キーワード解説:ものごとの決め方
言説化の取り組み
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政府におけるコロナ対策や、新規技術の社会的影響についての市民の態度保留など、日本では社会的な意思決定や判断を曖昧にしたままにする傾向がみられる。その結果、医療や公衆衛生においては本人同意だけの問題に矮小化され、法規制などが同意に過度に依存する一方で、ひとたび得られた同意が濫用されるおそれもある。同意という形式的な手続きが本人の自発的な意思を尊重しているとは限らないのではないか。リスクや不確実性をはらむ問題に対して集合的・組織的な意思決定や市民を交えた社会的な合意形成を行うにはどのようにすればよいか。
態度や決定のあいまいさ
感染症予防における「勧奨」や新規技術に対する「わからなさ」のように、個人による事前警戒的な意思の表明が何となくそのまま社会的な規範に結びつけられていること
法規制などへの対処
公衆衛生やプライバシーに関して中間的な権利・義務を与えたり、目的・分野ごとのルールを設定したり、弾力的に法解釈を運用して規制とうまく戦う体制を整えたりすること
市民関与と社会的合意形成
意識や関心、利害が必ずしも高くない一般の人々が科学技術と社会の問題に自発的・継続的に関与し、長期的・間接的な政策形成に貢献したり、社会的な意識を共有したりすること
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