科学オリンピックだより
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「科学オリンピックだよりvol.19」
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会場へメッセージ〜「科学する心を育てよう」

「第1次世界大戦の後、日本では科学技術をおろそかにしてはいけないということで、『科学する心』が大切と言われるようになりました。 来年はスポーツのオリンピックがありますが、科学の世界でも生物学オリンピックなどが毎年開催されます。『科学する心』を大事にしているパネリストの皆さんからのメッセージを頂きましょう。」と 池上さんの発言を受け、「子供の頃、『科学と学習』という雑誌がありました。付録の実験セットが楽しみで、いつしか”科学する心が芽生えました。子供たちに、どうやって科学の魅力を伝えるかがこれから大事になるでしょう」と山中氏。
チャン氏は「これから20年、30年…どう変化していくかとても楽しみです。この変化の主人公は皆さんです。日本の技術者は知識も技術も優れています。あとは世界的な視野をもつことです。 自分の成功は日本だけでなく世界のためにもなるのだという意識を持って下さい。英語力も大事ですよ」とエールを送りました。
岩間さんからは「当たり前のことを、疑ってみることが一番の科学だと思います。そして、他人と違うことを恐れないこと。それが研究には求められます」。 末松さんは「自分がここで貴重な体験ができるのも、大好きな化学を追究してきたからであって、みなさんにも自分の好きなことを納得のいくまで徹底的にやってほしい」と語りました。
最後は、池上さんの、「好きだから、人と違ってもいいじゃないかとやってきたことが、結果的に日本のため世界のためになる可能性があるというのは、科学の素晴らしさです。 ぜひ、若い方たちには、ここにいるパネリストを始めとした『科学する人たち』に続いてほしいと思います」という言葉で締めくくられました。

パネルディスカッションの後には、生物学、化学、物理の3教科にわかれて各教科の国際大会参加者によるワークショップが行われました。 定員を大きく超える200名近い受講希望の中高生たちは、生物学では葉緑体、化学ではアミノ酸、物理では光をテーマにそれぞれの課題に取り組み、各教科の面白さと難しさを体験し、“科学する心”を刺激されたようでした。


生物学のワークショップ講師も務める岩間さん