プロジェクト紹介

未来産業創造にむかうイノベーション戦略の研究

研究代表者

研究代表者:山口 栄一


山口 栄一
京都大学大学院総合生存学館 教授

プロジェクトの目標

  • 「日本知図」 (研究者/発明者、公的機関等が形成する知識生産ネットワークの可視化)を作成し、政策立案、制度設計、社会実装を考える際にプラットフォームとなる新たな道具を提示する。
  • ナビゲーション・サービスを使って、共同研究者/発明者間の経路距離と移動時間を計算し、共同研究/共同開発によって成功するイノベーションの条件を、研究者間/発明者間の移動時間という観点から解明する。
  • イノベーションとサイエンスを結びつける場合に見られる普遍性と特殊性を研究し、未来産業の目利き(プログラム・ディレクター)や技術企業のCSO(Chief Science Officer)を育成する教育体系の研究に展開し、その到達点として「イノベーション・ソムリエ」の認定制度を構築する。
  • サイエンスと特許との関連が深いバイオ産業を例として、日本のイノベーション・産業システムが抱えている制度的・慣習的問題を明らかにし、未来産業を創出するための政策を提言する。

科学技術イノベーションが生まれやすい会社組織のあり方、資本市場の関与の仕方を見出し、起業家が成長しやすい社会制度を設計する。

プロジェクトの概要

本研究開発プロジェクトは、日本の産業社会のさまざまな課題解決に遅れを生じさせた構造を解明し、その改善に向けた処方を提示することを目標とするものである。日本社会におけるこの課題解決の遅れの主要因は、イノベーション型産業の担い手が自前主義の「大企業」からオープンな「イノベーターのネットワーク」に変容したにもかかわらず、その把握を怠ってきたことにあると考える。

こうした問題状況を踏まえ、
 第1に、日本社会において生起したイノベーションを対象として、科学、技術、人間、機関などの有機的な連結を可視化し、解析・評価するためのツール「日本知図」を、ユーザーの意見を取り込みながら開発し、関係協力機関において、イノベーション創発ツールとして公開する。
 第2に、サイエンスとイノベーションをつなぐ目利きである「イノベーション・ソムリエ」の教育体系と認定制度を研究し、人材育成に貢献する。第3にバイオ産業を例として、日本のイノベーション・産業システムが抱えている制度的・慣習的問題を明らかにし、これをもとに、未来産業を創出するための政策を提言する。


左より:田村傑(早稲田大学・准教授)、藤田裕二(日本大学・研究所研究員)、山口栄一(同志社大学・教授、研究代表者)、<br />相馬亘(日本大学・准教授)、玉田俊平太(関西学院大学・教授)、内藤祐介(人工生命研究所・代表取締役)
左より:田村傑(早稲田大学・准教授)、藤田裕二(日本大学・研究所研究員)、山口栄一(同志社大学・教授、研究代表者)、相馬亘(日本大学・准教授)、玉田俊平太(関西学院大学・教授)、内藤祐介(人工生命研究所・代表取締役)

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