成果概要
細胞内サイバネティック・アバターの遠隔制御によって見守られる社会の実現[2] 細胞内CAの設計・構築
2023年度までの進捗状況
1. 概要
細胞内サイバネティック・アバター(以下細胞内CA)の遠隔制御によって見守られる社会の実現には、(1)身体の不調の原因となる細胞を発見する機能、(2)発見した情報を増幅する機能(3)増幅した情報を体外で検出できるように情報を変換する機能、(4)原因の細胞を除去する機能、(5)機能を遠隔制御によって駆動・停止できるスイッチ経路、(6)CA搭載細胞間あるいはCA搭載細胞と体内の免疫細胞と連携・協調によって把握・改善を達成する仕組みが必要です。
本研究開発項目では、(2)(3)の情報(シグナル)機能の変換や増幅、(5)の細胞内CAによる強制停止(6)細胞内CAを通じた細胞連携を中心とした仕組み重層的に研究開発課題を設定し、細胞内CAの設計および構築という挑戦的な問題を解決します。
- 細胞内CAが受けた情報(シグナル)を、別のシステムで読み取りが可能な人工物への変換および増幅機能の開発(2-1)
- 強制停止(中止)用細胞内CAを開発
(2-2、2-4、2-5) - 遠隔制御および細胞内CA搭載細胞同士の連携の実現
(2-1、2-2、2-3)

2. これまでの主な成果
研究開発項目2では、これまでに次の研究を行って参りました。
【2022年度】
検査・除去・マーカー用細胞内CAの設計のために、設計した細胞内CAの機能を簡易的に評価する実験環境を整え、細胞内CAのプロトタイプを設計する基礎を構築しました。
【2023年度】
培養条件下でCA 搭載細胞の機能の開始・条件分岐・中止(強制停止)および、検査・除去という機能付与について、それぞれを行うための細胞内CAを構築・評価しました。
3. 今後の展開
培養環境において、評価用のヒト・マウス血液から回収した免疫細胞に対して、細胞内CA搭載細胞間のコミュニケーションを担う細胞内CAを2種類以上構築し、他の研究開発項目と連携することでその評価を行います。
加えて、CA搭載細胞の安心・安全な利用のため、不測の事態に対応してCA搭載細胞の強制停止を正確に実現できるように、複数の異なる原理による強制停止用の細胞内CAを構築します。