成果概要
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細胞内サイバネティック・アバターの遠隔制御によって見守られる社会の実現[6] 生体内模擬環境を利用した細胞内CAの遠隔制御評価
2025年度までの進捗状況
1. 概要
細胞内サイバネティック・アバター(以下細胞内CA)が、設計通りに動作するかを解析するために、本研究開発項目6では、3次元的な生体模擬モデルを開発し、CA搭載細胞の動態評価のための計測・評価システムを統合することで、CA搭載細胞の評価プラットフォームを開発します。これにより、検査または除去を担当する細胞が、標的となる細胞を認識して、選択的に検査または除去する過程の、開始・条件分岐・中止の遠隔制御を、生体模擬環境で評価します。
本研究開発項目で開発する実験動物を用いないCA搭載細胞の評価技術は、研究開発項目4の培養環境評価、および、研究開発項目5の生体内評価と連携することで、ブラックボックスが内在する生体内評価に代わる定量的評価が可能となるだけでなく、実験動物の使用削減に資する技術となり、細胞内CA搭載技術の開発の短期間化に貢献できます。
- (6-1)
細胞内CAの遠隔制御性評価のための3次元生体模擬モデルの開発 - 早川 健(中央大学)
- (6-2)
細胞内CAの遠隔制御性評価のための3次元評価プラットフォームの開発 - 佐久間 臣耶(九州大学)
2. これまでの主な成果
研究開発項目6では、検査また除去を担当する細胞が、標的となる細胞を認識して、選択的に検査または除去する過程の、開始・条件分岐・中止の遠隔制御を、3次元的な生体模擬環境で評価するための、3次元的な生体模擬モデル、および、プラットフォームの開発を行っています。
研究開発課題 (6-1)では、CA 搭載細胞の動態を集団的に評価できる3次元的な生体模擬モデルを開発し、研究開発課題 (6-2)では、CA搭載細胞を経時的に観察可能な環境制御技術を開発し、動態計測・評価システムと統合することで評価プラットフォームを開発しており、これまでに、以下の研究を行って来ました。
(6-1) CA 搭載細胞の動態を集団的に評価できる3次元的な生体模擬モデルを開発しています。実験動物を用いないCA搭載細胞の相互作用・遠隔制御性の評価プラットフォームの開発を開始しました。生体適合性、機械特性、材料の合成・調整条件、加工条件などを検討し、3次元生体模擬モデルの材料を選定し、生体模擬モデルの試作品の作製を行いました。また、作製した生体模擬モデルを環境制御性の高いマイクロ流体デバイスに封入し、デバイス内での細胞培養に成功しました。さらに、デバイス内で培養された細胞の生存率の評価を行い、高い生存率で培養できることを確認しました。また、血管を模擬した構造を有する生体模擬モデルを作製し、CA搭載細胞の遠隔制御評価を実施しました。
(6-2) 3次元的な生体模擬の環境にて、CA搭載細胞の機能の開始・条件分岐・中止などの遠隔制御性やCA搭載細胞の動態を計測・評価するための、CA搭載細胞の評価プラットフォームを開発しています。この評価プラットフォームにおける、流体制御システム、細胞内CAおよびCA搭載細胞の投入システム、環境制御システムなどを設計・試作・統合し、基本機能の検証を行いました。また、(6-1)で作製したマイクロ流体デバイス中の流体制御と環境制御を行い、生体内の環境を模擬するための流体制御システムおよび環境制御システムの試作を行いました。また、プロジェクト間でのコラボレーションを推進するため、体内情報の体外取得や、細胞内CAの遠隔制御などを可能にする生体搭載可能なデバイスのプロトタイプ機として、体内情報の体外取得デバイスを開発しています。
【2025年度の代表的な成果】
- “Non-stationary microfluidic flow enables live-cell imaging of triggered cellular dynamic responses”, MHS2025, 2025 (Oral)
- “Observation of the migration of non-adherent cells in 3D collagen gels with different stiffnesses”, MHS2025, 2025 (Oral)
- “Quantitative nano-artifacts exposure toward single cells utilizing a microdroplet-based microfluidic system”, Transducers2025, 2025 (Oral)
- “Microfluidic non-stationary process for live cell imaging of triggered cell death”, MARSS2025, 2025 (Oral)
- “3D in vitro models for evaluation of Avatar cells' function”, MARSS2025, 2025 (Oral)
3. 今後の展開
3次元生体模擬モデル内で、標的細胞を播種・培養し、細胞内 CAを搭載した検査用または除去用の細胞を導入することで、検査あるいは除去する過程の開始・条件分岐・中止の遠隔制御性を、観察・評価していきます。
具体的には、生体組織を模した3次元生体模擬モデルを開発し、複数の制御システムを統合した評価プラットフォームを用いてCA搭載細胞の評価を行います。また、これらの技術をプロジェクト内外に展開し、ユーザビリティや安定性などの向上を行い、プロジェクト全体を加速します。さらに、細胞内CAおよびCA搭載細胞の評価だけではなく、働きを見える化するデバイスの開発、アウトリーチ活動などを通して情報発信を行います。