トピックス
第66回 科学技術映像祭 科学技術館館長賞を受賞しました
最先端サイエンス粘土ショー「これからヒーロー! 」(YouTube動画)
Vol.2 体の中に病院を作っちゃう?!の巻/西山伸宏さん(東京科学大学)
JSTが企画・制作を行う動画「これからヒーロー!Vol.2 体の中に病院を作っちゃう?!の巻/西山伸宏さん(東京科学大学)」(2024年10月17日公開)が、この度第66回科学技術映像祭 科学技術館館長賞を受賞しました。

2024年8月より公開している「これからヒーロー!」は、進路選択を控えた中学生・高校生に向けたYouTube動画シリーズです。JSTが支援する多様な科学技術の研究を取り上げ、その研究の面白さや重要性、研究者の熱量を届けることで、彼らに研究の魅力を感じてもらい、理系や研究の道に進みたいと思ってもらうことを目指しています。
動画には、研究テーマをイメージした粘土キャラクターが登場。コミカルな見た目からは想像できない秘められた研究成果のパワーを紹介し、いかに“未来を救う可能性を秘めたヒーロー”であるかを説明します。専門的な内容を、笑いを交えて分かりやすく解説することで、科学技術をより身近に感じてもらえる構成としています。
本作品は、JST広報課の職員が企画・制作を手掛けています。科学技術は純粋に面白く、ワクワクさせられ、研究者の営みには心打たれます。その魅力を学生の皆さんにお伝えすべく、これからも努力してまいりたいと思います。
【受賞作品の内容】
東京科学大学 総合研究院 化学生命科学研究所 教授の西山伸宏さんの「ナノマシン」の研究を紹介しています。ナノマシンは、1万個以上の分子が集まった高分子の薬です。体内には薬の通り抜けが難しい関門が各所にありますが、ナノマシンに組み込まれているのは関門をうまく突破する能力を備えた選ばれし分子たち。分子たちのおかげで、患部に薬を確実に届けることができます。そして将来は、病気の治療だけでなく、発見と診断の能力を持つ分子が加わり、体内を24時間巡回して、知らず知らずのうちに病気を治療してしまう「体内病院」の実現を目指しています。
動画では、ナノマシンを「かご屋のご一行」として物語を描きました。屈強な分子の担ぎ手たちが薬の姫を患部まで確実に届ける旅を入口に、体内病院まで紹介します。ナノマシンの口ぐせは「知らず知らずのうちに、お前を健康にしてやろうか~!」です。

【制作の様子】
「これからヒーロー!」シリーズは、JSTの広報課職員が、取材から台本、粘土制作、ナレーション、編集まですべてを手掛けています。ナレーション収録を行うのは、防音設備のない一般的な会議室。執務室に大きな声が漏れるたびに、笑いが起こります。粘土キャラクターは、プレスリリースや研究者への取材内容をもとに議論しながらイメージを画に起こし、油粘土、紙粘土とこねていきます。本制作には、近畿大学の村松秀 教授と羽衣国際大学の早岡英介 教授にアドバイザーとしてご協力いただいており、先生方との打ち合わせでは、どんなストーリーにすると中高生の皆さんに笑って楽しみながらも研究成果を理解してもらえるのか、皆で頭を悩ませます。動画には職員のたくさんの想いが詰まっています。

【「これからヒーロー!」とは】
動画公開開始日:2024年8月2日
掲載場所:WEBサイト「研コレ」https://www.jst.go.jp/program/kencolle/
設定:地球で起こるさまざまな異変をいち早く察知し、あらゆる科学技術研究を駆使して地球を守り抜く「これからヒーロー!カンパニー」。本部から日々送られてくるミッションを科学技術でクリアするために、特派員の猫田と敏腕ヘッドハンターのリケ犬ドッグ“ワン”が、未来を救うヒーローとなりそうな研究を探し出す。
企画・制作:国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)総務部広報課
アドバイザー:村松秀(近畿大学 総合社会学部 教授)
早岡英介(羽衣国際大学 現代社会学部 教授)
制作した動画:JSTが支援する科学技術の研究を紹介。
- #1人工冬眠(理化学研究所 砂川玄志郎さん)
→人に冬眠状態を誘導し、救急搬送に応用することを目指す研究。
https://www.jst.go.jp/program/kencolle/movie/series_1/01.html - #2ナノマシン(東京科学大学 西山伸宏さん)
→病気を治療するナノマシンの研究開発、および「体内病院」の実現を目指す研究。
https://www.jst.go.jp/program/kencolle/movie/series_1/02.html - #3でんぷん系低分子量オイルゲル化剤「C-AG」(農研機構 岩浦里愛さん)
→夏場の高温によるアスファルトの流動化を改善するトウモロコシ由来の材料を開発。
https://www.jst.go.jp/program/kencolle/movie/series_1/03.html - #4培養ステーキ肉(東京大学 竹内昌治さん)
→畜産の牛肉のような筋肉線維を再現する培養肉を開発。
https://www.jst.go.jp/program/kencolle/movie/series_1/04.html - #5水を浄化する結晶材料(信州大学 手嶋勝弥さん)
→タンザニアの水に溶け込むフッ化物イオンを除去する結晶材料の開発。
https://www.jst.go.jp/program/kencolle/movie/series_1/05.html - #6寄生バチ(筑波大学 島田裕子さん)
→寄生蜂のニホンアソバラコマユバチがキイロショウジョウバエに行う寄生を成功に導く毒遺伝子の同定。
https://www.jst.go.jp/program/kencolle/movie/series_1/06.html
<科学技術映像祭とは>
科学技術を正確にわかりやすく伝える優れた映像を選奨し、科学技術への関心を喚起し、その普及と向上をはかるとともに、社会一般の科学技術教養の向上に資することを目的とする映像祭。今回が66回目の開催。
https://ppd.jsf.or.jp/filmfest/
本件に関して
WEBサイト「研コレ」よりお問い合わせください
掲載日:2025年07月11日