植物力
人類を救うバイオテクノロジー
新名惇彦
新潮選書 2006年
近代社会の発展を支えてきた科学技術。この科学技術の社会への浸透は、これまで石油、天然ガスなど化石エネルギー資源の利用拡大によって支えられてきた。本書は、21世紀の人類社会が直面するであろう人口、エネルギー、食糧、水、環境問題をまとめて「2050年問題」と提起し、この状況を打破し資源循環型社会を構築するためには、遺伝子組み換え技術や植物バイオ燃料技術といった植物バイオテクノロジーの発展とこれに対する社会の理解が必要不可欠であると論じている。管理不足により劣化の進む地域の山林資源の価値を見直し、新たな地域社会の在り方を考えるきっかけとして読んでほしい一冊である。
(永野正朗:高知工科大学地域連携機構社会マネジメントシステム研究センター 研究助手)