成果概要

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多様なこころを脳と身体性機能に基づいてつなぐ「自在ホンヤク機」の開発[7] 次世代磁気センシングによるこころの状態の読み取り技術の高度化

2025年度までの進捗状況

1. 概要

研究開発項目7では、次世代磁気センシング技術である光ポンピング磁気センサ式脳磁図(OPM-MEG)を導入することで、こころの状態を読みとる技術の高度化を目指します。これにより、「自在ホンヤク機」の社会実装に向けた研究開発の加速が期待されます。

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OPMセンサの最適化 ウェアラブル、自然な環境下での脳活動計測

OPM-MEGは、次世代の脳活動測定技術として、従来の方法と比較してより高精度かつ柔軟な脳活動の測定を可能にします。軽量なセンサを頭部に装着することで、例えばコーヒーを飲んでいる時など、自由な動きを許した自然な状況での脳活動の測定が実現します。
研究開発項目7では、この装置を自然科学研究機構生理学研究所に導入して計測環境の整備を行うとともに、計測に必要なOPMセンサの改良や最適化を行います。また、データを解析するためのパイプラインの洗練化やこころの状態の読み取りのための方法論的な実証を通して、「自在ホンヤク機」の高度化を目指します。

2. これまでの主な成果

  1.    OPM-MEG計測のための高性能磁気シールドルームの設置
  2.    ハイパースキャン対応のOPM-MEG装置の選定
  3.    脳深部からの安定した脳活動計測のためのOPMセンサの最適化と作成
  4.    OPM-MEG運営体制・研究コミュニティ構築の推進

成果1では、OPM-MEGの導入に先立ち、計測に必要な高性能磁気シールドルームを生理学研究所に導入しました。OPM-MEGでは、脳内にわずかに発生する磁場変化を捉えて計測します。地球磁場や環境ノイズを遮断するシールドルームを用いることで、脳活動に由来する磁場変化の正確な読み取りが可能になります。

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磁気シールドルーム(成果1)資料提供;北城(生理学研究所)

成果2では、国内1号機となるハイパースキャン(複数人の脳活動を同時に計測すること)に対応したOPM-MEG装置を選定し、導入を進めています。順調に設置工事が進行しており、2026年度中に使用開始を予定しています。
成果3では、頭部と頸部(首)全体にOPMセンサを配置できる専用の3DプリントOPMセンサアレイを設計・製造しました。これによって、センサを脳深部などの目的の脳領域に合わせて最適化することが可能になります。
成果4では、OPM-MEGの運営体制と運用指針の確立を進めました。また、目標9内でユーザ会議を設置し、ユーザの要望調査等を行っています。また、OPM-MEGの研究コミュニティ構築のために、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンやノッティンガム大学との連携体制を構築するとともに、国際シンポジウムや国内研究会を開催しています。

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国際シンポジウムの開催(成果4)資料提供;北城(生理学研究所)

3. 今後の展開

今後、OPM-MEGを用いた研究を進め、コミュニケーション中の脳計測からこころの「コミュニケーション中の状態」の推定を目指します。また、生理学研究所とJIZAI2050プロジェクトを中心とした運営体制の構築・強化により、目標9での効率的な運用を目指します。

(生理学研究所:北城圭一、
 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン:Sven Bestmann)