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プロジェクト現場から
「科学技術イノベーション政策のための科学 研究開発プログラム」
第3回プログラムサロン(2013年8月20日)開催報告
プログラムサロンは、各プロジェクトの途中成果を公開して、政策担当者や研究者と情報や問題意識を共有し、現実の政策形成に活用できるプログラムにするための議論を深めることを目的としています。(案内:第3回プログラムサロン )
第3回目は、2013年8月20日に「イノベーションの科学的源泉・知の創造と価値の創造~2つのプロジェクトから導き出される科学的根拠とその結論をめぐって~」と題して、共通する対象(日本のベンチャー)に対して研究を進めている2つのプロジェクト※を取り上げ、ディスカッションを行いました。
※ 一橋大学イノベーション研究センターの長岡教授をリーダーとする「イノベーションの科学的源泉とその経済効果の研究」と、同志社大学大学院総合政策科学研究科の山口教授をリーダーとする「未来産業創造にむかうイノベーション戦略の研究」
両プロジェクトの研究内容に対する聴衆の関心は高く、これらを重要視するコメントが多く出されました。特に2つのプロジェクトの視点の相違などを検証することで、より理解を深めることができました。
今後の両プロジェクトへのアドバイスとしては、以下の論点がディスカッションされました。
- ○中間結果に相違があるように見えるのは表現などの問題で、該当部分を照らし合わせれば、結果に相違はない。
- ○「バイオベンチャー」「SBIR(Small Business Innovation Research)」など、国によって内容がかなり違う。「創薬ベンチャー」も、「バイオベンチャー」に含まれるものの、海外には創薬以外のベンチャーも多く、イコールではない。最終報告では、表現・条件などに留意が必要。
- ○創薬の領域はサイエンスリンケージが付けられる良い例ではあるが、科学技術全体でみると、かなり特殊なケースである。ナノテクなどが同じように説明できるかは未確認の課題。
- ○「日本版SBIR」に革新的ベンチャーを生むための条件が不足していることは、内閣府などでも認識。ただし、問題点・改善点などについては見方が分かれている。