採択プロジェクト

大学・エコシステム推進型 
拠点都市環境整備型

Tokai Network for Global Leading Innovation( Tongali)

各研究開発課題の概要図(PDF)

採択年度 研究開発課題名 研究代表者 概要
令和3年度
(2021年度)
オンサイト高速簡易植物診断の事業化検討 -植物のお医者さんになる- 国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
生物機能開発利用研究センター
准教授
野田口 理孝
気候変動は植物界にも大きな影響を及ぼし、食を支える農業に大きな打撃を与えつつある。病虫害や栽培環境の変化による作付けへの影響は深刻化しつつあり、植物の生育状態を正確に診断することは切実な課題である。現状ではこうした診断には専門機関での数週間の解析を必要とし、その診断項目も精度も限定的である。本事業では、こうした課題を解消すべくこれまでに開発した植物の遺伝関連情報の簡易測定技術について、将来の農業に資する診断技術となりえるかを事業化目線で検討し、社会実装への道筋を立てる。
令和3年度
(2021年度)
マイクロ波プラズマを用いた水改質技術 国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
工学研究科
教授
豊田 浩孝
食の安心安全に向け、農薬や食品添加物等、人体や環境に影響を及ぼす化学物質の利用低減が望まれている。そこで、無害な水でこれらの課題を解決する方法として、水を高効率にプラズマ処理するマイクロ波プラズマ装置を開発した。この装置はコンパクトで処理能力が高く、また、装置により得られるプラズマ処理水が高活性であり防腐/除菌等効果を有することを特長とする。現在、農薬・食品添加物の安全な代替や除菌等の衛生用途へのビジネスモデルの構築を進めており、さらには本装置の高い処理能力や簡便な流体処理構造といった特長を活かし、バイオ、半導体洗浄、カーボンニュートラル等へのさらなる広範囲な応用展開を進め、プラズマ技術の社会への貢献と事業の拡大を推進する。
令和3年度
(2021年度)
高安定性・準メンテンナンスフリーな波長可変レーザー光源の開発と事業化に向けた検証 国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
大学院工学研究科
准教授
富田 英生
高安定性・準メンテンナンスフリーな半導体直接励起波長可変チタンサファイアレーザーは、大型で専門家による定期的なメンテナンスが必須であった従来の波長可変レーザー光源の概念を覆す革新的な光源であり、不純物分析や生体イメージング装置への応用が期待できる。本事業では、本レーザー光源の性能向上・安定性・耐環境性の検証などの研究開発と、ベンチャーの起業に向けたビジネスモデルと応用拡大に関する検証(潜在的なニーズを持った顧客に対する貸し出しとフィードバックを含む)を実施する。
令和3年度
(2021年度)
テニス・バトミントンガット、特殊炭素繊維への事業化を目的とした新繊維応用開発と試作性能評価
2022年4月
「株式会社 fff fortississimo」起業
国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
大学院工学研究科化学システム工学専攻
助教
入澤 寿平
世界最高レベルの繊維材料開発力を有した先端高分子繊維製造企業の起業を目標とする。起業創生期として「カーボンナノチューブ(CNT)を繊維に無二の方法で良分散させる技術」によるテニス・バトミントンガットの商品化を皮切りに起業し、続いて「新しい炭素繊維製造プロセス技術」による特殊・特注炭素繊維を販売開始し、ベンチャーの基盤固めに貢献する。本研究開発ではそれら2種の繊維材料の事業化検証することを目的とする。前者は2022年内に事業化して起業するベンチャー企業を牽引する。後者は、2024年から商品化し、研究用途やスポーツ・高級自動車用途として2026年以降に事業を拡大し、先端繊維製造企業として地位を固める。本ファンドは上記までの検証を対象にするが、現在別事業で実施する低コスト化技術も融合させ、2030年以内に上場させる。
