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- 山本量子キラル変換プロジェクト
研究総括 山本 浩史
(自然科学研究機構 分子科学研究所 協奏分子システム研究センター 教授)
研究期間:2025年10月~2031年3月
グラント番号:JPMJER2503
「キラルである」とは右手と左手のような鏡像対を持つ形状のことを指し、これまで有機化学や薬学で重要な概念でした。近年はキラルな構造を持つ物質中を電子が通過すると高効率でスピンの向きが揃う現象(CISS:Chirality-Induced Spin Selectivity)が発見され、物性科学においてもキラリティの可能性と重要性が認識されつつあります。
しかし、その発生機構の解明や応用につながる決定的な成果は未だありません。そこで本研究領域では、実験・理論に基づく固体物理学と合成化学の連携の下、CISS効果を量子力学レベルから根本的に解明します。これにより物質中の電子スピン、フォノン、光の間で起こるキラリティの変換を自在に制御するための基礎学理を構築します。またキラリティの相互変換を可能とする材料の合成にも挑戦し、新たな物性科学を展開します。さらにスピントロニクスや電気化学、量子計算や量子センシングといった応用分野での原理検証も並行して進めることにより、新たな機能性材料や化学プロセスの設計、高感度磁気センシング、生体物質におけるキラリティの役割解明などに繋がる幅広い波及の端緒となる研究を目指します。

・分子キラルグループ
・無機キラルグループ
・光キラルグループ
・電気化学キラルグループ