低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2022-PP-08

ゼロカーボン社会実現に向けた産業構造と評価システム

  • SDGs7
  • SDGs9
  • SDGs13

概要

 低炭素社会戦略センター(LCS)は2030年、2050年の産業構造を定量的に評価し、GDP、CO2排出量、電力需要量を明らかにしてきた。

 その方法論は第1に、再生可能エネルギーと低炭素化技術について、将来の技術の進歩向上を科学的知見に基づいて予測したうえで、プロセス設計手法に従って主要なプロセス機器の仕様を決定し、コスト重量データベースを用いて、発電コストあるいは製造コストの推移を定量的に評価した。これを定量的技術シナリオという。第2に、系統安定性を考慮したLCS電源構成モデルにより、発電部門CO2排出削減率をパラメータとし、計算された発電コストあるいは製造コストを用いて電力コストを最小とする電源システムを計算した。第3に、産業連関表に再生可能エネルギー部門を追加し、環境負荷原単位データブックを用いて、拡張型産業連関表とCO2排出係数表を作成した。産業連関分析によりGDPとCO2排出量を一体的に計算した。この方法論をLCS産業構造評価システムという。本提案書では例を示しながらLCS産業構造評価システムを詳述した。あわせて2050年ゼロカーボン社会の産業構造の例を示し、CCS・DAC技術が必要であること、産業構造の変化に呼応した教育、研究体制の充実とともに人材育成の重要性を述べた。

提案書全文

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