さきがけ 研究者

研究課題名

多孔体内三相界面における熱流動解析に基づく熱輸送革新

プロフィール

長野 方星
長野 方星
Hosei Nagano
1974年 愛知県生まれ。2003年 慶應義塾大学大学院博士課程修了、博士(工学)。2003年 日本学術振興会特別研究員(PD)。2005年NASAGoddard Space Flight Center 客員研究員。2008年 名古屋大学大学院工学研究科 講師。2012年 名古屋大学大学院工学研究科 准教授、2016年同教授、現在に至る。
研究分野:熱物性工学、伝熱工学、宇宙工学
趣味:熱に関すること全般、子供と遊ぶこと

研究内容紹介

 我が国の民生産業分野のエネルギー消費は増加の一途を辿っており、システムの省エネルギー化とエネルギー資源の有効利用が強く望まれています。中でも高効率なエネルギー輸送技術および冷却技術は民生、産業、運輸の全分野にまたがる重要な研究開発課題であり、本技術の革新的向上なくして本質的なエネルギー有効利用の実現にブレイクスルーをもたらすことはできません。近年のサーバシステムやハイブリッド自動車、住宅太陽集熱/地熱システムなどの先端技術は、除熱、蓄熱、保温の要求が時間的空間的に離れた『分散型熱エネルギーシステム』であり、エネルギー輸送システムの長距離化、大量輸送化や流動制御が不可欠になっています。また、スマートフォンやタブッレットPC などの携帯端末の放熱には、省エネ・省スペース、かつ発熱密度の増大に対応可能な冷却デバイスの創出が期待されています。
 そのような背景のもと、近年、電力を用いることなく長距離の熱輸送が可能なデバイスとして、毛細管力駆動型二相流体ループ(CapillaryPumped Loop, CPL)が注目されています。CPLはウィックとよばれるミクロン~サブミクロンオーダーの多孔体内で発生する毛細管力を利用して、熱を潜熱の形で輸送できるため、省エネ、高効率の点で革新的デバイスとなりえます。しかし、ウィック内での固気液三相熱流動現象は、多孔体内動的接触角、気液相界面シフト、ならびにメニスカスの不安定挙動など、未解明な部分が多く、これまでの設計ではマクロな材料を用いた測定に基づく物性データと多くの仮定に基づいていました。飛躍的な性能向上と実用化のためには、マイクロ多孔体内における熱流動現象の基礎学理の深化と物理モデル化が必須です。そこで本研究は、多孔体内の固気液三相熱流動現象を解明するために、(1)メニスカス不安定挙動、(2)多孔体内気液界面の相変化素過程、(3)多孔体内の濡れ性の温度・圧力依存性、(4)多孔体3次元構造を実験的に明らかにすることを第一目標とし、次なるステップとして、(5)得られたデータに基づく物理モデル化および数値シミュレーションによる最適多孔体相界面構造の提案、(6)実応用を目指したマイクロスケールCPL および長距離CPL の設計製作、および性能実証を行います。以上のマイクロスケールでの物理現象の把握から、マクロスケールでのシステム設計に至るまでのマルチスケールな総合的解析・設計により、相界面現象の基礎学理に基づく革新的熱エネルギー輸送デバイスを創出し、エネルギー利用の飛躍的な高効率化を目指します。

投稿記事一覧

論文(原著論文)発表

2014/08/01
[論文発表] 長野 方星 准教授(名古屋大学 大学院工学研究科)【さきがけ】

学会発表・招待講演

2014/09/24
[学会・講演] 長野 方星 准教授(名古屋大学 大学院工学研究科)【さきがけ】
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