科学と社会の関係深化

JSTは科学技術基本計画に基づき、共創的科学技術イノベーションの推進に取り組んでいます。

科学と社会の関係深化

このページでは、第1期科学技術基本計画からの「科学と社会」に関する流れとそれに伴うJSTの取組について簡単に紹介します。

第1期科学技術基本計画

1994(平成6)年に刊行された 「平成5年版科学技術白書─若者と科学技術─」 では、各調査結果からわが国の若者の科学技術離れが論じられ、長期的な観点での科学技術系人材の不足や将来における国民の科学技術に対する関心低下の懸念が指摘されました。その後、1995(平成7)年に制定された科学技術基本法において「科学技術に関する啓発及び知識の普及」が明記され、1996(平成8)年からの第1期科学技術基本計画では、「科学技術に親しむ多様な機会の提供」および「科学技術に関する理解の増進と関心の喚起」を行うことが示されました。
このような状況の下、JST発足時の設置法に「科学技術に関し、知識を普及し、並びに国民の関心及び理解を増進すること」が業務の範囲として記載 されました。1996(平成8)年、JSTは実施部署として「科学技術理解増進室」を創設し、科学技術理解増進事業を開始しました。その後の取組強化に伴い、2000(平成12)年には「科学技術理解増進部」に移行しています。


第2期・第3期科学技術基本計画

1999(平成11)年の世界科学会議で発表された「ブダペスト宣言」で、21世紀の科学の責務として、「知識のための科学:進歩のための知識」に「平和のための科学」「開発のための科学」「社会における科学と社会のための科学」が加えられました。
これを受け、2001(平成13)年からの第2期科学技術基本計画に、科学技術と社会とのチャンネルの構築を行うことが明記され、JSTは科学技術と人をつなぐ拠点「日本科学未来館」を2001(平成13)年に開館しました。
2006(平成18)年からの第3期科学技術基本計画では、従来の科学技術に関する国民意識の醸成に加え、科学技術に関する説明責任と情報発信の強化、国民の科学技術への主体的な参加の促進が提起されました。
JSTは各地で科学コミュニケーションに関わる人・組織のネットワーク形成や活動におけるノウハウの共有を図る目的で、2006(平成18)年より「サイエンスアゴラ」を開始するなど、従来の一方向の情報発信から、社会のさまざまな活動主体が双方向で情報発信・連携する科学技術コミュニケーションに活動の重点を移すこととしました。また、さまざまな実施主体との連携を強化する観点で、2009(平成21)年に「科学技術理解増進部」を「科学ネットワーク部」に改組し、運営を行いました。


第4期科学技術基本計画

第4期科学技術基本計画では、科学技術と社会の関係がより重視されるものとなりました。
JSTは、新たな科学コミュニケーションへの取組へ向け、より長期的な視点に立って戦略的に事業を行う組織として、「科学ネットワーク部」を改組し、2012(平成24)年に「科学コミュニケーションセンター」を設立しました。同センターは、それまでの「伝える」活動だけではなく、市民、科学者、事業者、メディア、行政といったさまざまな人々が対話や協働を通じてよりよい社会や生活を「つくる」ための活動を行い、さらにはそれらを「いかす(社会に根付く)」ための取組を実施しました。


第5期科学技術基本計画

第4期科学技術基本計画では科学技術コミュニケーションの場の構築までしか求められていなかったのに対し、第5期科学技術基本計画では、「ステークホルダーによる対話・協働」「共創に向けた各ステークホルダーの取組」「政策形成への科学的助言」と、対話・協働で得られた成果を研究開発等に反映させることにより、科学技術イノベーションと社会との関係を深化させることが求められるようになりました。
このような方向性のもと、JSTは、科学技術イノベーションと社会との問題について、様々なステークホルダーが双方向で対話・協働し、それらを政策形成や知識創造、社会実装へと結びつける「共創」を推進するべく、「科学コミュニケーションセンター」を改組し、2018(平成30)年「「科学と社会」推進部」を設置しました。共創を推進する従来の業務に加え、JSTがどのような社会的課題・技術的課題の解決に取り組んでいくか事業横断的に議論する「未来社会デザイン本部」の運営、多様なステークホルダーが分野・セクターを超えて自由に参画し、共創を展開する「未来社会デザイン・オープンプラットフォーム(CHANCE)構想」の推進等を行っています。