人材育成プログラム

技術移転人材実践研修

共同研究 メンタリングコース

共同研究 メンタリングコース(2019年度 旧 個別案件メンタリングコース(主に共同研究))事例紹介
A大学 Bさん

メンター:2名
研修参加期間:2019年9月~2020年2月

・メンタリング研修へ参加されたきっかけについて教えてください。
きっかけはメンターから、この研修に応募したらどうかと勧められました。
以前から両メンターを存じていたこともあって、両者に本研修のメンターとしてお願いしました。
・この研修に参加して良かったことはどんなことでしたか。
今回はこれまで本学内でやったことがなかった医療機器のニーズ探索に関わる新事業を進めるにあたり、事業主体組織自体や関係部署に運用について理解を深めて頂き、実際にプロジェクトを横断的に動かしていくところまでの、まずは土台となる体制整備や環境整備というところから始める必要がありました。
当初は、学内関係者の間で当事業の理解が進んでいなかったため、事業の申請書や計画書について理解してもらうところから始めましたが、やはり皆さん通常業務で手一杯でしょうし、新しいものを始めるにあたり困難がありました。
そういう状況下で、特に初期の段階で、両メンターに相談できたことは大変助かりました。メンターに入って頂くことが良い意味での外圧となり、関係者にも本事業について正面から向き合ってもらえたと思います。
特にメンターからアドバイス頂いた学内の実務関係者が参加したロールプレイングは非常に効果的でした。
ロールプレイングを行うことで、本事業の実務者が、自分が何をやらなければならないのかを理解し、担当者として疑問を感じたり、何が足りないかも共有できたと思います。結果として本事業で整備したかったマニュアル等必要書類も質の高いものが作れたと思います。
今回の課題は1人で完了できるものではなかったので、事業主体組織や本事業関連部署の方々にもメンターを信頼してもらう必要がありました。ですので、メンターが研修生勤務地へ来られる時には、一緒に学内関係者に挨拶をしに行くなどコネクション形成に努めました。次第に仲間意識も出てきて、結果として、ロールプレイングにおいても違和感なくメンターに陪席頂く事ができました。
その他、事業を進めるにあたり、自分の中で感じていた、やりにくさ、何かうまくいかない、などの漠然とした問題点について、メンターを相手に説明することで、自分の中で明確になったということがありました。ある意味、漠然とした問題点をより具体化させるためのツールの一つだったようにも思います。
メンターとのやりとりは、今回の研修では、メールで状況を説明するということはあまり行いませんでした。今回は組織的な課題だったので、メールで複雑な状況を書き切れないということもありますし、最悪誤解を与えかねないので、メールは主に日程調整ツールとして使い、直接面会するかwebミーティングを活用して意見交換をしました。
また資料については、クラウドフォルダを用いて共有していました。組織内での説明資料もメンターに共有することで、出来るだけ状況を理解して頂けるよう考慮し、結果として外部の人が見ても状況が分かる丁寧な資料作りにつながったと思います。
研修を計画通りに進めなければならないという状況は確かに負荷がありましたが、それは本事業が当初予定していた計画通りに前進した、要因のひとつだったように思います。
また、今回両メンターとは、もともと知り合いだったため、本研修制度を活用しなくても相談はできたと思います。
ただ、この制度を使うことで、機密情報も含めて、公然と相談ができるという点ではやりやすかったと思います。
・応募を検討されている方へのメッセージをお願いいたします。
漠然と仕事のやりにくさやお悩みを抱えているのであれば、一度応募してみることをお勧めします。第三者に現状を説明することで、一人では気づかなかった問題点や、自信をもって進められない理由が見えてくることがあります。結果、盤石に進められるようになり、やりにくさも解消されると思います。
共同研究 メンタリングコース(2019年度 旧個別案件メンタリング研修(共同研究コース))事例紹介
C大学 Dさん

