採択プロジェクト

大学・エコシステム推進型 
拠点都市環境整備型

横浜プラットフォーム

採択年度 研究開発課題名 研究代表者 概要
令和3年度
(2021年度)
活性型ビタミンD誘導体による創薬 学校法人神奈川大学
工学部
教授
岡本 専太郎
大学での活性型ビタミンDの新規誘導体による創薬リード化合物の探索研究で得られた成果(知財)を元に、企業が開発研究を行うに至るまでのGAPを埋める。すなわち、我々はこれまでに無い基幹構造を有するビタミンD誘導体群を創成した。これを創薬リード化合物群としての骨粗鬆症治療薬や制癌性薬剤としての開発に繋げる研究であり、初期誘導体サンプルの合成と細胞レベルでの活性試験成果を出し、製薬企業との交渉のテーブルにつくまでの研究。製薬企業との研究開始時の契約、開発ステージ毎でのマイルストン収入を得る他、薬剤の上市後のロイヤリテイー収入が期待される。
令和3年度
(2021年度)
ウルトラファインバブル活用による養殖業のサステナブル・ブランディング事業 関東学院大学
経営学部
教授
小山 嚴也
本学は「めっき」など「表面工学」の分野で世界をリードしてきた。そこで獲得したウルトラファインバブル(UFB)低濃度オゾン水に関する技術を養殖業に適用する。具体的には二枚貝養殖におけるノロウイルス、貝毒等の不活性化と除去の実証実験を行う。また、UFBを利用した成育促進、活魚輸送システムの構築も視野に入れる。実証実験を踏まえ、UFB・オゾン発生器のリース、技術指導、メンテナンス、活魚輸送装置のレンタル、ブランディングに向けたコンサルティングを軸とした事業化を検討する。
令和3年度
(2021年度)
心拍変動周波数解析を用いた心肺負荷状態把握に基づく高負荷活動従事者の労働安全支援システムの開発 国立大学法人 横浜国立大学
大学院環境情報研究院
教授
岡 泰資
火災現場で活動している消防隊員自らが感じる主観的情報に、非侵襲的に各隊員から取得した心電位波形情報をもとに特定した不等間隔時系列データであるRR間隔(QRS波から次のQRS波までの時間間隔)の心拍変動周波数解析を実施し、得られる瞬時心拍数と呼吸循環代謝指標の二つの変数由来の客観的情報を付加する。これにより、興奮状態にある隊員自身の意識と身体的負荷状態との隙間を確認できるとともに、リアルタイムで現場指揮官と各隊員の客観的情報を共有することで、活動継続注意あるいは活動継続中止の警告が可能となる。適切なタイミングでの隊員の交代あるいは休憩の指示に基づく、ストレスの多い現場で活動中の隊員の労働安全の確保と安定した消防活動の継続を支援する双方向情報共有型支援システムの構築を目標とする。
令和3年度
(2021年度)
多様な材料を3Dプリントできる多目的マイクロ3D造形装置の開発 国立大学法人 横浜国立大学
大学院工学研究院
教授
丸尾 昭二
3Dプリンターの中で最も高分解能なマイクロ光造形法に基づく多目的マイクロ3D造形置を開発する。具体的には、青色レーザーに加えて、フェムト秒パルスレーザーや紫外レーザーも搭載可能な装置を構築し、多様な材料を利用できる造形装置を構築する。さらに、適用材料として、多種類の光硬化性材料や、医療・バイオ研究で用いられるハイドロゲルなど多様な材料を開発する。以上より、汎用性の高い廉価なマイクロ3Dプリンティング技術を実現するとともに、多方面への市場調査に基づき、医療、バイオ、フォトニクス、ナノテクノロジーなど幅広い分野への応用展開を探索する。
令和3年度
(2021年度)
高分解能X線イメージング装置の迅速製造サイクルを実現するVGC法を用いた厚膜シンチレータ合成とその実用化検証 国立大学法人 横浜国立大学
大学院環境情報学府
博士課程後期
松本 昭源
