研究よりも人間の尊厳と人権が大切

研究よりも人間の尊厳と人権が大切

ルールづくりにあたって、市民の代表、長浜市の職員のほか、医療にたずさわる人、生命倫理や法律の専門家や研究者などで構成する委員会がつくられました。
「ながはまルール」で確認されたことは、「人間の尊厳や人権は、医学的、社会的利益より優先する」という基本理念です。提供したデータを使う研究に倫理的な問題がないか、大学と自治体が二重で審査・管理する体制を整備することが決められました。またゲノム研究は、驚くべき速さで発展しているので、将来、学問的にも社会的にもどのように状況が変わっていくか予測できません。そこで、時代の変化に応じてルールを見直すこと、参加者に情報を提供すること、途中で参加を取りやめる機会を作ることなどが定められました。同時に、バイオ・バンクに関する条例の整備、そして、研究の成果を地域づくりに活用するための方法も検討されました。
プロジェクトを始めた頃、きちんとしたルールブックを作れば、長浜市民の人たちが研究に理解を示し、すすんで協力してくれると期待していました。しかし、ゲノムという耳慣れない言葉に不安を持つ人も多く、協力者はなかなか集まりません。このような先進的な研究を一般の人とともにおこなっていくには、もっとさまざまな工夫や努力が必要なのだということがわかってきました。

2012年9月30日をもちまして、領域の活動は終了致しました。