成果概要
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大規模集積シリコン量子コンピュータの研究開発[1] 量子コンピューティングシステム
2025年度までの進捗状況
1. 概要
本研究開発項目は、プロジェクト全体を統括して量子コンピュータをシステムとしてまとめる役割を担っており、図1の三つ(#1、#2、#3)の具体的な研究開発課題に取り組んでいます。

一つ目は、シリコン量子コンピュータを大規模化する際のマイルストーンである量子ビットの「2次元量子ビットアレイ」化に関する研究です。二つ目は、この量子ビットアレイを高精度に制御し量子情報を高感度に読み出すために必要となる「量子ビット高精度制御・高感度読み出し回路」を開発します。三つ目は、システム全体をコンピュータとして動作させるための「システムアーキテクチャ」を開発します。これらによって、シリコン半導体技術の特徴を活かした大規模集積シリコン量子コンピューティングシステムの実現をめざしていきます。
2. これまでの主な成果
2次元量子ビットアレイ化に関する研究では、電子回路の量産に用いられている直径300mmのシリコン基板において4×4の2次元量子ドットアレイチップを試作しました。縦横に配列した2量子ドット間の結合をそれぞれ独立して高精度に制御できることを確認するとともに、縦方向および横方向における2量子ビット操作の1種であるControlled Rotation操作を確認しました。(図2)。
量子ビット高精度制御・高感度読み出し回路の研究では、令和6年度までに作成した、量子ビット操作用の制御信号を供給するQBGチップを用いたシステム評価を進め、チャージシャトリングを確認しました。高感度読出し回路については、反射読出し方式をシステム実装し、エルザーマン読出しによるスピン測定を実施しました。
システムアーキテクチャの研究では、大規模化に向けた量子ビット操作自動化システムを試作しました。実験・測定モジュールと自動校正ライブラリを連動させて量子ビット操作を自動化したほか、データ管理系(DB・管理画面・結果UI)を実装し、トレーサビリティと自動校正機能を確認しました。このシステムを用い、日々の実験および校正データを長期にわたり蓄積しました。温度変動に適応した自動校正を確認したほか、デバイス特性変動時における自動校正機能の有効性を検証しました。(図3)。
3. 今後の展開
FTQC実現に向けては常識にとらわれない様々なイノベーションが必要です。プロジェクト内外との連携によって、半導体技術を最大限に活用した量子ビットアレイ構造での量子ビット操作を実現し、さらにシステムレベル実装によってその高信頼・効率化に取り組みます。