LCS-FY2016-PP-09
「低炭素技術設計・評価プラットフォーム」の構築(Vol.3)
概要
LCSでは、定量的技術システム研究に基づいて、様々な低炭素技術の定量的評価を行っている(LCS提案書(FY2014-PP-00(2014年6月)),(FY2016-PP-00(2016年12月))参照)。その中において、「低炭素技術設計・評価プラットフォーム」(以下、プラットフォーム)は、定量的評価を支援する情報システム基盤である(LCS提案書(FY2013-PP-07(2014年3月)),(FY2014-PP-10(2015年3月)))。
プラットフォームは種々の低炭素技術の定量的評価に利用されている。将来重要になる個々の技術システムに対する、本プラットフォームを利用した評価結果が、政策提案につながってゆく。
低炭素技術の性能およびコストの将来を見通し、技術進展を図るため今後取り組むべき研究開発方向を提示するためには、低炭素技術を階層的に構造化して定量的な分析が必要である。プラットフォームは、この定量的な分析のために要する時間とコストを削減し、評価したプロセス・評価結果などをデータベース化する仕組みを開発してきた。定量的分析から、性能向上やコスト低減に関する問題点やヒントを発掘するには、評価の視点や基準を明確にし、継続的な評価が確実に行えるとともに、関係部門での共有が重要である。
昨年度までに、低炭素技術設計・評価プラットフォームとして、上記の課題の解決に向けて、
(1)物質収支・エネルギー収支を求めるプロセスシミュレータ(Modeling Tool)の開発
(2)製造プロセスのBFD(Block Flow Diagram)や PFD(Process Flow Diagram)を容易に作成できるCAD(computer-aided design and drafting)システムの開発
(3)機器コスト・環境負荷・原材料価格などのデータベースを容易に利用するシステム
(4)単位操作に関する標準モジュールのデータベース化
を開発してきた。本年度は、既に開発したシステムとデータベースに関して、
(1)適用プロセスの拡大
(2)データベースの内容充実
(3)システム操作性の向上
を進めてきた。今後は、それらを継続するとともに、定量的技術シナリオ研究を支援するための重要な課題である「最新の研究開発動向も含めて、今後取り組むべき研究開発の目標と技術課題の提示」に寄与する仕組みとして、
(1)蓄積資産の再利用を支援するための仕組みの開発(類似例検索)
(2)新規要素技術の応用先を検索するシステム
(3)Modeling Toolを解析型だけでなく、設計型シミュレータとして利用できるサポートシステム
の開発に取り組む。
提案書全文
関連提案書
- 2050年の「明るく豊かな低炭素社会」実現のための課題と展望(4.92MB)
- 「明るく豊かな低炭素社会」の実現を目指して(2.42MB)
- 「低炭素技術設計・評価プラットフォーム」の構築
- 「低炭素技術設計・評価プラットフォーム」の構築(Vol.2)
- 蓄電池システム —要素技術の構造化に基づく定量的技術シナリオと科学・技術ロードマップ—
- バイオマス廃棄物のメタン発酵(着手段階)
- 地熱発電(Vol.1) —発電量拡大に向けた設計・評価—
- 地熱発電(Vol.2) —高温岩体発電の発電コスト試算—
- 固体酸化物形燃料電池システム —要素技術の構造化に基づく定量的技術シナリオと科学・技術ロードマップ—
- プロセス機器選定と製造コスト、環境負荷算出のための基礎データベース作成 —製造機器・材料・コスト情報の構造化—