プロジェクト紹介

概要
本プロジェクトでは、台風の脅威から解放された安全豊かな社会の実現を目指し、台風制御によって被害を軽減することを計算機上で実証するとともに、広く社会との対話・協調を図りつつ、台風制御に結びつく屋外実験を行い、台風への介入方法の効果および安全性を確認します。それにより、2050年までに台風制御技術により台風は人類にとっての脅威ではなくなり、安全で豊かな社会を実現します。

図:本プロジェクトのビジョン
2027年のマイルストーン
数値シミュレーション実験で、社会が受容可能な程度に台風被害を軽減する、実現可能な介入手法を特定します。特定された介入手法に基づき、制御装置の製作を開始します。
2032年のマイルストーン
ELSI課題について合意・調整したうえで、台風制御に結びつく屋外実証実験を開始して、台風への介入手法の効果を確認します。介入効果が想定された範囲内であり、介入手法の安全性についても確認します。
研究開発項目ごとの成果概要
研究開発テーマ構成
日本全国から各分野の専門家を結集して、2050年のゴール達成に向け、気象学的アプローチ、工学的アプローチ、影響評価、ELSI(倫理的・法的・社会的課題)の4つの研究開発項目、16の研究課題でプロジェクトを推進します。初年度は、台風制御を可能とする手法を早期に見出すため、「気象学的アプローチ」「影響評価」「倫理的・法的・社会的課題(ELSI)」からの研究開発課題に重点的に取り組んでいます。
2023年度は、プロジェクト3年目である2024年のマイルストーンを実現するために2022年度の体制から以下の2点を強化し、活動を推進しています。
- 強化ポイント1:研究開発項目:工学的アプローチも開始し、解析のための実在実験でコストを見積もり、かつ、デザイン、台風介入強度に対する変化量を得るためのコストも見積もります。
- 強化ポイント2:社会が受容可能な程度に台風被害を軽減する様々な介入手法候補を特定するという3年目のマイルストーンに向けて、気象学的アプローチ、影響評価、工学的アプローチの3課題の結果を待つシリアルな進め方ではなく、各課題が介入強度に対する変化量、変化量に対するベネフィットやコストといった統一した評価グラフを作成する等、コンカレントに研究を進めます。

図:研究課題のコンカレント研究推進と目標アウトプット
課題推進者リスト
坪木 和久 | 名古屋大学 宇宙地球環境研究所 附属統合データサイエンスセンター 教授 |
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佐藤 正樹 | 東京大学 大気海洋研究所 教授 |
筆保 弘徳 | 横浜国立大学 先端科学高等研究院 台風科学技術研究センター センター長 |
吉田 龍二 | 横浜国立大学 大学院環境情報研究院 自然環境と情報部門 准教授 |
堀之内 武 | 北海道大学 地球環境科学研究院 教授 |
伊藤 耕介 | 琉球大学 理学部 准教授 |
森 信人 | 京都大学 防災研究所 副所長・教授 |
芳村 圭 | 東京大学 生産技術研究所 教授 |
加藤 大輔 | 株式会社東京海上研究所 主任研究員 |
那須野 智江 | 海洋研究開発機構 地球環境部門 環境変動予測研究センター 雲解像モデル開発応用グループ グループリーダー |
笹岡 愛美 | 横浜国立大学 大学院国際社会科学研究院 准教授 |
坪木 和久 | 名古屋大学 宇宙地球環境研究所 附属統合データサイエンスセンター 教授 |
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佐藤 正樹 | 東京大学 大気海洋研究所 教授 |
筆保 弘徳 | 横浜国立大学 総合学術高等研究院 台風科学技術研究センター センター長 |
吉田 龍二 | 横浜国立大学 大学院環境情報研究院 自然環境と情報部門 准教授 |
堀之内 武 | 北海道大学 地球環境科学研究院 教授 |
伊藤 耕介 | 京都大学 防災研究所 准教授 |
森 信人 | 京都大学 防災研究所 副所長・教授 |
満行 泰河 | 横浜国立大学 大学院工学研究院 システムの創生部門 准教授 |
藤本 康孝 | 横浜国立大学 大学院工学研究院知的構造の創生部門 教授 |
芳村 圭 | 東京大学 生産技術研究所 教授 |
加藤 大輔 | 株式会社東京海上研究所 主任研究員 |
那須野 智江 | 海洋研究開発機構 地球環境部門 環境変動予測研究センター 雲解像モデル開発応用グループ グループリーダー |
笹岡 愛美 | 横浜国立大学 大学院国際社会科学研究院 准教授 |
代表機関
横浜国立大学
研究開発機関
名古屋大学、東京大学、横浜国立大学、北海道大学、京都大学、東京海上研究所、海洋研究開発機構
PDFダウンロード
- 実施状況報告書 2022年度版(1.28MB)