SIPの概要(終了課題)

戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)は、科学技術イノベーション総合戦略(平成25年6月7日閣議決定)及び日本再興戦略(平成25年6月14日閣議決定)において、総合科学技術会議が司令塔機能を発揮し、科学技術イノベーションを実現するため創設することが決定しました。 SIPは、府省・分野を超えた横断型のプログラムであり、総合科学技術会議が課題を特定し、予算を重点配分するものであり、課題ごとにPD(プログラムディレクター)を選定し、基礎研究から出口(実用化・事業化)までを見据え、規制・制度改革や特区制度の活用等も視野に入れて推進していくものです。

内閣府SIPホームページ

革新的燃焼技術

「革新的燃焼技術」では、最大熱効率50%及びCO230%削減(2011年比)を実現するための革新的技術の研究開発を行うとともに、世界トップレベルの内燃機関研究者の育成と持続可能な産学連携体制の構築に取り組みます。この目標を達成するために、(1)高い熱効率を生み出す燃焼技術(ガソリンの場合は超希薄燃焼・高過給・大量EGR 条件下の燃焼、ディーゼルの場合は急速静音燃焼・クリーン低温燃焼など)、(2)内燃機関の燃焼を自在に制御する技術、(3)損失を低減する技術の研究開発を行います。

革新的構造材料

「革新的構造材料」では、材料技術を基盤に、航空機産業を裾野産業も含め、育成、拡大することを目標としています。 この目標を達成するために、(a)航空機用樹脂の開発とFRPの開発、(b)耐環境性セラミックスコーティングの開発、(c)耐熱合金・金属間化合物等の開発、(d)マテリアルズインテグレーションの4つからなる研究開発項目を掲げ、強く、軽く、熱に耐える革新的材料を開発し、航空機を始めとした輸送機器・発電等産業機器への実機適用を行うとともに、エネルギー転換・利用効率向上を実現します。

エネルギーキャリア

「エネルギーキャリア」は、再生可能エネルギー等を起源とする電気及び水素等により、クリーンかつ経済的でセキュリティーレベルも高い新たなエネルギー社会を構築し、世界に向けて発信することを目的とします。水素の製造、輸送・貯蔵、利用のチェーンの中で、需要側の利用方法に応じた多様なパスを検討し、将来の技術革新とエネルギーコストを予測しながら、どのような場合に水素利用が有利となるかを見極め、社会への水素導入シナリオも検討しながら、研究開発を進めます。2018年までに、再生可能エネルギー等の利用による安価なエネルギーキャリア製造技術のモデル検証、エネルギーキャリアを利用した発電、水素ステーションへの供給システム等の技術確立を目指します。 2014年度は、特に(1)アンモニアキャリアの開発、(2)有機ハイドライドの開発、(3)液体水素の開発、(4)水素利用技術の開発、(5)エネルギーキャリアの安全性評価、の5つの研究開発項目を優先課題として取り組みます。

インフラ維持管理・更新・マネジメント技術

「インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」では、世界最先端のICRT※等、システム化されたインフラマネジメントを活用し、国内重要インフラの高い維持管理水準での維持、魅力ある継続的な維持管理市場の創造、海外展開の礎を築くことを目標としています。 この目標を達成するために、(1)点検・モニタリング・診断技術の研究開発、(2)構造材料・劣化機構・補修・補強技術の研究開発、(3)情報・通信技術の研究開発、(4)ロボット技術の研究開発、(5)アセットマネジメント技術の研究開発を研究開発項目に掲げ、維持管理に関わるニーズと技術開発のシーズとのマッチングを重視し、新しい技術を現場で使える形で展開し、予防保全による維持管理水準の向上を低コストで実現させることを目指します。 ※ICRT:ICT(Information and Communication Technology)+IRT(Information and Robot Technology)

レジリエントな防災・減災機能の強化

「レジリエントな防災・減災機能の強化」では、府省連携により災害情報をリアルタイムで共有・利活用する仕組を構築するとともに、地域における防災リテラシーを向上させることで、国民一人ひとりの防災力の向上をめざします。 これらの目標を達成するために、(1) 予測:最新観測予測分析技術による災害の把握と被害推定;(2) 予防:大規模実証試験等に基づく耐震性の強化;(3) 対応:災害関連情報の共有と利活用による災害対応力の向上、の三項目について研究開発を行います。