池田ゲノム動態プロジェクト

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総括責任者 池田 穰衛
(東海大学 総合医学研究所 教授)
研究期間:1989年10月~1994年9月

 

ヒトゲノムを研究対象とし、ヒトゲノムに記載されている多くの生命情報のなかから、高次の生命活動の一例であるヒトの精神活動にかかわっている遺伝子やゲノム構造とこれらの機能の関係を把握するための”Geno SPHERE”の解明を研究主題としました。本プロジェクトの研究遂行体制の一つの特色として、研究グループの一つをカナダ・オタワ市に設置しました。
研究では、精神活動にかかわる未知の遺伝子単離に必要な新しい手法の開発、生物機能の予測および計測システムの開発を行いました。
さらに、これらの手法を用いて、精神活動異常を随伴する遺伝性神経・筋疾患の原因遺伝子と周辺領域に存在する全遺伝子を単離しました。

成果

染色体領域特異的遺伝子ライブラリー作製法の開発

SUP-PCR 法による染色体特定領域の遺伝子ライブラリー作製法を開発した。これを応用して、新規遺伝子の単離と染色体の構造異常を解析するプロープが作製できた。

脊髄性筋萎縮症原因遺伝子の単離

遺伝性神経・筋疾患の一つである脊髄性筋萎縮症原因候補遺伝子の単離に成功した。

ゲノム情報の意味づけ

膨大な DNA 情報の配列間の比較を簡便に行えるアルゴリズムと図形表示のためのソフトを開発した。

染色体計測システムの開発

コンフォーカル走査顕微鏡と CCD カメラにより得られた観察像から哺乳類の染色体群の三次元画像を構築することに成功した。

細胞の共振特性装置の開発

生細胞の共振特性、すなわち硬さの測定装置を開発し、生細胞の膜構造変化の物理特性を表示することに成功した。

微小核染色体の由来

高齢出産の母親に見られる微小核染色体 DNA 診断と由来同定のため DNA プロープ作製に成功した。

fig1

▲Hybridization of metaphase spreads from Case 1 with (left) biotin labelled and PCR amplified double minute DNA; FISH signals are observed on double minutes (thick arrow) and on centromeres of D (long, thin arrows) and G (short, thin arrows) group chromosomes (right) alpha satellite probe for chromosomes 13/21; FISH signals are on double minutes (thick arrow), and centromeres of chromosomes 13 (long, thin arrows) and 21 (short, thin arrows).

fig2

▲Ordered map of 578 cDNA clones in 1 Mb of the Huntington’s Disease gene region.

fig3

▲Stereo gram of the image of the reconstructs of the assigned 3-dimensional chromosome.

研究成果

評価・追跡調査

プログラム

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