採択プロジェクト
大学・エコシステム推進型
大学推進型
大学推進型
早稲田大学
2021年度
※ (グレー網掛)は終了課題です。所属・役職名はすべて採択時のものとなります。
採択年度 | 研究開発課題名 | 研究代表者 | 概要 |
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令和3年度(2021年度) | 気相で保存できそのまま使える高分子とタンパク質の複合化分子認識・センシング材料の開発 | 早稲田大学 理工学術院 教授 武田 直也 |
酵素や抗体などのタンパク質は基質特異性や結合能に優れるため、機能素子として用いることで高性能な分子認識・センシング材料の開発が期待できる。一方で、通常、タンパク質は水和状態で機能を発現するため、一般的には溶液系で用いられ気相系での使用は難しい。また、溶液中であっても長期の安定保存は容易ではなく用事調製を要し、製品開発での大きな課題となる。 本研究では、タンパク質を高分子と複合化させてさらに適切な形状へと加工することで、安定保存が可能、かつ気相で利用可能な物質認識・センシング材料を創製する。具体的には、低侵襲な代謝の評価や疾病の診断につながる気相成分の計測が可能なセンサーの開発や、気相中の標的物質を効率的に捕捉したり除去したりできる物質認識材料の開発、を実施する。 |
令和3年度(2021年度) | コオロギにおける有用共生微生物スクリーニング法および効率的な微生物給餌法の開発 | 早稲田大学 理工学術院 教授 朝日 透 |
コオロギは、家畜・養魚用飼料や食品における次世代の代替動物性タンパク質源として注目されている。現在、コオロギを起点とする低環境負荷かつ持続可能な「循環型食料生産」のために、コオロギ向けのエコフィードとして穀物や加工食品の残渣の利用が検討されているが、低い飼料効率が問題となっている。そこで本研究では、エコフィード成分を効率良く分解する腸内細菌の新規スクリーニング法の確立を目指し、本法により単離した細菌の効率的なコオロギへの給餌法を検討する。研究開発実施期間終了時期に本成果に基づく特許取得を目標とし、次世代動物性タンパク質生産における腸内プロバイオティクス戦略を先駆けて確立する。顧客は、昆虫食を主要ビジネスとして展開する企業や欧米・東南アジア諸国でコオロギファームとする。 |
令和3年度(2021年度) | 耐海水性電気2重層容量を利用した海中通信 | 早稲田大学 基幹理工学部 電子物理システム学科 教授 川原田 洋 |
世界規模の海底地質調査、海洋生物生態調査等の海洋探査が盛んになり、また海中ドローン、マリンレジャー等の水中アクティビティ市場が2023年には5000億ドル以上に成長する。これまで超音波や可視光による海洋通信は存在するが一長一短である。本提案では、海水中に入力信号(矩形波)を信号電極及び検出表面での直列の電気2重層容量と抵抗からなる微分回路にてパルス信号検出することで100KHz以上1GHz程度までのデジタル通信技術を開発する。対象とする波動は従来の超音波、電磁波ではなく、プラズマイオン波である。現在、入力電圧±1Vで塩水を満たしたチューブでは25mの1MHz信号伝搬に成功している。海水への入力形状、伝搬形態、検出技術の工夫により、海水中自由空間での25m以上の通信を可能とし、個々のシステムに整合する通信回路を提供するベンチャー企業(売上1億円規模)の設立を考える。 |
令和3年度(2021年度) | 鉄鋼部材の塗装前工程を革新する自動研磨ロボットの事業化 | 早稲田大学 理工学術院 准教授 石井 裕之 |
鉄鋼は、強度、加工性、経済性において優れており、さまざまな機械や構造物の材料として幅広く使用されているが、酸化が発生するために塗装が必要不可欠となっている。家電や自動車などの比較的小型の機械の鉄鋼部材の塗装工程はすでに十分に自動化が進んでいるが、建設機械や橋梁、船舶などの大型の機械や構造物の塗装工程は、作業員が各種工具を使って人力で行っているのが現状である。これらの現場はいわゆる3Kの労働環境であり、その自動化が求められている。そこで申請者らは、大型鉄鋼部材の塗装前工程を革新するための自動研磨ロボットを提案する。申請者らは、すでに鉄鋼部材研磨ロボットの試作機の開発に成功しており、これを技術シーズとして、その事業化に取り組む。 |
令和3年度(2021年度) | 感温塗料計測による半導体熱設計の革新 | 早稲田大学 創造理工学研究科 総合機械工学専攻 准教授 松田 佑 |
急速なIoT化の進行によりパワー半導体デバイスをはじめとした半導体関連の市場が急速に拡大している。半導体デバイスは熱に弱いため、メーカー各社は高品質かつ熱に強い半導体デバイスを量産するために多額の資金を投じている。しかし、既存の温度計測法では半導体からの発熱を部分的にしか計測することができないので,短期に効果的な熱設計を実施することが難しい。一方、申請者は機器表面全体にわたって温度を高精度に計測・可視化することができる革新的な技術シーズを有している。そこで本研究開発では、革新的熱計測技術で半導体デバイスの熱設計が抱える課題を解決し、半導体デバイスの設計開発および量産プロセスを革新する事業を創出するための応用開発を行う。 |