令和3年度
(2021年度)
難治性疾患に対する革新的創薬プラットフォームの事業化 国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
大学院理学研究科
特任講師
辻村 啓太
これまでの研究により発達障害・レット症候群(指定難病)病態に非翻訳・ノンコーディングRNA(ncRNA)の一種であるmicroRNA(miRNA)産生異常が重大な寄与を果たすことを明らかにしてきた。独自のncRNA産生効率の高精度検出技術等を改良・検証しつつ、構築してきた技術・ノウハウ・体制に基づきncRNA異常により引き起こされる疾患に対する創薬プラットフォームの事業化を推進する。開発品ごとや成長段階に応じて創薬基盤技術型と創薬パイプライン型の両ビジネスモデルを柔軟に使い分け、希少難治性疾患・レット症候群を起点として頻度の高い疾患への適用を展開することにより事業拡大を図る。
令和3年度
(2021年度)
ループヒートパイプ(LHP)を用いた熱輸送技術の事業化検証 国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
工学研究科 機械システム工学専攻
教授
長野 方星
自然界のポンプ力を用いた無電力熱輸送技術(ループヒートパイプ)をシーズとする「商品名:evapoLink」の事業化について検証することを目的とする。本商品は、CPUの冷却をジョブとし、その市場規模は、国内で少なく見積もって1、500億円以上である。また、本商品のアーリーアダプタにインタビューを行った結果、本商品の提供価値は、従来の競合商品に係る多くの不満(電気代、ノイズ、設置スペースなど)を解消できる可能性が高いことがわかった。研究開発では、提案したビジネスモデルに沿って材料調達、外部委託加工、自社での組立や性能試験を実施し、総合的に事業化に関する調査・検証を行う。
令和3年度
(2021年度)
負熱膨張性微粒子製造技術の事業化検討
2022年7月
「株式会社ミサリオ」起業
国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
大学院工学研究科
教授
竹中 康司
大きな負の線膨張率を有する酸化物セラミック微粒子を熱膨張抑制剤として実用化し、熱によるデバイス・システムの不具合解消という産業界の強い要望に応える。大規模製造の実証と、製造した粉末の試験供給により、スムーズな事業化につなげる。熱膨張抑制剤粉末には負の大きな線膨張率の他、粒径や粒の形状、絶縁性、誘電性、熱伝導性、機械特性などの物理特性について、様々な要望がある。将来的な電子デバイス分野での利用を想定して、実際に産業界に存在するニーズを調査し、物理特性の評価・最適化を通して、それらのニーズに合った微粒子を実現する。また、その大規模製造技術を確立し、実際に製造した粉末を、試験を希望する企業へ提供して、さらなる特性の向上を図る。
令和3年度
(2021年度)
新しい医療用素材を用いた血管内治療技術シミュレーションシステムおよび小口径人工血管の開発と社会実装化 国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
大学院工学研究科有機・高分子化学専攻
准教授
竹岡 敬和
血液適合性を有する人工の高分子であるpoly(2-methoxyethyl acrylate)(PMEA)とシリカ微粒子を複合化することで、生体軟組織に匹敵する力学特性を示す光学的に透明なエラストマーの開発に成功した。また、このエラストマーは3Dプリンターによる成形も可能なことから、内径4mm以下のチューブ状や複雑な構造に加工することもできる。この光学的に透明なエラストマーから構築された細管やその枝分かれ構造体は、低侵襲な血管内治療の訓練のためのシミュレーションシステムへの利用や、これまでに実現できていない小口径人工血管への応用が可能になる。
令和3年度
(2021年度)
砂粒サイズ電力自立個体識別・センシング・管理アクティブIoTタグ 国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
工学研究科
准教授
新津 葵一
