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- 増本特殊構造物質プロジェクト
総括責任者:増本 健
(東北大学 金属材料研究所 教授)
研究期間:1981年10月~1986年9月
アモルファス物質や層間化合物などの原子配列、組織、組成を人為的に変えた物質を作成し、その構造・諸物性の特異性を解明することにより、新しい機能材料や構造材料の創出をねらいとしました。
研究では、アモルファス相、複合組織相、非平衡結晶相などの形成方法の検討を行い、新規のアモルファス物質、層間化合物の生成を試みました。さらに、生成した物質についてその構造分析や物理的・化学的諸物性の解明を行い、新規なセラミックス材料、磁性材料、オプトエレクトロニクス材料などへの応用の可能性を探りました。その後、アモルファス超微粒子の製造技術の開発、ガスセンサーなどへの応用が図られています。
イオン化したArガスで基板をエッチングする方法により、基板上に直径500Åの円柱状のアモルファス金属超微粒子を作成した。
モンモリロナイトの層間にトリス-1,10フェナントロリンロジウムⅢ錯体イオンをインターカレートし、光で書き込み消去できる薄膜を作成した。
ICB蒸着法により、Bi-Zn-Fe-O系透光性・強磁性アモルファス薄膜の作成に成功した。
化学気相折出(CVD)法によりB-N-Si、B-N-Ti系の複合セラミックスの合成を試み、窒化ホウ素中にSiN、TiNの微粒子を含む新規セラミックスを得た。
スパッタリング法により、従来不可能であった窒素や酸素を多く含む強磁性アモルファス金属薄膜の作成に成功した。
スパッタリング法により、3d強磁性元素のフロライド系薄膜の作成を行い、多量のフッ素を含む透光性垂直磁化膜を作成した。
液体急冷法により合成したV2O5-MXOY系アモルファス酸化物はゾル状となる。その塗布膜の湿度に対する電気伝導度等の変化を利用して湿度センサーを試作した。
透明B-N-Ti系アモルファスセラミック材料の合成BN中にSiを20~30wt%添加することにより耐熱性の高い無色透明のアモルファス材料を合成した。
▲アモルファス金属微粒子の電顕写真
イオンかしたアルゴンガスで基板をエッチングする手法で直径1000Å程度のアモルファス金属微粒子を作成。高密度磁気記録媒体などへの応用が期待されている。
▲層間化合物を用いた光メモリー
層状物質の層間に金属錯体を注入して、光で書き込み消去ができる薄膜を作成。光メモリー材料への応用が期待される。