-

人間と調和した創造的協働を実現する知的情報処理システムの構築

戦略目標

「人間と機械の創造的協働を実現する知的情報処理技術の開発」

研究総括

bunyah26-2hagita

萩田 紀博(株式会社国際電気通信基礎技術研究所 取締役/知能ロボティクス研究所 所長)

概要

 本研究領域では、人間と機械の協働により新たな知を創出し、人・集団の知的活動の質向上を実現する知的情報処理システムを目指した研究開発を推進します。

具体的には、

①個人・集団の特徴や逐次変化する実環境・ネットワーク情報環境をシステムが高度なレベルで把握し、その時、その場所、その人・集団に合わせた最適なサービス群を提供できる技術

②機械が提供するサービスについて人・集団が意思決定しやすいように、対話や作業を通じてサービス内容や利用者への恩恵、リスクを分かりやすく説明・表現できる技術

③人・集団と機械が調和して協働することにより生まれた新たな知を共有するための技術

④上記の研究開発を推進するために必要な知的情報処理メカニズムの解明

などに関する研究を対象とします。

これらの研究を推進するにあたり、情報処理、認知科学、社会科学、自然言語、計算機科学、計算科学、ロボティクス等における要素技術の進化と、それらのシステムインテグレーションによる知的情報処理システムの構築を目指し、人間と機械が調和したアンビエントな情報社会の実現に向けた異分野融合・連携に取り組みます。

 本研究領域は、文部科学省の選定した戦略目標「人間と機械の創造的協働を実現する知的情報処理技術の開発」のもとに、平成26年度に発足しました。

平成28年度募集・選考・研究領域運営にあたっての研究総括の方針

1.背景

 情報通信技術(ICT)は人々の暮らしや企業活動に変革をもたらし、ソーシャルメディアやスマートシティのように新しい社会の仕組みや人間の生活様式・知的活動環境を変えつつあります。同時に、ICTが社会に浸透すればするほどインターネットやモバイル端末、センサー等などから発生する情報は増え続けるために、我々がそこから得られる知識をうまく活用できないという問題や新たに生み出された知識の倫理的・法的・社会的受容性などの新たな問題を引き起こします。センシング技術も、これまでのように人がキーワードを入力してインターネットを検索するだけでなく、我々が街中で行動するだけで、または機械にジェスチャ動作や対話をするだけで、機械と情報をやりとりできるようになってきています。機械自身も膨大な情報量を高速に処理する技術や、膨大な知識から質問応答が出来るほど知的処理能力が向上しています。そこで、これからの知的情報処理は、人間と機械が協働することによって、増え続ける大量の知識の新しい活用方法やこの協働過程から得られる新たな知識(体験共有知など)の活用方法を研究開発することによって、個人や集団の知的活動が飛躍的に向上することが期待されます。

2.求められる研究

 本研究領域では、個々の要素技術の研究・発展ではなく、社会が受け容れる知的情報処理という視点にも着目して、情報科学や認知科学、社会科学、ロボティクスなどの関連分野の研究を融合すること、および人(々)と機械の協働過程を通じて得られる体験共有知を持つことを前提として、人間社会と調和のとれた知的情報処理システムを研究開発し、インターネット環境を含む実環境で実証することを目指します。
 知的情報処理システムが適用される対象として、次のようなサービスを想定しますが、必ずしも、これらに限定されることはありません。

高齢者/障害者の生活支援、個別教育・学習支援、医療診断支援、生活習慣指導、専門家の議論支援、政策・制度設計支援等



 知的情報処理システムの構築に求められる要件と関連技術・分野の具体例を以下に示しますが、これに限定されることなく様々な分野からの革新的・挑戦的な研究開発の提案を期待します。提案内容には、なぜその研究が必要なのか、社会へのインパクト、人間社会と調和するために倫理的・法的・社会的な視点で考慮した点、中間・最終目標で実現するシステムのイメージや数値的な目標などを含むことが望まれます。

個人・集団の特徴や、逐次変化する実環境・ネットワーク情報環境をシステムが自律的・半自律的に把握し、その時・その場所、その人・集団に合わせた最適なサービス群を提供できる技術

メディア認識・理解、自然言語理解、マルチモーダルインタフェース、空間状況認識、センサーネットワーク、環境知能等

単なる知識の検索や提示ではなく、機械が提供するサービスを個人・集団が意思決定しやすいように、対話や作業などの協働過程を通じて、サービスの内容や利用者への恩恵やリスクを分かりやすく見える化する技術

ビッグデータ分析、可視化、人・機械インタラクション、社会行動モデル、シミュレーション、機械学習、推論、予測等

自然言語処理やロボティクスを利用した人と機械の協働過程を通じて、コミュニティ等で個人や集団の意見を尊重した合意形成を促進する技術

自然言語処理、口コミ分析、意志決定、合意形成、マルチエージェント協調・連携等

個人・集団と機械が調和的に協働することによって、ビッグデータやセンシングデータから認識・理解される情報に応じて、必要な知識を柔軟に構築・再利用・更新できるシステムアーキテクチャ、それに基づくオープンプラットフォーム構築に関する技術、および現在のWebサービスでは利用できないような人と機械の新たな体験共有知を創出し、それらを情報共有する技術