小型かつ低消費電力な無線通信機能付き半導体集積回路を開発し、農林水産業などにおける個体識別・センシング・管理を実現する。集積回路チップを設計し、販売するビジネスモデルを構築する。先端半導体集積回路の独自低消費電力化技術を駆使して、集積回路上に搭載する太陽発電素子で供給可能なレベルの消費電力で動作する半導体集積回路を開発する。砂粒サイズ・低消費電力という性能を活かしたアプリケーションとして、電力自立分散型アクティブIoTタグを想定し、有効性を実証することから着手する。個体識別→センシング→管理と機能をスケーラブルに発展させることを目指す。
令和3年度
(2021年度)
全身性エリテマトーデスの新規診断法 国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
大学院医学系研究科病態内科学講座腎臓内科学
特任講師
秋山 真一
全身性エリテマトーデス(SLE)は、指定難病の一つで、若年女性に好発する原因不明かつ根治不能な自己免疫疾患であり、患者のQOLや寿命を著しく損なう。SLEの唯一の治療戦略は「早期発見・早期治療介入」であるが、それを実現する理想的な診断技術が存在しなかった。本研究代表者らはSLEの新規バイオマーカーとして尿中代謝物(開発コード:CU040)を発見し、既存のSLE診断法を凌駕する診断精度と簡便さを兼ね備えた尿検査によるSLE診断法を実現した。
創業後の収益化加速を目指して、エビデンスおよび検出技術の更新、プロトタイプの商品の市場価値評価、ビジネスプランのブラッシュアップを実施する。
令和3年度
(2021年度)
xR技術の安全保護器具応用の事業化検証と商品開発
2022年3月
「合同会社青山大岳」起業
国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学
工学研究科 応用物理学専攻
博士後期課程 2年
犬飼 大樹
xR技術を安全保護器具へ応用し、その事業可能性の検証と商品開発を目的とする。レーザー光は非常に電場強度と指向性に優れた光であり、物性評価やデバイスの研究、医療、加工といった様々な用途に利用が広がっている。このレーザー光から目を保護するため、安全規格により使用者はレーザーゴーグルの着用が義務付けられている。しかしながら、ゴーグル着用時には光吸収の効果によりレーザースポットが見えなくなり、光軸調整等の作業ができなくなってしまう。その場合には、使用者はゴーグルを外すほかなく、失明の危険性を伴う。この問題を解決すべく、没入型VRを応用した新しいレーザーゴーグルを開発し、販売を目指した検証を行う。
令和3年度
(2021年度)
半導体量産装置の稼働率を上昇させる画期的プラズマプロセスモニターの開発 国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学
大学院工学研究科電気工学専攻
博士後期課程2年
夏目 祥揮
半導体量産現場では、量産装置における真空容器内部の経年劣化によって製品デバイス品質が低下し、一定の周期で装置内部のクリーニングが必要となる。クリーニングにより装置がストップすることで、半導体製造における稼働率の低下やクリーニングコストが著しく、解決策が強く期待される状況にある。現在、クリーニング時期は、現場でのカン・経験と真空容器外部からの計測に依存し、適切な時期に実施されているとはいえない。本技術が実現するプラズモニターシステムは、真空容器内部の劣化状況に関するパラメータを取得可能とし、適切なクリーニング時期の特定が期待できる。また、長期的には制御システムの導入により、時期の特定に留まらず、頻度自体を大幅に減少させることが可能であると考えている。本研究開発によりプラズマモニターを確立し、半導体量産装置メーカーとの連携による量産機器アプリケーションの製造を目指していく。
令和3年度
(2021年度
超解像による分光分析の高精度化 国立大学法人東海国立大学機構名古屋大学
未来材料・システム研究所
准教授
原田 俊太
