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- 林超微粒子プロジェクト
総括責任者:林 主税
(日本真空技術(株) 会長)
研究期間:1981年10月~1986年9月
10分の1ミクロン以下の金属や金属化合物粒子が1個の元素原子ともバルク物質とも異なった性質を持っていることに着目し、その基礎的物性を解明するとともに、超微粒子による新しい工業素材の創出をねらいとしました。このため、理想的な状態で組成・粒径の制御された超微粒子の生成機構を解明するとともに、その生成法を検討しました。さらに、超微粒子の特異性を活かし、記録媒体、高性能触媒などへの応用のほか、有機物及び無機物と超微粒子の生化学的反応を用いた新たな領域での応用の可能性を見い出しました。これらの成果をもとに、その後超微粒子を用いたガスデポジション法の開発や独立超微粒子の製造法の開発が進められています。
ニッケル超微粒子、銅・亜鉛合金超微粒子が有機物質の選択的水素添加反応などの触媒として優れていることを見い出した。
Au(10Å)とGe(13Å)を交互に約100層の積層した超格子膜が特異な超伝導現象を示すことを発見した。
ニッケルと窒化チタン、鉄と銀の超微粒子をスプレー法で均一に混合、加圧、加熱し高性能合金を合成した。
数10Åの金の超微粒子がアメーバのように動いている様子を、電子顕微鏡と撮影装置を駆使して、捉えることに成功した。
生体細胞内に存在するタンパク微粒子の回転運動をレーザーにより超高感度かつ非破壊で観測し、細胞とタンパク微粒子との相関を解明した。
アルミナ(Al2O3)の表面及び焼結過程を電子顕微鏡により原子レベルで撮影することに成功した。
金の超微粒子を数10Åの間隔で格子状に配列した。
Ni金属で平均粒径が40~200Åの孤立超微粒子の生成に成功した。
▲格子状に配列した塩化カリウムの超微粒子
シリコン基板上に塩化カリウムを数100Å毎に規則的に配列。超高密度メモリーへの応用の可能性が期待されている。
▲ポリマーによるマイクロカプセル化超微粒子
金属超微粒子の表面に厚さ5~20nmのうすい高分子を被覆。磁気による細胞、酵素などの追跡、分離、回収への応用が期待される。