採択プロジェクト

大学・エコシステム推進型 
拠点都市環境整備型

Tokyo United Network for Innovation with Technology and Entrepreneurs(T-UNITE)

各研究開発課題の概要図(PDF)

採択年度 研究開発課題名 研究代表者 概要
令和3年度
(2021年度)
地震による建築物破損診断システム&アプリケーションの研究開発と事業化
2022年4月
「株式会社preArch」起業
東京理科大学
理学部第一部 物理学科
教授
山本 貴博
本研究開発では、地震による建物の被害調査・損傷診断の迅速化・高度化・省人化を行うことで被災地の高レジリエンス化(迅速な復興計画)に貢献する新しい建築物損傷診断システムの研究開発とその事業化を進める。このシステムは、本学で開発を進めてきた研究シーズ「建物の制振ダンパーの発熱を高感度に感知するカーボンナノチューブ熱電センサー技術」に基づくものである。この技術により、被災地の建物の被害状況を瞬時に一斉把握・一括管理することが可能となり、
(1) 応急危険度判断
(2) 建物の被災認定(り災証明)
(3) 被災度区分判定
(4) 被災情報処理・復旧計画
などの期間が劇的に短縮され、避難所生活の短期化が期待される。
令和3年度
(2021年度)
ヒトコネクションテクノロジーを用いた双方向型エンターテインメント配信システムの開発 東京理科大学
理学部第一部応用物理学科
准教授
中嶋 宇史
新型コロナウィルス感染予防対策のため、ライブイベントへの対面参加には強い制限が生じ、大部分のコミュニケーションがインターネットを通じて仮想的に行わざるを得ない状況となっている。本研究では、ニューノーマル時代の新しいコミュニケーションツールとして、IoTセンサの基幹技術である振動発電技術、人工知能による人間の動きの解析技術、を用いて人間の興奮や感動をセンシングし、さらなる感動の増幅を目的とした演出を組み合わせたヒトコネクションテクノロジーを開発する。これにより、従来ではライブ会場やバーチャルライブのみで個々に完結していた空間を、ライブとオンラインが一体となった新たな空間へと拡張し、新たな双方向エンターテインメント事業の創出に資する社会還元プログラムを推進する。
令和3年度
(2021年度)
未利用廃棄バイオマスを原料とする機能性バイオマスプラスチックの開発 東京農工大学大学院
工学研究院応用化学部門
准教授
兼橋 真二
本申請では、東アジアを主な生産地域とした年間約300万トン発生するカシューナッツ殻から得られる天然フェノール性植物油(カシューオイル)を原料とする新規な非可食廃棄資源由来の機能性バイオマスプラスチックの開発を目指すものである。2050年のカーボンニュートラルに向けて、プラスチック使用量の削減、温室効果ガス排出量の削減、フードロス対策が不可欠である。さらにwith/postコロナ社会において、公衆衛生の維持向上がますます重要である。これらの課題に対し、カーボンニュートラルな再生可能資源由来の機能性バイオマスプラスチックの創出と応用が大いに期待されている。
本提案では、カシューオイル由来のバイオマスプラスチックが有するユニークな特性(抗菌活性、耐熱性、耐薬品性、フレキシブル性等)を活かし、さらに新規な機能であるガスバリア性を付与した環境調和な無溶剤光硬化性バイオマスプラスチック素材を開発する。この素材を既存の化石資源由来の材料と置き換えて、コーティング材料やパッケージング材料として市場展開を想定し、社会実装へとつなげていく。
令和3年度
(2021年度)
耐酸性イデユコゴメを用いた経口ワクチンの事業化検証 東京農工大学
農学部
准教授
大松 勉
耐酸性微細藻類イデユコゴメをキャリアとするワクチンの事業化の可能性を検証する。イヌは狂犬病ワクチンの接種が義務化されているものの、その接種率は低く70%程度である。そこで、イヌ腸管の免疫細胞に特異的に認識されるリガンドを発現したイヌ用キャリアを作製し、その有効性を検証する。また、顧客となる獣医師を対象とした市場調査を行い、経口ワクチンに対するニーズや市場規模、顧客のセグメンテーションを行う。さらに、企業への訪問調査により開発・生産・販売体制の構築に向けた情報収集を行う。
令和3年度
(2021年度)
非侵襲・非接触・リアルタイムなてんかん発作モニタリングシステムの開発 東京農工大学大学院
工学研究院
准教授
田中 雄一
非侵襲・非接触な24時間てんかん発作モニタリング手法の開発に取り組む。てんかんは100人に1人が発症する神経疾患である。小児期の発症と同時に高齢者の新規発症率も高く、誰もが罹患しうる。さらに、睡眠中に突然死する原因ともなる。一方、人手による常時監視は現実的に不可能である。我々が提案する動画像を用いたてんかん患者モニタリングシステムにより、発作を自動的に検知し、通知することで、世界数億人におよぶてんかん患者とその家族に安心・安全に暮らせる世界を提供することができる。さらに、発作の様態が大量・詳細に観察可能となることで、てんかん研究に対するパラダイムシフトを実現する。
令和3年度
(2021年度)
開発途上国における医療機器管理/教育システムの開発
2022年5月
「株式会社Redge」起業
神奈川県立保健福祉大学
ヘルスイノベーション研究科
修士課程 学生
稲垣 大輔
日本では医療法に基づき、医療機器安全管理責任者の配置が義務付けられており、保守点検の実施状況、使用状況、修理状況、購入年等を把握し、記録することが求められている。一方、開発途上国の医療現場では、10年以上前の医療機器が未だに使用されているが、機器管理および適切な使用方法などの知識不足により管理や点検が不十分なため動作停止などの不具合が発生している。つまり、開発途上国では医療機器の管理と人材育成を含む教育に課題があり、安全な医療の供給を行うために、医療機器管理教育システムを開発することにより、医療機器のスペシャリストである臨床工学技士の管理・教育のノウハウを提供していく。