救命救急センターでおこっていること

救命救急センターでおこっていること

救命救急センターは患者が運ばれて来た時、状態を診て命を救うための処置をおこなう場所です。そのままそこで手術をおこなう時もあります。また、家族を呼んで、患者が亡くなったことを告げる場所にもなります。搬送されて来てから数時間のうちに、ひとつの部屋がいろいろな役割を果たします。
救命処置をしている間、医師、看護師、医療技師たちは、患者に最善の医療がほどこせるよう、チームワークを発揮します。言葉は多く交わさなくても、自分が何をすべきかを瞬間的に判断して動きます。患者が亡くなった時は、何も言わず静かに処置台から下がることで死をいたむ気持ちをあらわします。一刻を争う救命救急センターでは、そんな複雑なことが、ごく当たり前のことのように毎日おこなわれているのです。
このように機転をきかせたり、さりげなく思いやりを示したりするしぐさは、学校などで習うわけではありません。マニュアルがあるわけでもありません。生死のかかった厳しい現場を体験する中でつちかった力です。このような、言葉にはされない知識や考えを暗黙知と呼びます。
この医療現場で実践されている知恵と技術を科学的に分析することによって、よりよい医療の実現に役立てたい。それがこのプロジェクトの最大の目標です。

2012年9月30日をもちまして、領域の活動は終了致しました。