AIP加速課題
AIP加速課題は、AIPネットワークラボの領域における優れた研究成果をベースに、新たな方向付けをした研究課題を支援し、AIPネットワークラボとしての成果最大化を狙うものです。
2020年度研究課題
バイオ実験作業の知の獲得とロボットへの転写
研究代表者
主たる共同研究者
光山 統泰 |
産業技術総合研究所 人工知能研究センター 研究チーム長 |
Kitani Kris M. |
Carnegie Mellon University The Robotics Institute School of Computer Science Associate Research Professor |
研究概要
本研究は、CRESTで得られた集合視による人物行動センシングを発展させ、実験技術者の一人称視点カメラ映像を中心としたバイオ実験作業記録映像から作業技能の暗黙知を獲得し、ロボットへ転写するための基盤技術の構築を目指すものです。バイオ実験作業記録データセットを他に先駆けて構築するとともに、作業認識技術、作業技能モデリング技術、ロボットへの作業技能転写技術について研究を行います。
小型IoTエッジデバイスの軽量暗号アーキテクチャ設計
研究代表者
主たる共同研究者
研究概要
IoTエッジデバイスの消費電力等の物理情報から個人情報を盗もうとする攻撃の脅威は、AI技術の進展で深刻化しています。本研究は、物理情報漏洩を阻止する、小型・省電力・セキュアなIoTシステムの開発に取り組みます。物理セキュリティを持つプロセッサ(CPU)と軽量暗号ソフトウェアの統合システム、および、最新のAI攻撃を模した安全性評価プラットフォームを構築し、セキュアなIoT社会の実現を目指します。
限られた教師情報からの高精度な予測モデルの構築
研究代表者
原田 達也 |
東京大学 先端科学技術研究センター 教授 |
主たる共同研究者
杉山 将 |
理化学研究所 革新知能統合研究センター チームリーダー |
研究概要
本研究の目的は、少数のラベル付き情報しかない状況において、高精度な予測モデルの学習手法の実現と、その自動学習計算基盤の構築です。近年の機械学習の成功により、予測精度が大幅に向上しましたが、高い予測精度を得るには膨大なラベル付きデータが必要で、大変な労力がかかることが問題となっています。そこで本研究では、この問題の解決に向けて、弱教師学習、知識転移、これらの自動学習などの観点から取り組んでいきます。
2019年度研究課題
持続可能な学習者主体型教育を実現する学習分析基盤の構築
研究代表者
島田 敬士 |
九州大学 大学院システム情報科学研究院 准教授 |
主たる共同研究者
内山 英昭 |
九州大学 附属図書館 准教授 |
山田 政寛 |
九州大学 基幹教育院 准教授 |
研究概要
情報化社会において多様化する学びを支援し、持続的かつ能動的な学びを実践できる人材を育成するための学習分析基盤を構築する。学習者が主体的に学習教育改善の系に参画し、後学者の学習支援につながる学びが実践できるように、1)学習者の省察や弱点克服を支援するための学習分析技術の開発、2)学習者の協学を支援するための新たな学習ハブとしての大学図書館の実現、3)学習データサイエンティストの育成を支援する学習分析ツールの開発、についての研究を行う。
ビッグデータ同化とAIによるリアルタイム気象予測の新展開
研究代表者
三好 建正 |
理化学研究所 計算科学研究センター チームリーダー |
主たる共同研究者
上田 修功 |
理化学研究所 革新知能統合研究センター 副センター長/チームリーダー |
富田 浩文 |
理化学研究所 計算科学研究センター チームリーダー |
石川 裕 |
理化学研究所 計算科学研究センター フラッグシップ2020プロジェクト プロジェクトリーダー |
佐藤 晋介 |
情報通信研究機構 電磁波研究所リモートセンシング研究室 研究マネージャー |
牛尾 知雄 |
首都大学東京 システムデザイン学部 教授 |
小池 佳奈 |
株式会社エムティーアイ ライフ事業部 スペシャリスト |
中田 安彦 |
東京電力ホールディングス株式会社 経営技術戦略研究所 技術開発部 次世代電力インフラエリア プロジェクトマネージャー |
研究概要
気象は、生活や社会経済活動に影響する。本研究は、これまでのCREST研究成果に基づき、サイバー世界と現実世界を双方向に結んだ「高度天気予報活用社会」に向けて加速する。これまで開発してきた「ビッグデータ同化」技術を実用化するための技術的課題に取り組むとともに、AI-シミュレーション連携により気象予測の新たな方向性を打ち出し、新しいAI研究の方向性を探る。これにより革新的な天気予報を実現し、QoL向上や社会経済活動の高度化に向けて加速する。
ヒト腸内環境ビッグデータを基軸としたMicrobiome-based Precision Medicine
研究代表者
主たる共同研究者
谷内田 真一 |
大阪大学大学院 医学系研究科 がんゲノム情報学 教授 |
研究概要
本研究の目的は、がんにおけるヒト腸内細菌叢の役割を解明し、腸内環境情報を用いた革新的な予防・診断・治療技術を創出すること、すなわち「Microbiome-based Precision Medicine」の実現を目指すものである。発がんに関与するヒト腸内細菌や細菌由来遺伝子・代謝物質を特定し、その制御機構の基盤データを蓄積する。加えて、がん超早期診断法(機械学習モデル)の開発、バイオマーカーの確立と予測モデルの構築行う。
潜在空間を高度活用したディープナレッジの発見
研究代表者
山西 健司 |
東京大学 大学院情報理工学系研究科 教授 |
主たる共同研究者
研究概要
ビッグデータ時代において、データがますます複雑性を増すにつれて、データから深い潜在知識を読み解くことが重要になってきている。そこで、本研究では、データの背後にある「潜在空間」を高度に活用し、潜在空間でのデータ統合や変化の解析を通じてデータから潜在知識を発見する技術を開発することを目的とする。研究項目として、(I)潜在空間表現学習理論の研究、(Ⅱ)潜在構造変化検知の研究、(Ⅲ)潜在空間を高度活用したAI眼科学の創出に分けて展開する。