メンター:須佐太樹メンター、本間篤メンター
研修参加期間:2019年10月~2020年1月

・研修へ参加されたきっかけについて教えてください。
産学連携知的財産管理室で、学内の発明等の事務を担当しています。発明届を読む中で、ある研究者の発明に興味を持ち、導出をすることで、社会還元できるのではないかと思いました。そのような思いがある中、UNITTアニュアルカンファレンス2019に参加した際、本研修のチラシを手に取り、私の力では導出は難しいけれども、メンターの方々に寄り添ってもらいながら検討することで、導出を進めることができるのではないかと思い、応募しました。また、JSTの目利き人材育成プログラムを受講した際の講師の方が、メンターとなっていましたので、この研修で私の問題を一緒に取組んでもらえると心強いと思いました。
・総合的に見て、研修の満足度はいかがでしょうか。
私は、2名のメンターと研修を進めることができ、ほぼ満足しています。理由は、2点あり、一つ目は、私が思っていた研究のアピールポイントとメンターに指摘いただいた企業の関心事との間にギャップがあることがわかり、企業が興味を持つポイントを知ることができたことです。研修の中で、企業へ営業するためのPRシートの作成について、丁寧にご指導いただきました。二つ目は、さきほどのギャップを研究者に伝えることができ、さらにメンターから助言いただいた研究データの補完と研究者が新たにやりたい研究が一致したことです。導出に向け、今後の方向性を確認することができました。メンターは、企業とのネットワークが広く、とても良い助言をいただくことができました。加えて、Skypeでメンターと私が研修をする際に、本学の研究者が、多忙な中、一緒に参加してくださったことに、とても感謝しています。
ほぼ満足とした理由は、研修の期間が5ヵ月では短かったからです。私の問題を研修で進めていくには、1年くらいの期間は必要だと思っていますし、メンターに聞きたいことはまだまだあります。また、今回の研究をもとに研修で学ぶだけでは、私の力で他の研究について導出を進めることは難しいと思っています。
・研修での最大の学びは何でしたでしょうか。
研究者への発明内容の聞き方、ポイントです。研修を受けるまで、私は、研究者が話してくださる発明の内容は、何もかもがすごいと聞いていましたが、一歩引いて、企業に圧倒的にすごいと思ってもらえる内容は何かを考えながら、研究者の話を聞くことを心がけるようになりました。加えて私は、いわゆる文系の事務職なので、研究の専門的な内容を理解することが難しいのですが、研究者への聞き方を変えたら、研究者が話してくださる発明内容がよりわかるようになりました。
・更なるスキルアップについてどのようにお考えでしょうか?
技術移転という点からは外れるかもしれませんが、英語を勉強しようと思いました。本学のように医学系の大学の研究成果の導出にあたっては、海外のベンチャー企業が興味を持つ傾向があり、チャンスがあるとメンターに助言をいただきました。
・本研修の受講を検討している方へメッセージをお願いいたします。
社会に還元したい具体的な発明案件を持っている方は、応募すると良いと思います。自ら行動しないと、この研修は合わないと思います。漠然とスキルアップしたいという思いではなく、具体的にこの発明を技術移転したいという案件があると、短い期間でも身につくことが多いと思います。
共同研究 メンタリングコース(2019年度 旧個別案件メンタリング研修(共同研究コース))事例紹介
九州工業大学イノベーション推進機構 研究戦略URA・助教(専門職) 米澤 恵一朗さん

プロフィール:博士(理学)取得後、約1年間学術振興会特別研究員(DC2→PDの切り替え)として分子科学研究所に勤務の後、九州工業大学に文部科学省補助金「地域イノベーション・エコシステム形成プログラム」担当リサーチアドミニストレータとして着任。2年目からは、URA助教(専門職)として大学全体の研究推進支援を実施している。プレアワードからポストアワード、基盤研究から産学連携案件まで研究推進に貢献するべく幅広く活動を行っている。
メンター:坪内寛メンター
研修参加期間:2019年10月~2020年1月

・研修へ参加されたきっかけについて教えてください。
実務で発生している課題を専門家と議論しながら進められるという点に魅力を感じました。
産学連携部門の人材として、前線に立って契約調整等を担当する立場でありながら、経験・知識が足りないところがあり、そこを補いたいと応募しました。
・この研修に参加して良かったことはどんなことでしたか。
我々の産学連携業務は交渉すべき相手や研究者の意向で交渉内容も常に変化していきます。そういう状況では、座学で学べる内容とは異なり、進捗に応じた具体的なアドバイスが必要です。メンターは経験の蓄積からのノウハウがあります。そうしたノウハウを基に個々の案件に対するアドバイスを享受できることは、まさしく今自分がかかえている問題解決に非常に役に立ちました。
私を担当してくださったメンターは、知財に明るいだけでなく、大学と企業の両方の立場をバランス良くわかっている方なので、企業と大学というミッションを異にする2者が連携することで発生しうるリスクに対して的確なアドバイスをいただくことができました。また、研究戦略を立案するためには技術動向調査が必要かと思いますが、大学ですべき調査はどちらかというと市場がまだ存在していない技術についてという場合が多いと思います。こういった場合、企業の方々が実施する調査とは趣が異なるという点もあります。そういった点においても、大学と企業の両方の立場をわかっているメンターに相談できたことは、良かったと思います。
・今後さらにどのようにステップアップしていきたいとお考えですか
ステップアップというかURAのミッションそのものかもしれませんが、10年後の社会変革を見据えながら、研究プロジェクトの立案や運営を任される専門人材になりたいと思っています。そのためには、大学等で生み出された成果を円滑に社会に技術移転できるよう支援する能力は必要不可欠だと考えています。そのためにも、知財及び成果物の取り扱いについての専門性をさらに深めていきたいと思います。
・応募を検討されている方へのメッセージをお願いいたします。
産学連携で取り扱う問題は一筋縄ではいかない問題ばかりです。豊富な経験やノウハウが集約されたメンターに相談できる体制があるだけで、仕事の進め方がかなり変わってきます。研修を有益な時間にするために、参加するにあたっては、少なくとも知的財産管理技能検定3級レベルの知識はあるといいと思います。2級レベルまであるとなお良いかもしれません。本研修は、自らが抱える実課題を基に、最適解を得るためのプロセスを学ぶことができる非常に効果的な研修だと思います。
共同研究 メンタリングコース(2019年度 旧 個別案件メンタリングコース(主に共同研究))事例紹介
同志社大学 研究開発推進課 法務コーディネータ 村田千代さん

