未来の共創に向けた社会との対話・協働の深化

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対話協働

2023年度
「STI for SDGs」アワード 
受賞取り組み紹介

持ち出さない、持ち込まない、そこにある土砂を資源化

  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 目標11:住み続けられるまちづくりを
  • 目標12:つくる責任 つかう責任
  • 目標13:気候変動に具体的な対策を
  • 目標15:陸の豊かさも守ろう

団体名:インバックスグループ

<解決したい社会課題>
  • 頻発する土砂災害で発生した土砂や土木工事で発生する建設発生土砂を有効な建設資源に変え、レジリエントな街づくりに貢献したい
<取り組み内容>

 近年、気候変動の影響による豪雨や地震などによる土砂災害が頻発しているが、多くの場合、一旦災害が起こると大量の土砂が発生し、その処分に苦慮することになる。また、最近ではインフラ整備や頻発する災害復旧のための建設工事が増大しており、コンクリート骨材そのものが不足している。

 インバックスグループでは、災害で発生した土砂を用途に適した品質にコントロールし、新たに建設資源として活用する技術を開発した。会社設立以来、グループ全体であらゆる土砂を建設資材として活用するために、これまで廃棄されていた掘削土砂、災害土砂、浚渫(しゅんせつ)土砂などを資源化し、砂防堰堤(さぼうえんてい)や道路擁壁(ようへき)、盛り土などに活用する技術を提供している。具体的には、土砂をコンクリートのように固める高強度化技術、軟弱な地盤の強度増加や土質の物性改良を図る地盤安定化技術、泥に戻らない土砂に変える再泥化防止技術などがあり、全国の砂防堰堤や治山・道路擁壁などにおいて1,000件近くの実績を持つ。従来工法の主流であるコンクリートと比較しても、工事におけるCO 2排出量や水の使用量、エネルギー使用量、コストを大幅に削減することが可能になっている。現在は、アフリカを中心に、問題土壌とされているブラックコットンソイルの改質にも取り組むなど、世界展開も視野に入れた研究開発を進めている。

  • 説明図
    (今まで廃棄されていた土砂を新たな建設資源へ)
  • 説明図
    (土砂活用の効果)
  • 説明図
    (土砂を用途に適した品質にコントロールする技術)
<わたしたちの取り組みについて(受賞団体より)>

 この度は大変栄誉ある賞をいただきまして、誠にありがとうございます。受賞をきっかけに、環境に配慮したインフラ整備の取り組みとして、さらに他分野や世界へ広げていくことで、レジリエントな街づくりに貢献していきたいと思います。

  • 説明図
    (土砂活用の可能性)
受賞取組一覧表
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