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キーワードマップ:人間らしさとは

言説における語る主体の尊重や、専門家の人としての道義的責任、そして揺らぎつつある他者との関係性はすべて、科学技術の発展において後景化している個人の生のあり方が再び問われていることを意味している。人間は理性的な動物であり、その活動の最たる知的結晶が科学技術にあるとき、資本主義において加速する欲望や異なる価値観を持った他者に対する感情、閉塞的な未来を怖れる感覚、反知性主義的な嫌悪などを抱える個人や社会とどのように折り合いをつけていくことができるか。現代において著しく変容する科学技術と社会にあって、人間らしい生き方とはどのようなものか。

能力や権利の過剰

技術や社会の発展に伴い個人が持ちうる能力や権利が大きくなり、個人が社会に与える影響が即時的で多大になることで、欲望の実現や資源の収奪・消費に抑制が効かなくなること

人工物に対する感情

人間の言動を模した人工知能やロボット、自動運転車などが人々にもたらす愉しみや癒し、反感や嫌悪、忌避感といった新たな感情のこと

痛みや苦しみからの解放

人々の生活や労働、移動において人間や動物の抱える痛みや苦しみを抑制・除去することで、別の主体に移行したり、別の種類として生じる痛みや苦しみへの想起とその緩和のこと

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