世界の心臓を救った町 
フラミンガム研究の55年
嶋康晃
ライフサイエンス出版 2004年
フラミンガム研究は、現在、医療従事者なら誰もが知っている循環器疾患のリスクファクターが脂質異常、高血圧、喫煙等であることを初めて明らかにした疫学研究である。その成果が医学の進歩に与えた影響は計り知れない。本書は、その研究経過50余年をていねいに辿ってまとめられている。医療ライターによって書かれているため、単なる経過説明だけでなく、研究に参加されるフラミンガムの町の人々の思いや研究者の思い、社会的な波及効果にも触れられていることも特徴で、疫学研究が私たちにどのように影響を及ぼすのかについて理解できる。
(明石圭子:長浜市健康福祉部健康推進課 参事)