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キーワードマップ:責任のあり方

現代の日本における自己責任論は個人による責任意識の表明というよりは他者に責任を引き取らせるための論調として使われているようにみえる。専門家が自らの役割責任と人としての道義的責任との間で葛藤しているとき、安全の社会的許容や未知に対するリスク、そして次世代の人々や社会に対して、他の専門家やステークホルダー、市民はどのように自らの責任を規定し、引き受けることができるか。また、このような多様な関係者との対話や協働を通じて生じる共同責任の所在はどのようにあるべきか。

未知に対するリスク

人類の存亡も含め、科学技術の発展や環境・社会の変化によって出現する新たな人工物や生命体が人々のウェルビーイングや財産、アイデンティティに予測不能な危害や脅威を与える可能性のこと

安全の社会的許容

他国と比較して非常に高い安全性が求められる日本において、新規の技術や事象に対するリスクを個人としてではなく、法規制や、関係者間の合意形成によって受容していく仕組みのこと

世代間倫理

若年層やまだ生まれていない将来世代の利益や権利、価値や生存可能性に配慮するため、現代の社会的規範を問い直し、調整していくこと

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