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研究総括 山本 雅之
(東北大学 大学院医学系研究科 教授)
研究期間:2002年11月~2007年10月
遺伝子改変マウスを利用して、低酸素環境に応答して赤血球を増産するメカニズムについて、遺伝子レベルで解明を進めています。また、有害な化学物質(「親電子性物質」)に対する防御系酵素遺伝子の誘導発現を促進する転写因子Nrf2を発見し、Nrf2が発がん予防に関与することを明らかにしました。
Keap1はNrf2の抑制性制御因子ですが、同時に環境ストレスのセンサー分子です。Keap1タンパク質の結晶構造を解明し、また、一部のヒト肺がん細胞からKeap1機能に重大な変化を及ぼす変異を検出したことから、Nrf2とKeap1の構造機能連関の解明に取り組んでいます。
さらに、薬剤によりゼブラフィッシュに多数の突然変異を惹起し、Nrf2-Keap1経路に異常のある変異フィッシュの同定を進めています。それらの原因遺伝子を究明することにより、新規環境応答遺伝子の発見を目指しています。