岩本 侑一郎
光学・オミクス統合による細菌耐性発現過程の高解像時系列解析基盤の構築
グラント番号:JPMJAX25L1
研究者
岩本 侑一郎

東京大学
先端科学技術研究センター
特任研究員
研究概要
薬剤に曝された細菌やがん細胞が、いかなる契機で耐性へと転じるのか。その分水嶺とタイミング、及び分子的な機序はいまだ解明されていない。本研究では、膨大な非標識光学の時系列データと時間的に疎なオミクス情報を深層学習により統合し、密な光学データでオミクスを補完する高解像度時系列解析基盤Omics-informed Time-resolved Flow Cytometry (OT-FCM)を開発する。
上田 唯花
機能的ゆらぎに潜む細胞適応性を支える情報流れの解明
グラント番号:JPMJAX25L2
研究者
上田 唯花

大阪大学
大学院基礎工学研究科
大学院生
研究概要
細胞の機能や構造は常にゆらぎを伴う微小世界の中で成り立っています。同時に細胞は内外の環境情報を感知し、自らの状態を柔軟かつ精密に調節する適応機能を備えています。ゆらぎに満ちた細胞がなぜ適応という高次機能を巧みに維持することができるのか?という問いに迫るため、本研究は非平衡物理学に基づく新たな計測手法の開発と、情報熱力学を用いたゆらぎから生じる情報流れと細胞適応機能の定量的関係性の解明に挑戦します。
工藤 秀一
季節的遺伝子発現予測から迫る変動環境に生きる植物の繁殖戦略
グラント番号:JPMJAX25L3
研究者
工藤 秀一

九州大学
大学院システム生命科学府
大学院生
研究概要
本研究では、温帯森林の優占樹種であるブナ科樹木を対象に、季節的に大きく変動する気温・日長に対する遺伝子発現応答を、ゲノム配列から予測する技術の開発を目指します。さらにその応用として、季節応答の中でも植物の繁殖成功度に直結する開花フェノロジーに着目し、遺伝子発現を制御するシス配列の獲得・喪失が遺伝子の環境応答をどのように変え、開花期多様性をもたらすのか明らかにします。
佐野 圭
3次元網膜視神経構造の経時変化モデリング
グラント番号:JPMJAX25L4
研究者
佐野 圭

東京慈恵会医科大学
医学部
助教
研究概要
緑内障は不可逆的に進行する難治性の網膜視神経変性疾患で、視機能維持のためには適切なタイミングと強度での進行予防治療が重要である。しかし患者ごとに病態進行速度が大きく異なるため個別化された治療戦略が求められる。本研究では網膜視神経構造の経時変化予測モデルを開発し、患者ごとの治療状況・年齢・眼圧・近視などの因子を考慮した網膜軌跡スコアを算出することで、治療の必要性や強度について個別最適化する。
執行 宣彦
多様性と独自性を統合した土壌微生物叢のベイズ適応的サンプリング
グラント番号:JPMJAX25L5
研究者
執行 宣彦

千葉大学
大学院園芸学研究院
講師
研究概要
土壌微生物は医薬資源や生態系機能の鍵であるが、森林ではその空間的なばらつきが大きく探索が難しい。本研究は、ベイズ適応的サンプリングを応用し、多様性と独自性を統合評価することで、限られたサンプル数から土壌微生物叢の全体像を効率的に捉える新手法を開発する。モデルを逐次更新し、次にサンプルすべき地点を情報科学的に決定することで、限られたコストで最大限の情報を獲得する革新的モニタリング基盤の確立を目指す。
杉山 博紀
無細胞進化×言語モデルによるGPCR 機能予測戦略
グラント番号:JPMJAX25L6
研究者
杉山 博紀

東京科学大学
未来社会創成研究院
特任助教
研究概要
膜タンパク質の一種であるGタンパク質共役型受容体(GPCR)は、細胞外の情報を適切に細胞内へ伝達する重要なタンパク質です。本研究では、GPCRを効率的に改変するタンパク質工学手法を確立します。そのために、最近我々が開発している無細胞系でのGPCRの進化分子工学手法を計算科学によるin silicoと組み合わせた戦略の構築に取り組みます。
堤 崚太郞
緑藻で起こる銅耐性化現象の遺伝子ネットワーク推定とその機序解明
グラント番号:JPMJAX25L7
研究者
堤 崚太郞

