[自在配列] 2020年度採択課題

太田 誠一

塩基配列からナノ粒子配列への自在変換が拓く生命情報検出

研究者
太田 誠一

東京大学
大学院工学系研究科
准教授

研究概要

AとT、GとCそれぞれの塩基のペアによって2重らせんを形成するDNAは、ナノスケールの動的な構造制御を可能とします。本研究では、生命情報を塩基配列に貯蔵した核酸から、“人工バイオマーカー”として任意に塩基配列を設計した人工DNAを増幅して書き出し、さらにこれに含まれるトリガー配列によってナノ粒子の3次元配列の変化を誘起することで、粒子の光特性変化から生命情報を検出する、新たな検査技術を開拓します。

北浦 良

二次元系の自在超構造化と機能創出

研究者
北浦 良

物質・材料研究機構
ナノアーキテクトニクス材料研究センター
主席研究員・グループリーダー

研究概要

二次元物質を組み合わせて生み出される超構造の可能性は広大です。本研究では二次元物質を対象に構造・組成制御を極限まで突き詰めることで未踏の二次元超構造を創製する方法論を確立します。さらに、生み出される新奇二次元超構造の特異な電子状態を利活用した新たな電子デバイスへの展開を図ります。

草田 康平

金属ナノ粒子における原子の三次元自在配列技術の構築

研究者
草田 康平

京都大学
白眉センター
特定准教授

研究概要

本研究では、金属原子の三次元配列を自在に制御し、金属ナノ粒子の選択的な結晶相の制御『相制御』の達成により、自然界には存在しない新規ナノ物質を開発することを目的とします。具体的には、金属元素及び合金組成を変えることなく、金属の三大基本構造(面心立方格子、六方最密格子、体心立方格子)を化学的合成法で選択的に作り分ける技術の構築とそのメカニズムの解明を行い、触媒特性を中心に新規ナノ物質開発を行います。

近藤 美欧

金属錯体触媒の精密配列に基づく反応場の自在構築と正と負の触媒効果

研究者
近藤 美欧

東京工業大学
理学院
教授

研究概要

本研究では、触媒分子の精密配列に立脚した触媒反応の自在操作を目標とした研究を行います。第一に、触媒分子の精密配列を利用した反応場の自在構築法を確立し、高規則性を有し、内部に空間を有する新規触媒材料、反応性フレームワークを構築します。その上で、精密配列がもたらす「正」と「負」の触媒効果を発現させ、配列制御の化学と触媒化学との融合による物質変換反応全般に広く貢献する新たな学問領域を開拓します。

佐藤 弘志

トポロジカル結合の自在配列による革新的機械特性発現

研究者
佐藤 弘志

理化学研究所
創発物性科学研究センター
ユニットリーダー

研究概要

「トポロジカル結合」では、構成ユニット間での直接的な結合は形成されておらず、応力が加えられると構成ユニット同士の相対位置は柔軟に変化します。金属-有機構造体(MOF)をプラットフォームとした「トポロジカル結合」の自在配列により、「応力に柔軟に適応する」トポロジカル結合の特性を最大限活かし、本来相容れない「結晶性」と「適応性」を併せ持つ革新的機械特性を示す材料の創製と学理の構築を目指します。

佐野 航季

ナノシートの配列制御に基づく革新的ソフトマテリアルの創成

研究者
佐野 航季

信州大学
繊維学部
助教

研究概要

二次元物質であるナノシートは、様々な分野での応用が期待される魅力的な次世代ビルディングブロックですが、ボトムアップ手法で合目的的なナノシート配列構造を構築することは極めて困難です。本研究では、ナノシート合成と機能実現との間に大きく横たわる壁を打破すべく、ナノシートの配列を自在制御できる基盤技術の確立と、ナノシートの新規配列構造に基づいた革新的機能を有するソフトマテリアルの創成を目指します。

澤田 知久

可逆的ペプチド鎖による高次ナノ構造構築法の開発

研究者
澤田 知久

東京工業大学
科学技術創成研究院
准教授

研究概要

自然界のタンパク質における構造とその機能は、ポリペプチド鎖の配列情報に基づいて高度にプログラム化されています。本研究では、10残基以下のペプチド断片を可逆な結合によって連結した分子鎖(可逆的ペプチド鎖)が生み出す特異なナノ構造の探索と機能化を行います。可逆性のある連結を組み込むことによって、通常のポリペプチド鎖では抑制されていた潜在的な特異なトポロジー構造を誘起し、新奇ナノ構造群を創出します。

