低炭素社会の実現に向けた技術および経済・社会の定量的シナリオに基づくイノベーション政策立案のための提案書

LCS-FY2018-PP-10

「低炭素技術設計・評価プラットフォーム」による分析手法の提案 —設計型機能への展開—

  • SDGs9
  • SDGs12
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概要

 LCSでは定量的技術システム研究に基づいて、様々な低炭素技術の定量的評価を行っている [1],[2]。その中において、「低炭素技術設計・評価プラットフォーム」(以下、「プラットフォーム」という。)は、定量的評価を支援する情報システム基盤である。これまで、プラットフォームは解析型ツールとして種々の低炭素技術の定量的評価に利用されてきた[3]-[6]。しかし、プロセス設計においては、出力条件を与えて、逆にそれを充足する入力条件を計算する設計型機能も必要である。

 設計型機能を使えば、最終利用時点の製品目標コストと許容CO2排出量を与えて、入口の生産規模を求めることもできる。一般には、このような多変数最適化問題を解くには、対象プロセスから数学的モデルを作り、Solverと呼ばれる専用のソフトウェアを使用する必要がある。しかし、対象プロセスをSolverが解釈できるモデル製作工程は、専用の言語を使用したプログラミングに多大な時間が必要となる。
 これに対して今回追加した設計型機能は、既に作成した対象プロセスの数学モデルの利用ができる。さらに解析型機能と同じExcelベースのシステム構成にしたことにより、2つの機能がシームレスに繋がり、プログラミングが不要で操作性に優れ、線形問題、非線形問題いずれにも対応可能なツールとなった。
 本報告では水素製造プラント、水素液化プラント、液化水素の輸送、貯蔵工程から構成されるプロセスを対象に、設計型機能を用いて、最終利用時点の製品水素目標コストと許容 CO2排出量を与えて、入口の水素製造プラントの最適生産規模が求められることを検証した。

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