和歌山県立医科大学
薬学部
助教
研究概要
銅イオンに曝露された緑藻クラミドモナスは増殖抑制などの異常を示すものの、銅耐性化して生存します。その際、クラミドモナスは単細胞生物にもかかわらず、不均一になることが示唆されました。しかし、この銅耐性化の機序は不明です。本研究では、イメージングと1細胞RNAシークエンスを基盤に、遺伝子ネットワークを推定し、銅耐性化の機序解明を目指します。本研究の進展は、生物の重金属ストレス応答の解明に貢献します。
西川 星也
生成AIと数理モデルの融合による組織の力推定
グラント番号:JPMJAX25L8
研究者
西川 星也

京都大学
大学院生命科学研究科
特定講師
研究概要
発生過程において、多細胞生物の組織は大規模な変形を起こします。この物理的な現象の理解には、組織に働く力と、その細胞レベルの産生機序を明らかにする必要があります。本研究では組織変形データから細胞レベルの機序を推定するという多階層逆問題に挑みます。この逆問題を数理モデルと生成AI、ベイズ推定の融合により解くことで、組織変形を駆動する力について組織-細胞レベルで明らかにする手法を構築します。
福島 剛
細胞系譜解析×マルチオミクスによる細胞運命様式と制御機構の解明
グラント番号:JPMJAX25L9
研究者
福島 剛

東京大学
医科学研究所
特任研究員
研究概要
細胞に時系列的にラベル情報を蓄積させることで、細胞運命がどのように分かれていったのかを追跡できる細胞の「家系図」を描く系統樹解析技術により得られる膨大で複雑な情報を情報科学的手法で解析し、細胞運命の転換を説明するモデルを構築する。また分子学的解析を組み合わせ、運命転換を制御する分子基盤を予測するモデルを構築することで細胞が運命を選び変えていく過程の本質に迫る。
藤田 博昭
微生物群集遷移に伴う相互作用変遷の予測基盤構築
グラント番号:JPMJAX25LA
研究者
藤田 博昭

京都大学
大学院生命科学研究科
助教
研究概要
生物群集は、安定な構造を持つ状態へ遷移すると予測されてきたが、その過程にある種間相互作用の構造は無視されてきた。本研究では、生物群集を安定にする種間相互作用構造の変遷を明らかにすることを目指す。そのために、数万の微生物群集を構築でき種間相互作用を網羅的に観測できるドロップレット培養と、統計力学に基づいた手法を統合することで、大規模群集データから群集遷移過程における種間相互作用の予測基盤を構築する。
古井 海里
多点変異体タンパク質の高精度な結合自由エネルギー予測技術の開発
グラント番号:JPMJAX25LB
研究者
古井 海里

東京科学大学
情報理工学院
大学院生
研究概要
本研究は、多点変異に伴うタンパク質間結合自由エネルギー変化(ΔΔG)を正確に予測する計算手法の確立を目的とする。従来の自由エネルギー摂動法(FEP)は少数残基の変異に強みを持つ一方、多点変異では課題があった。低分子FEPの摂動マップを応用した変異ネットワークと、複合体に対応した平衡構造生成モデルを組み合わせることで、構造変化を反映したΔΔG計算を可能にし、抗体・ペプチド設計の基盤技術を構築する。
古林 太郎
大規模シーケンスデータが駆動する超高効率酵素進化サイクル
グラント番号:JPMJAX25LC
研究者
古林 太郎

東京大学
大学院工学系研究科
特任研究員
研究概要
本研究では実験進化が生み出す大規模シーケンスデータを情報科学的な手法で進化に直接フィードバックする超高効率酵素エンジニアリング法を開発する。多様な変異体を含む進化中のシーケンス時系列を遺伝型の適応度に変換し、この適応度データから機械学習モデルが有効な変異スポットの組み合わせを予測する。この予測を取り入れた進化・学習・予測の少数サイクルが劇的な実験省力化と酵素機能の改良を両立することを実証する。
松田 佳祐
折紙設計技術による昆虫の超複雑形態の解明
グラント番号:JPMJAX25LD
研究者
松田 佳祐