菅原 克明

MBE・原子置換・パターニングを融合した新原子層材料の創製

研究者
菅原 克明

東北大学
大学院理学研究科
准教授

研究概要

本研究では、新たに建設する原子置換装置および真空ガルバノスキャナレーザ装置を用いて原子・構造・空間の3つを自在制御した新規原子層材料を開発し、それらの電子状態解明を行います。得られた新たな知見から、新規原子層材料における原子・構造・空間の制御に基づいた新奇量子現象の創発および学理構築を目指すと共に、既存デバイスを凌駕する「原子層エレクトロニクス」開発に資する基盤技術構築に貢献します。

砂田 祐輔

ケイ素鋳型分子を活用した金属自在集積

研究者
砂田 祐輔

東京大学
生産技術研究所
教授

研究概要

ナノサイズ金属化合物は、多分野で機能材料として使われています。これらの機能は金属配列や次元性等に依存しますが、全構造パラメーターの完全制御は未踏です。本研究ではケイ素分子を用いた鋳型合成法に立脚し、全構造パラメーターを完全に制御した金属集積分子の自在合成を実現します。併せて高機能性触媒としての応用や高次構造体への構造拡張を行い、構造・次元性・機能を自在に制御可能な金属ナノ材料の科学を開拓します。

塚本 孝政

特異的原子配列が創るエキゾチッククラスターの開拓

研究者
塚本 孝政

東京大学
生産技術研究所
講師

研究概要

本研究では、クラスターの物理的形状(原子配列の幾何学的対称性)と、数学的因子(原子配列の内在数列)の二つの要素に着目した研究を展開します。これに基づいて設計したクラスターを、独自開発した多元合金クラスターの精密合成手法「アトムハイブリッド法」を用いて実際に合成・評価することで、光・磁気・電気・触媒特性に代表される革新的物理特性や特異的化学反応性を発現したエキゾチッククラスターの創成を行います。

中野 祥吾

離散的配列ブロックに基づく人工タンパク質配列自在設計技術の開発と応用

研究者
中野 祥吾

静岡県立大学
食品栄養科学部
准教授

研究概要

データベースには大量のタンパク質配列が登録されており、その数は現在も増え続けています。本研究では拡大を続ける配列データを網羅的に解析し、全てのタンパク質にその機能を決定づける離散的配列ブロックが存在することを証明します。配列ブロックの同定を可能とする新規手法の開発を行うとともに、これらブロックを組み合わせて機能を自由自在に制御した人工タンパク質配列設計の実現を目指します。

中野 匡規

強相関ファンデルワールス超構造の創成

研究者
中野 匡規

東京大学
大学院工学系研究科
特任准教授

研究概要

分子線エピタキシー法を利用したアプローチにより、劈開法では作製が困難な強相関二次元物質の作製と集積化に取り組みます。そして、電子の個々としての性質であるスピンやバレー、あるいは波動関数のトポロジーといった量子力学的な特徴と、電子の集団としての性質である超伝導や磁性などの強相関物性を人工超構造で融合させ、天然には存在しない物性や機能性の創出を目指します。

原田 尚之

準2次元金属の層配列制御による界面機能の創出

研究者
原田 尚之

物質・材料研究機構
ナノアーキテクトニクス材料研究センター
独立研究者

研究概要

現代社会を支える通信、制御、センシング技術は半導体デバイスにより成り立っています。半導体デバイスの機能は異なる物質が接合された界面で生まれます。本研究では、層状の電気伝導層を持つ準2次元金属に着目し、半導体と結晶レベルで接合します。準2次元金属の層配列を自在に制御する方法を開発し、層配列の生む界面物性により、革新的なパワーデバイス、高周波デバイス、スピンデバイスを実現します。

廣瀬 崇至

らせん状π共役分子の自在配列によるキラル分子機能の創出

研究者
廣瀬 崇至

京都大学
化学研究所
准教授

研究概要

π拡張型の分子骨格にらせん状の歪みを加えることで、ナノスケールのらせん構造に由来するユニークな電子物性が発現します。本研究では「大きなπ共役系」と「しなやかさ」を兼ね備えたπ拡張型のらせん状分子の自在配列に挑戦します。らせん状分子のキラリティーが増幅されるような異方性の高い集積構造を精密に設計することで、π拡張型らせん状分子を基盤とする新奇な分光学的・力学的機能の発現を目指します。

山田 裕貴

液体中のイオン・分子配列制御と電気化学新機能の開拓

研究者
山田 裕貴

大阪大学
産業科学研究所
教授

研究概要

本研究構想では、液体中におけるイオン・溶媒分子の配列構造化手法を開発するとともに、配列的特徴により生み出される新機能の開拓を目的とします。電解液を特定の機能を有する単位配列の集合体ととらえて設計することで、構成要素であるイオン・溶媒分子固有の性質を逸脱した新奇な電気化学機能を有する電解液材料を開発し、高電圧水系蓄電池をはじめとする革新的な電気化学デバイス・反応の開拓を目指します。

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