知識処理、動的オントロジー、システムアーキテクチャ、オープンプラットフォーム、オープンソース、意味ネットワーク、ソーシャルマイニング、クラウドソーシング等

研究に必要となる知的情報処理メカニズムの解明

認知科学、社会科学、脳・神経科学、数理科学等

3.研究実施体制

 本研究領域はチーム型研究であるCRESTで実施し、インターネット環境を含む実環境での実証を視野に入れて総合的に取り組みます。領域アドバイザーには、情報科学、認知科学、ロボティクス等に関わる研究者や産業界有識者を中心に人文社会科学系の専門家等も加えた体制を想定しています。
 研究期間は原則5.5年、予算規模は3億円を上限とし、以下のような研究チームからの応募を期待します。選考時に知的情報処理システムの構築という観点からバランスや組合せを考慮する可能性があります。
・実環境での実証を踏まえた統合研究チーム体制
・研究成果の価値具現化や実社会への普及加速に向けた産業界との共同研究チーム体制
なお、この分野で魅力的な成果や実績を出しつつある若手研究者の応募も大いに歓迎します。

4.他の研究領域との連携・協働

 分野横断のワークショップ開催や、海外研究者・プロジェクトとの国際シンポジウム開催など、国内外の様々な関連分野の研究およびグローバルイノベーション活動との連携・協働を積極的に促進します。関連するCRESTやさきがけ研究領域との連携を図っていきます。倫理的・法的・社会的問題への配慮から、人文社会科学分野の専門家も含めたワークショップなども開催していきます。

領域アドバイザー

相澤 彰子 国立情報学研究所 コンテンツ科学研究系 教授
石黒 浩 大阪大学 大学院基礎工学研究科システム創成専攻 教授(特別教授)
株式会社国際電気通信基礎技術研究所(ATR) 石黒特別研究所 客員所長(ATRフェロー)
岩野 和生 東京工業大学 大学院イノベーションマネジメント研究科 客員教授
栄藤 稔 株式会社NTTドコモ イノベーション統括部 執行役員 イノベーション統括部長
小林 正啓 花水木法律事務所 所長
土井 美和子 国立研究開発法人情報通信研究機構 監事
徳田 英幸 慶應義塾大学 環境情報学部 教授
前田 英作 日本電信電話株式会社 コミュニケーション科学基礎研究所 所長
間瀬 健二 名古屋大学 大学院情報科学研究科社会システム情報学専攻 教授

領域運営アドバイザー

堀川 優紀子 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 知能ロボティクス研究所

平成26年度採択分

集合視による注視・行動解析に基づくライフイノベーション創出

研究代表者(所属)

佐藤 洋一 (東京大学 生産技術研究所 教授)

ソーシャル・イメージング:創造的活動促進と社会性形成支援

研究代表者(所属)

鈴木 健嗣 (筑波大学 システム情報系 教授)

実践知能アプリケーション構築フレームワークPRINTEPSの開発と社会実践

研究代表者(所属)

山口 高平 (慶應義塾大学 理工学部 教授)

潜在アンビエント・サーフェス情報の解読と活用による知的情報処理システムの構築

研究代表者(所属)

渡邊 克巳 (早稲田大学 基幹理工学部 教授)

平成27年度採択分

エージェント技術に基づく大規模合意形成支援システムの創成

研究代表者(所属)

伊藤 孝行 (名古屋工業大学 大学院工学研究科 教授)

神経科学の公理的計算論と工学の構成論の融合による人工意識の構築とその実生活空間への実装

研究代表者(所属)

金井 良太 (株式会社アラヤ・ブレイン・イメージング 代表取締役)

記号創発ロボティクスによる人間機械コラボレーション基盤創成

研究代表者(所属)

長井 隆行 (電気通信大学 大学院情報理工学研究科 教授)

社会脳科学と自然言語処理による社会的態度とストレスの予測

研究代表者(所属)

春野 雅彦 (国立研究開発法人 情報通信研究機構 脳情報通信融合研究センター 主任研究員)

クイックアクセス

Quick Access

Press Iconプレス発表

 お知らせ

 イベント

arrow 進行領域

arrow 終了領域

プログラム

Program
  • CREST
  • さきがけ
  • ERATO
  • ACCEL
  • ACT-C
  • 国際化強化支援
  • ALCA
  • RISTEX
  • JST-CIRM
  • 戦略的イノベーション創出推進プログラム
  • 先端計測分析技術・機器開発プログラム
  • パンフレット
  • メールマガジン
  • 契約関連資料
  • マニュアル
  • 女性研究者のみなさまへ
  • 研究成果
  • JST オープンアクセス方針