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研究総括 豊田 正嗣
(埼玉大学 大学院理工学研究科 教授)
研究期間:2024年10月~2030年3月
グラント番号:JPMJER2403
植物は、日照や気温、乾燥などの天候や他の生物からの影響など、刻一刻と変化する環境に適応しながら生存しています。近年の研究から、植物は外部からの物理的な刺激(機械刺激)を感知し成長制御や防御応答をすることや、傷つけられた細胞や組織から化学物質(匂い刺激)を放出することで個体間の情報伝達をしていること等が明らかになってきました。しかし、従来の可視化技術では、刺激を受けた植物の応答を詳細に観察することは難しく、刺激を感知し細胞内の情報伝達物質に変換する一連の分子機構を解明するに至っていません。
本研究領域では、植物の情報伝達を可視化する独自の観測技術を用いることで、植物における機械刺激と匂い刺激の感知・伝達機構を、分子から個体・集団に至る幅広いスケールで時空間的に解明することに挑みます。植物に備わる触覚や嗅覚のような刺激応答の仕組みが明らかとなれば、植物科学に限らず生物学や農学、生態学など幅広い学問分野に大きなインパクトを与えることが期待されます。また、植物の刺激応答を制御する技術の開発を通じて、将来的には化学合成農薬に依存しない病害虫防除法の創出につながるなど農林業への応用展開も見込まれます。
・植物分子遺伝学グループ
・電気生理/構造生物学グループ
・生物物理学グループ
・光学装置開発グループ