分光分析は、半導体、バイオ、医療、化学など、様々な分野において、研究開発、製品検査などに用いられている。分光分析では、プリズムなどによって各波長成分に分光した分析光を、多数のCCD検出器によって成分ごとに一度に検出するため、測定データは離散的であり、CCD検出器の数以上にデータ点を増やすことができない。このため、データの解像度が不足することが課題である。情報学的な手法と分光測定を融合することにより、分光分析の高精度化を実現する超解像ソフト・システムを開発し、分光分析装置に実装することを目指す。
令和3年度
(2021年度)
標的ウイルス・アレルゲンの同時迅速診断を可能とするマルチプレックス遺伝子診断デバイスの事業化検証 国立大学法人 豊橋技術科学大学
大学院工学研究科
博士後期課程1年
夏原 大悟
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界的な大流行を引き起こしたように、ウイルス感染症は人々の生活や心身を脅かしている。特に、検査に関しては様々な問題が浮き彫りになっている。検査費用が高額であったり、検査時間、検査施設・専門人材の問題などがある上、変異種の検査も不十分であり、感染症対策が後手後手になってしまっている。我々の開発した遺伝子診断デバイスでは上記の問題を解決し、変異種の検査も同時に実施することが可能である。今回のCOVID-19をはじめ、今後、新たな感染症が発生した場合にも、安価で迅速な検査対応、および安全安心な社会の実現に貢献できる。本研究では、診断デバイスのさらなる実用化に向け、患者から採取した検体等を用いた診断デバイスの検査性能の検証を行う。
令和3年度
(2021年度)
ICT機器と深層学習を用いた路面性状モニタリング技術の事業化検証 国立大学法人岐阜大学
工学部
助教
深井 英和
近年、地方自治体において道路インフラの維持管理を今後いかに継続していくかが大きな課題となっている。背景として、高度成長期に建設された道路網が次々と耐用年数を迎えている一方で、地方自治体の人口減による技術者不足や予算減少の問題がある。そこで、より効率的かつ低予算で実施可能な路面調査の代替法が強く求められている。
JICAの東ティモール国立大学工学部支援プロジェクトへの参画をきっかけに、研究・教育の一貫として、ICTと最先端の深層学習を用いた安価なクラウド型路面性状モニタリング統合システムの開発を進めてきた。ここでシステムの実用化の目処が立ってきたため事業化し、まずは東ティモールと岐阜県内での実績を積んだ上で、他の途上国や都道府県を顧客とした事業拡大をめざす。
本事業計画の内容は、国連の掲げる目標であるSDGsの項目のうち複数項目と大きく関連する。本事業は国内インフラの維持のみならず、特に発展途上国の発展に大きく貢献することを目標としている。
令和3年度
(2021年度)
高品質窒化物半導体エピタキシャル成長技術の事業化検証 国立大学法人三重大学
地域創生戦略企画室
助教
上杉 謙次郎
スパッタリング法による成膜と高温熱処理を組み合わせて製造した高品質な窒化アルミニウム(AlN)疑似基板「スパッタアニールAlNテンプレート」を用いて、深紫外発光ダイオード(DUV-LED)を製造・販売する。細菌やウィルスの不活化に有効な波長265nmのDUV-LED(265LED)は高価なAlN自立基板を用いた製品しか市販されておらず、需要があるにもかかわらず社会実装が十分に進んでいない。我々が開発した技術は、高品質なAlNや窒化アルミニウムガリウム(AlGaN)を低コストに作製することができ、265LEDの低価格化・高性能化が可能である。上下水道施設、大型公共施設、漁業・農業用途、家電向けに紫外線殺菌ユニットを製造・販売しているメーカーへ、低価格・高出力・長寿命な265LEDを供給し、疫病や感染症の脅威が抑制された安心安全な社会の実現に貢献する。
令和3年度
(2021年度)
高分子材料と細胞との相互作用を活用した臓器・組織再生促進デバイスの事業化の検証 学校法人藤田学園 藤田医科大学
医療科学部 医療検査学科
講師
堀 秀生
再生医療分野で臨床応用が期待されているヒト間葉系幹細胞(Mesenchymal Stem Cells、以下MSC)に着目し、MSCのもつヒト組織修復能力を上昇させることが可能な高分子材料の開発、特許出願および事業検証を目的としている。本研究開発から生み出される高分子材料は、治療用MSCの細胞培養用基材として販売できると同時に、高分子材料上にMSCを培養した状態で、ヒト損傷組織に固定させるための足場として、損傷した組織の修復および再生を加速化させることが可能な新規医療機器(もしくは再生医療等製品)として販売することも可能となる。
