低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2019-PP-07

二酸化炭素のDirect Air Capture(DAC)法のコストと評価

  • SDGs7
  • SDGs9
  • SDGs13

概要

 二酸化炭素排出量ゼロ社会ではDAC(Direct Air Capture)が必要である。例えばボイラー排ガス中の炭酸ガスをアミン吸収法などで捕集する場合、炭酸ガス捕集率100%は困難であり、低濃度の炭酸ガスが排出する。そのため排出する低濃度炭酸ガスを大気から直接に捕集するDACが必要である。ここでは、Carbon Eng’gのKOH-CaCO3を用いたDAC技術の評価を行い、課題など検討した。

 DACコスト(国内ベース)は35.4円/kg-CO2である。うち設備対応固定費は20.6円/kgで58%を占める。変動費は14.7円/kgで、うちCH4の寄与が90%である。DACのコスト低減には設備費用の約50%を占めるAir Contactorの検討が必要である。今回Carbon Eng’g社が推奨する充填材(0.05百万円/m3)で検討したが、CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)のFS(アミン吸収)で用いた充填材(SUS製、Sulzer Mellapak相当0.4百万円/m3)程度の性能が必要となると、Air contactorの設備費用が4~5倍高くなり、DACコストは、78円/kg-CO2となる。
 CO2貯留地が海外であっても、日本が新しいDAC技術の開発をする意義は大きく、関連技術開発を国家プロジェクトにすることを提案する。

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