究所
開拓研究本部
基礎科学特別研究員

研究概要

生物の多くの機能は進化の過程で効率化されているため、これらの機能を研究し技術開発に取り入れることは、技術革新を引き起こす可能性を秘めています。本研究では、走査トンネル顕微鏡を用いて、個々の分子を配列させたモデル光合成系を形成し、配列に対応した光電変換機能を原子精度で評価します。構造と機能の相関を解明し、光合成で驚異的な効率で生じる光電変換機能を人工的に発現し、配列構造により制御することに挑みます。

大洞 光司

タンパク質集合体による色素と触媒の分子配列

研究者
大洞 光司

大阪大学
大学院工学研究科
准教授

研究概要

本研究では、天然光合成系の構成要素である光捕集系と触媒中心の分子配列に着想を得て、タンパク質集合体を用いて色素と触媒を適切に配列し、光水素発生系の開発をめざします。人工的に集合化したタンパク質を基盤に光増感色素を配列する技術を確立し、光子密度の低い太陽光を反応中心に集約して、円滑な多電子移動反応を可能にする人工光捕集系を構築します。さらに触媒部位を適切に導入し、人工光合成系の開発に貢献します。

岡本 泰典

金属イオンのタンパク質内精密多点配置による機能創出

研究者
岡本 泰典

東北大学
学際科学フロンティア研究所
助教

研究概要

高難度反応を触媒する多核金属酵素をボトムアップで作り直すこと、すなわち、人工金属酵素を構築することは強力な触媒開発に繋がります。しかし、タンパク質内部で複数の金属イオンを自在に配置することは極めて困難な課題です。本研究では、タンパク質内部で金属イオンを多点配置する戦略を見出し、人工多核金属酵素を構築します。複数の金属イオンの協働性による基質の多点活性化や特異な機能の発現をねらいます。

樫田 啓

新規配列解析法を利用した機能性PNAアプタマーの開発

研究者
樫田 啓

名古屋大学
大学院工学研究科
准教授

研究概要

近年、様々な分子に結合する核酸アプタマーが注目されています。しかし、多くの場合DNAやRNAが利用されていたため、化学的機能に乏しいという問題点がありました。本研究では、我々が開発した配列解析法を利用してペプチド核酸(PNA)によるアプタマーの開発を目指します。PNAを利用することでこれまで困難であった標的分子への結合や生体分子検出などへの応用が期待できます。

桑原 卓哉

メカノケミストリーを活用した2D超潤滑原子構造の自在創成

研究者
桑原 卓哉

大阪公立大学
大学院工学研究科
講師

研究概要

ダイヤモンドライクカーボンは、境界潤滑・無潤滑環境で摩擦係数0.01以下の超潤滑を発現します。しかし、その起源は原子レベルの現象・構造にあることから、全く解明されていません。そこで、量子化学/分子動力学計算により、超低摩擦発現を支配する2次元原子構造の形成機構を解明します。電子・原子論に立脚したモデル・理論の構築及び実験による実証を通じて、超潤滑2次元原子層のメカノケミカル合成技術の理論設計を実現します。

鈴木 雄太

自在配列による機能性タンパク質集合体の創成

研究者
鈴木 雄太

科学技術振興機構
さきがけ研究者

研究概要

本研究の究極の目標は、生体分子に匹敵する、あるいは自然界に存在しない人類に有益な機能性タンパク質集合体を創り出す「革新的なタンパク質デザイン」を確立することです。その第一歩として本研究では、タンパク質を自在に配列し様々な形状の集合体を創り出すモジュール式タンパク質集積デザインを確立し、構造制御・機能搭載を可能にすることで、生体材料への応用を視野に入れた機能性タンパク質集合体を構築します。

田代 省平

結晶内分子配列に基づくバイオリファイナリー

研究者
田代 省平

東京大学
大学院理学系研究科
准教授

研究概要

バイオマスの化学変換による資源やエネルギーの創出はバイオリファイナリーと呼ばれ、触媒や材料分野における重要な標的の一つです。本研究では、超分子化学・分子配列化学に立脚した革新的なバイオリファイナリー技術を開発するため、優れた分子配列能・触媒能を示す多孔性結晶を活用することにより、フラン誘導体やテルペン、多糖、リグニンなどを標的とした高選択的分子変換反応や分子配列技術を開発することを目指します。

新津 藍

自在配列膜貫通ペプチド精密設計法の開発と機能開拓

研究者
新津 藍

理化学研究所
生命機能科学研究センター
チームリーダー

研究概要

膜タンパク質は、膜貫通領域がアミノ酸の一次配列に基づいて特定の配置に集積することで機能を発現します。本研究では、この“配列-構造相関”を膜貫通αヘリックスペプチドを用いて探索・検証し、会合数やダイナミクスを自在に制御することを目指します。その手段として分子動力学計算を活用した新しい設計法を開発し、自在配列膜ペプチド群を創出します。さらに設計ペプチドから高機能人工膜タンパク質への応用を開拓します。

茂木 裕幸

ナノ励起子自在回路による革新情報処理基盤の開拓

研究者
茂木 裕幸

筑波大学
数理物質系
助教

研究概要

情報処理技術のエネルギー効率を劇的に改善するために、電荷中性である励起子の応用が効果的です。独自の時間分解マルチプローブ技術を応用し、原子厚のシート状材料を重ね合わせた二次元ヘテロ構造をプラットフォームとして、励起子閉じ込め系をナノスケールで自在に配置します。これにより励起子情報回路を形成した後、励起子流の全光制御(ナノスケール励起子光スイッチ)を実現し、革新的な情報処理基盤を創ります。

森川 大輔

二次元配列構造における局所電子密度分布および物性解析手法の開発

研究者
森川 大輔

東北大学
多元物質科学研究所
助教

研究概要

本研究では、電子ナノビームを用いた局所電子密度分布解析と第一原理計算との協奏により、これまでに類のない局所領域の物性解析手法を開発します。特に原子の配列が物性を支配している二次元配列構造の解析へと応用し、ナノ領域の電子密度分布やバンド構造等の唯一無二の情報が取得可能な日本発の技術となることを目指します。

矢木 真穂

アッセンブリー補助によるタンパク質の配置制御

研究者
矢木 真穂

名古屋市立大学
大学院薬学研究科
講師

研究概要

本研究では、生命分子の複合体形成におけるアッセンブリー補助メカニズムの本質を取り入れたシステムを構築することで、複数種類のタンパク質のアッセンブリーを制御する戦略を確立します。過渡的に生成する集合中間体を安定化することにより、ビルディングブロックとしてのタンパク質が規則正しく集積したヘテロ超分子構造体を創成し、新規機能創出のプラットフォームとして利用することを目指します。

山内 祥弘

ボトルブラシポリマーによる革新的相分離構造の創成

研究者
山内 祥弘

物質・材料研究機構
高分子・バイオ材料研究センター
独立研究者

研究概要

ボトルブラシポリマーは、長さ・直径・化学的性質の制御性、共有結合性、単分散性の特徴を兼備するユニークな一次元物質です。本研究では、マクロスケールの機能・物性を操るためのメゾスケールの中継点として、ボトルブラシポリマーによる革新的な相分離構造を創出します。ボトルブラシポリマーに静電的特性や力学的特性をナノスケールで付与することでマクロスケールへ伝達される機能・物性と相分離構造の相関解明に挑戦します。

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