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- 大野半導体スピントロニクスプロジェクト
研究総括 大野 英男
(東北大学 電気通信研究所 教授)
研究期間:2002年~2007年
半導体において電荷とスピンの両方を制御するため、新たなスピン現象の探索とそれらを利用した半導体スピントロニクス素子の開発を進めています。
第一に、強磁性半導体(Ga,Mn)Asにおいてパルス電流による磁壁移動を低電流密度で実証し、その機構がスピン流と局在スピンの相互作用によること、および磁壁のクリープ運動が、パルス電流と磁界駆動とでは異なった普遍性(Universality)に属することを明らかにしました。
第二に、(In,Mn)Asおよび(Ga,Mn)Asチャネルの電界効果型トランジスタで、保磁力の電界制御と電界アシスト磁化反転を実証しました。これらは将来の電気的磁化反転技術として発展が期待されます。
第三に、GaAs/AlGaAs量子井戸内で電子スピンを光で操作・検出し、超微細相互作用の電界変調を利用した核スピン分極の制御、rfパルス磁場照射で生じるラビ振動の光検出、スピンエコー法による核スピンの局所的位相緩和時間の決定を行いました。
これにより核スピンコヒーレンスの利用に道が開けます。