患者市民参画に基づくヒト幹細胞由来の生殖細胞研究のELSI対応とガバナンス
研究開発プロジェクト
- バイオ・ライフ
プロジェクト概要
本研究では、iPS細胞(人工多能性幹細胞)などの幹細胞からシャーレの中で精子や卵子といった生殖細胞を作り出す研究(IVG研究)を対象に、倫理的・法的・社会的課題(ELSI)の抽出と対応策の検討を行います。この研究領域では、体内で起こるため研究が難しかった現象を再現し有益な基礎知識が得られる一方、将来、ヒトで生殖細胞作製が成功した場合、子供を誕生させることの是非などの課題が生じ得ます。
研究を進める際には関連分野である生殖補助医療領域の規制を念頭に置くとともに、市民パネルをはじめとする非専門家の参画を得て、基礎研究段階にある先端医科学研究の課題を多様なステークホルダーとともに検討する手法を、実践を通して提案します。海外の専門家とも連携して検討を行い、今後必要となるIVG研究のELSI対応とガバナンスの在り方をまとめ、国内外の政策関係者や専門家コミュニティー、および社会全般に向けて発信します。
・参画・協力機関:大阪大学、横浜市立大学、京都大学、徳島大学など
・キーワード:幹細胞研究、ELSI、患者市民参画、生殖細胞、ガバナンス
・研究開発期間: 2023年10月~2026年3月
・グラント番号: JPMJRS23J1
加藤 和人
大阪大学 大学院医学系研究科
教授