プロフィール:国公立大学で産学連携関連の契約書の修正・交渉を8年半経験した後、2019年6月、現職に就く。
メンター:小川隆メンター
研修参加期間:2019年12月~2020年2月

・メンタリング研修へ参加されたきっかけについて教えてください。
メンターの中に契約の専門家、小川先生がおられたことが最大の理由です。この研修の前に、JST主催の小川先生の契約に関するセミナーを二度受けたことがありました。小川先生の説明は明快な上に、“契約書はわかり易くシンプルに”というお考えにも共感できました。日々の疑問点や問題点を専門家にその都度、直接、相談できるチャンスは滅多にないと思ったので申し込みました。JSTの他の研修にも参加して、メンターを知っておくというのも大事だと思いました。
・この研修に参加して良かったことはどんなことでしたか。
良かったことはいくつもあります。
まず、私の業務とメンターの専門性がぴったりだったということです。契約のことでわからない事を質問すると、その都度メールでアドバイスを頂けたので、業務が滞ることなく進みました。
また、対面だけでなく、メールやSkypeでもご対応頂けたことです。メンターは遠方でしたし、こちらから移動するとしてもそれだけで丸1日の業務が止まってしまいますので、大変助かりました。
それ以外にも、メンターにアドバイスを頂いて問題が解決した後に、「今回はこれで解決したけれども、こういう場合はどうなのだろう?」という想定ケースについても質問させて頂きました。ご回答頂けたことで、応用ケースについても対応できる力がついたと思います。
また、単に「相談して、回答をもらって終わり」ではなく、頂いたアドバイスについて、自分が理解した内容で相違ないかをメールで確認していました。大抵は問題ないのですが、たまにそのようなニュアンスではなかったとご指摘頂くこともあり、積極的に確認しておいたのは良かったと思います。細部にまで注意を払うことの大切さを学びました。
他にも、メンターに相談する時に、「相手にわかってもらえるように質問内容を伝えるプロセス」を学びました。メールで伝えるときに、まずは疑問点を自分で少し調べてみて、その上で質問内容を整理して、メールに簡潔に書く、ということを繰り返しました。自分の書き方が悪いと、想定と異なる返事が返ってきますし、その場合は伝え方がまずかったということがわかります。相手にわかりやすくかつ正確伝えるスキルは日常の業務で必要です。とても良い経験ができました。
ところで、契約という孤独な業務の中で、ふと自分のやり方に自信がなくなるときがあります。そんなときにメンターから「それで合っています。」と確認頂けると、契約のことを自信を持って他の人に説明することができます。
・今後さらにどのようにステップアップしていきたいとお考えですか
これまで海外も含めてMTAや共同研究契約、受託研究契約、学術指導契約、秘密保持契約についてはかなりの数をこなしてきましたが、今後は、特許実施許諾契約についてもう少し深く取り組みたいと考えています。まずは、自分でも勉強する必要があります。そうしないとメンターに聞く内容も浅くなってしまうと思いますので。
・応募を検討されている方へのメッセージをお願いいたします。
大事だと思ったのが職場の理解と協力です。例えば、Skypeミーティングをするために1時間席を外すとなると、他の人から見て、「忙しいときにどこで何をやっているの?」では困ります。JSTの研修に応募して採択されたことを上司と同僚に伝え、職場のミーティング等で、現在抱えている問題や研修内容などを簡単に報告しました。研修に積極的に取り組み、その成果を日々の業務に還元できていることを理解してもらうことも大事だと思います。
あとは、チャンスを逃さず、躊躇せずに応募すればよいと思います。
そして、こんなことを聞くのは恥ずかしいと決して思わないこと。この研修はハードルが高いと思うかもしれませんが、研修生それぞれの希望や経験に合わせることのできるオーダーメイドの研修なので大丈夫です。メンターは承知で受けて下さっているので、基本的なことでも遠慮せずに質問した方がよいと思います。
問題が次々に解決できたことは、自信につながるだけでなく、何より『とても楽しいです!』