LCS-FY2022-PP-08
ゼロカーボン社会実現に向けた産業構造と評価システム
概要
低炭素社会戦略センター(LCS)は2030年、2050年の産業構造を定量的に評価し、GDP、CO2排出量、電力需要量を明らかにしてきた。
その方法論は第1に、再生可能エネルギーと低炭素化技術について、将来の技術の進歩向上を科学的知見に基づいて予測したうえで、プロセス設計手法に従って主要なプロセス機器の仕様を決定し、コスト重量データベースを用いて、発電コストあるいは製造コストの推移を定量的に評価した。これを定量的技術シナリオという。第2に、系統安定性を考慮したLCS電源構成モデルにより、発電部門CO2排出削減率をパラメータとし、計算された発電コストあるいは製造コストを用いて電力コストを最小とする電源システムを計算した。第3に、産業連関表に再生可能エネルギー部門を追加し、環境負荷原単位データブックを用いて、拡張型産業連関表とCO2排出係数表を作成した。産業連関分析によりGDPとCO2排出量を一体的に計算した。この方法論をLCS産業構造評価システムという。本提案書では例を示しながらLCS産業構造評価システムを詳述した。あわせて2050年ゼロカーボン社会の産業構造の例を示し、CCS・DAC技術が必要であること、産業構造の変化に呼応した教育、研究体制の充実とともに人材育成の重要性を述べた。
提案書全文
関連提案書
- ゼロカーボン電源システムの安定化と技術・経済性評価(Vol.1) —安定的かつ経済的なゼロカーボン電力供給のための技術開発課題—
- ゼロカーボン電源システムの安定化と技術・経済性評価(Vol.2) - 2050年のゼロカーボン電源に向けたシナリオ解析-
- ゼロカーボン電源システムの安定化と技術・経済性評価(Vol.3)-2030年政府案実現の見通し評価と2050年ゼロカーボン電源化への課題-
- 地熱発電(Vol.1) —発電量拡大に向けた設計・評価—
- プロセス機器選定と製造コスト、環境負荷算出のための基礎データベース作成 —製造機器・材料・コスト情報の構造化—
- 太陽光発電システム(Vol.4) —定量的技術シナリオに基づく太陽電池モジュールの製造コスト低下要因分析—
- ゼロカーボン社会に向かう産業構造の変化例 —拡張型産業連関表の適用—
- ゼロカーボン社会実現に向けた2030年、2050年の産業構造
- 液体二酸化炭素の深海堆積物層中での貯留-日本における適地の探索-