九州大学
大学院医学研究院
助教
研究概要
これまでに提案されてきた様々な形態形成原理は、比較的単純な形は説明できても、ツノゼミのような多様で複雑な形の説明は困難です。本研究では、過去の研究で構築してきた力学シミュレーションと、蓄積してきたツノゼミ形状データを基盤に、折紙設計の概念を取り入れることで、ツノゼミの形態形成原理の解明を目指します。さらに、生物形態形成と折紙の融合による新たな設計技術の創出も目指します。
宮西 和也
AI駆動InTraSeqで紐解く眠気の可塑性
グラント番号:JPMJAX25LE
研究者
宮西 和也

筑波大学
国際統合睡眠医科学研究機構
研究員
研究概要
本研究は、ヒストンメチル化を中核とする眠気を制御する分子スイッチ機構の全体像を解明することを目的とする。具体的には、H3K27me3量と転写発現動態を単一核レベルで同時に捉えるInTraSeqを用いて、眠気の可塑性を数値化する生体指標を確立する。眠気の可塑性指標に基づき、睡眠負債の解消や固定化を決定づけるドライバー遺伝子を探索し、ヒストンメチル化編集による眠気の操作を実現する。
安井 碧
ウイルス表面特性を規定する構造的因子の解明と推定手法の構築
グラント番号:JPMJAX25LF
研究者
安井 碧

京都大学
大学院工学研究科
助教
研究概要
本研究はウイルスの構造から荷電特性や疎水性を推定する手法を確立し、これらとウイルスの構造情報、吸着相互作用を網羅したデータベースを構築および解析することによって表面特性を規定する構造的因子を同定します。さらに遺伝子配列から構造を同定し、遺伝子上の変異が表面特性に及ぼす影響を評価します。これらを通して、立体構造および遺伝子配列からウイルスの表面特性を推定する手法を構築することを目指します。
山岸 純平
細胞集団系における代謝応答の多階層理論の構築
グラント番号:JPMJAX25LG
研究者
山岸 純平

理化学研究所
生命機能科学研究センター
基礎科学特別研究員
研究概要
生き物の代謝系は、非平衡系であると共に、有限の資源を合理的にやりくりする経済系と見なせます。本研究では、ミクロ経済学・制御理論や非平衡統計物理学・力学系の数理を学際的に援用しながら、一細胞から細胞集団(微生物生態系や、植物などの多細胞生物)までの多階層的な代謝挙動における普遍性を切り出す理論を構築します。とくに、環境摂動への代謝状態の応答や、代謝系の制御応答における熱力学的コストなどに着目します。
横山 優花
細胞内分子分布の網羅解析による細胞移動制御の力学機構解明
グラント番号:JPMJAX25LH
研究者
横山 優花

東京科学大学
総合研究院
東京科学大学特別研究員
研究概要
細胞は、その種類や環境に応じた多様なメカニズムにより移動することが知られていますが、細胞内で「何が細胞の移動メカニズムを選択し、移動方向と速度を制御しているのか」はわかっていません。これを明らかにするために、細胞内分子分布の網羅解析により細胞内での力の発生・伝達を推定するとともに、分子間相互作用の力学モデルを構築することにより、細胞移動の制御に必要十分な力学的メカニズムの解明を目指します。
吉田 健祐
睡眠・麻酔の動態・機能に関する数理的研究
グラント番号:JPMJAX25LI
研究者
吉田 健祐

理化学研究所
脳神経科学研究センター
特別研究員
研究概要
ヒトの頭蓋内脳波およびげっ歯類の神経活動データを用い、麻酔との比較を通じて、睡眠時に特有の神経活動パターンを情報学的手法で抽出します。続いて、それらのパターンがどのような神経機構によって生じるのかを、理論モデルに基づいて解明します。さらに、抽出された特徴の機能的意義を神経回路モデルを用いて検討し、最終的にはその知見を応用して、人工ニューラルネットワークの新たな学習手法の開発を目指します。
脇村 尋
超音波とバブルによるBBB開放の高精度数値解析
グラント番号:JPMJAX25LJ
研究者
脇村 尋

東京科学大学
工学院
助教
研究概要
脳の中枢神経系への薬剤送達を阻害する血液脳関門(BBB)と呼ばれる障壁を、集束超音波とマイクロ・ナノバブルを用いて一時的に開放する薬剤送達技術の確立を目指します。バブル、内皮細胞、赤血球を含む複雑な流体と構造の相互作用を完全オイラー型手法の枠組みで解析し、高精度な界面捕獲法の開発とBBB開放の主要メカニズムの解明に取り組みます。安全で効果的な治療戦略の最適化に資する基礎的知見の獲得に貢献します。