成果概要

細胞内サイバネティック・アバターの遠隔制御によって見守られる社会の実現[1] 細胞内CAに関するE³LSIの調査・検証

2023年度までの進捗状況

1. 概要

細胞内サイバネティック・アバター(以下細胞内CA)の利用には、その技術的な安全性や公正性を担保することが必要不可欠です。
細胞内CAの詳細な技術情報などの知財については厳重な管理がなされなくてはならないため、本研究課題では、E3LSI(倫理的、経済的、環境的、法的、社会的課題)の観点に基づいて実施された細胞内CAの安全性評価についての情報を幅広く共有できる仕組みとセキュリティを確保した形での情報管理基盤を開発しています。

図1-1 研究開発項目1の課題推進者
図1-1 研究開発項目1の課題推進者

研究開発項目2から6の各研究によって実施された個々の実験データ等を散逸させることなく、セキュリティを確保しながら保存・管理・共有する仕組みを構築、研究開発項目の担当者間の速やかな情報共有と円滑な項目間の連携を実現します。

2. これまでの主な成果

【2022年度】

E³LSIを専門とする、法務、科学技術社会論、生命・医療倫理等の有識者の人選を行いました。また、企業ヒアリングなどにより、細胞内CAの製造、設計部分のコンソーシアムを立ち上げるための動向調査を行いました。

【2023年度】

法務、科学技術社会論、生命・医療倫理等の有識者に、産業界のアドバイザーと共にE³LSI検討委員会を設立しました。現在は、細胞内CAの製造、設計部分のコンソーシアムを立ち上げるために、細胞内CAの文献調査を行いました。また、他社特許調査による先行技術調査を行い、当該研究の新規性を明確にしました。

また、細胞内CAの安全性評価についての情報を幅広く共有できる仕組みとセキュリティ確保を目的とする研究開発課題「1-2 細胞内CA開発促進のための情報基盤の構築と運用」を追加し、パブリックデータの収集およびデータベース化を行い、文献情報からの情報収集に最適なプロンプトを取得し、情報基盤の開発を進めました。

3. 今後の展開

E³LSI検討部会を中心に、研究初期段階から細胞内CAの利用に関する課題を研究者と共に考えていきます。
また、討部会内に設置した産業化検討委員会が主導するコンソーシアムにて、実行的な経済的課題の解決方法を検証していきます。細胞内CAの安全性評価についての情報を幅広く共有できる仕組みとセキュリティを担保する情報基盤においては、データ駆動型細胞内CA設計システムが完成し、そのプロジェクト外への提供が開始されることを目指しています。