令和3年度
(2021年度)
血管内皮増殖因子VEGFに替わる微生物由来新規蛋白質標品(BafA)の事業化検証 学校法人藤田学園 藤田医科大学
医学部微生物学講座
講師
塚本 健太郎
血管内皮増殖因子 (Vascular endothelial growth factor:VEGF)は、ヒト血管内皮細胞を増殖させ、新たな血管の構築(血管新生)を促す生理活性物質の1つである。VEGFは、閉塞性慢性動脈閉塞症や虚血性心疾患などの血行障害を伴う疾患治療への応用開発が進んでいるが、蛋白質としての安定性や市場価格に課題を抱えている。新たに発見したBafA蛋白質は、細菌由来として初めて発見されたVEGF様活性をもつ血管新生因子である。BafA蛋白質は、VEGFの課題を克服する新たな血管新生因子として、研究用試薬、創薬、再生医療製品等の幅広い医療分野での応用が期待でき、各分野での事業展開の可能性について検証を実施する予定である。
令和3年度
(2021年度)
ヒトiPS細胞由来細胞の研究材料及び再生医療材料としての事業化検証 公立大学法人 名古屋市立大学
大学院薬学研究科
教授
松永 民秀
医薬品開発において「薬物動態評価」は成功率向上に重要である。現在、腸管の薬物動態を総合的に評価可能な系が無いため、臨床試験において薬物動態の不良が見つかるケースも多い。また、食品企業では食品成分やサプリメントの有効性や安全性評価が販売に大きく影響するが、動物愛護の高まりで実験動物の使用が制限され、強い危機感を持っている。ヒト生体小腸と同等の薬物吸収性、薬物代謝活性、薬物輸送能、腸管バリア能を有する腸管細胞をヒトiPS細胞から分化誘導する技術を確立した。iPS細胞分化誘導技術を企業等に導出し、フロントマネー、ロイヤリティ収入及び技術指導・コンサルティング収入を基本としたビジネスモデルを展開していく。
令和3年度
(2021年度)
コロイド結晶化技術の事業化検証 ―金ナノ粒子の自己組織化による超高感度センサー 公立大学法人 名古屋市立大学
大学院薬学研究科
教授
山中 淳平
直径=数100nmの金コロイド微粒子が、基板上に規則正しく配列した構造(2次元コロイド結晶)を作製し、分析技術の一つ「ラマン分光」の感度を増強する「表面増強ラマン散乱(SERS)」測定用基板として実用化する。SERS基板は既に市販されているが、本基板は高い感度を示し、安価で簡便に微量分析を行いたいというユーザーの要望に応える。汎用の分析用基板として、また将来は医療診断や環境分析など様々な分野への展開を段階的に検討する。
令和3年度
(2021年度)
翻訳効率化技術・安定化技術のmRNA医薬への応用と事業化 名古屋市立大学
大学院薬学研究科
教授
星野 真一
コロナウイルス感染症の世界的大流行に伴い、mRNAワクチンの有用性が世界中で瞬く間に認知されるに至り、mRNA医薬への期待が高まっている。一方で、ワクチン2回接種の問題、発熱、倦怠感、アナフィラキシーなどの副作用の問題、そして発展途上国に入手を困難にする価格の問題など、mRNAワクチンにおいても重要な課題が残されている。申請者らは、10年来mRNA医薬開発の研究に携わり、mRNAの翻訳効率化技術およびmRNA安定化技術の開発を行って来た。とくに人工mRNA発現効率化技術は、ワクチン量を10分の1に少量化することが可能であり、これらの課題を解決することが期待される。mRNA翻訳効率化技術・安定化技術を、mRNAワクチンをはじめとするmRNA医薬全般に応用し、各種mRNA医薬の最適化を実施する。これらのコア技術を企業等に導出し、提携先からのライセンスアウトによる一時金(アップフロント)、マイルストーン、ロイヤリティ収入を主な収益とするビジネスモデルを考えており、研究開発型の企業として事業を行っていく。mRNA医薬の開発進展に大きく寄与することにより、克服可能な感染症や遺伝子疾患、ウイルス疾患、癌の治療をはじめ、本技術を用いた植物の育種等のバイオエコロジーに広く貢献していく。