これまでは液相法や焼結プロセスの独壇場であった、高空間分解能シンチレータ合成に対し、気相法での独創的アプローチを提案するものである。これを実現するため、申請者らがこれまで独自に進めてきた、VGC(vapor growth composite)法による光学結晶育成プロセスを更に高度化することによって、X線非破壊検査向けのシンチレータ迅速製造プロセスを確立する。本研究成果によって、X線を利用した非破壊イメージング検査装置の納期短縮化を達成できる、新奇シンチレータ育成プロセスを実現する。
具体的な目標として、(1)従来法では半年かかる厚膜シンチレータの製造期間を大幅に短縮し、(2)プロセス消費エネルギーを単結晶育成法の数万分の1以下に低減した上で、(3)実用化レベルの空間分解能と発光量を実証、の3点を挙げる。
令和3年度
(2021年度)
ハイドロゲルを用いた手技トレーニング用生体質感モデルの開発
2023年2月
「ゲルサイエンス合同会社」起業
国立大学法人 横浜国立大学
大学院環境情報研究院
教授
鈴木 淳史
高い生体適合性を有するポリビニルアルコール(PVA)ゲルを用いて、ゲルに見られるユニークな質感を、ゲルの科学を基礎に自由に制御するための技術を開発する。そのために、これまでに代表者が提案してきた新規なPVAのゲル化方法を改良し、従来のゲル化方法では得られないゲルの質感(触感としての粗さ感・硬/軟感・摩擦感、温熱感、透明感など)をシンプルなプロセスで実現し、生体の質感に限りなく近いハイドロゲルを開発する。従来品と比較して格段に高機能を有した生体質感モデルを作製して、医療や医工学分野の手技トレーニング用として実装する。
令和3年度
(2021年度)
画面共有・対話コンサルテーション機能を備えた次世代型遠隔画像診断の発展性と事業化に関する実証研究
2022年12月
「横浜ラジオロジカ株式会社」起業
公立大学法人横浜市立大学
大学院医学研究科 放射線診断学
准教授
山城 恒雄
遠隔画像診断は、実用化されてすでに20年程度経過しており、近年はへき地や離島の医療機関の画像診断を、遠隔画像診断で都市部の放射線診断医が支援することも盛んに行われている。しかし、現状の遠隔画像診断では、依頼した医師と画像診断を行う放射線診断医のコミュニケーションは、直接の対話ではなく「文字情報によるやりとり(依頼書と報告書)」から成り立っており、インタラクティブな医師同士の対話の機能を有していない。CTやMRIの画像情報の同時共有機能と直接対話を行える機能を、遠隔画像診断システムに装備することで、より依頼医の満足度が高い、精緻な遠隔画像診断サービスを提供できるかどうか、検証することを目的とする。
令和3年度
(2021年度)
動物実験を代替可能な試験管内スフェロイド臓器の開発
2022年7月
「エコセル株式会社」起業
公立大学法人横浜市立大学
大学院生命ナノシステム科学研究科
准教授
小島 伸彦
近年、細胞を3次元的に培養することで臓器、組織を模擬し、医薬品候補物質の安全性などを動物実験から代替する取組みがある。例えば膵島細胞は初歩的な3次元スフェロイド培養によって、ホルモン分泌活性が向上することが知られており、組織を模擬する目途が立っている。しかし、実用化を見据えると、臓器、組織がもつ微細構造をより高度に再現する技術が求められている。申請者は様々なデザインを持つスフェロイドを安価・迅速に作製する技術の開発に成功してきた。本GAPファンドでは、製薬企業などのニーズを調査して体系化し、ユーザーがインタラクティブにオーダーできるシステムを作成する。
令和3年度
(2021年度)
医療の未来を切り拓くDNA修復ー早期事業化に向けた統合的研究開発
2022年6月
「株式会社ドゥナキュア」起業
公立大学法人横浜市立大学
生命ナノシステム科学研究科
教授
足立 典隆
細胞内における核酸の自然治癒力(DNA修復能)に着目した研究を推進し、「①ゲノム編集効率化試薬」と「②がん治療・診断に有用な次世代核酸医薬品」の創出と実用化を目指す。具体的には、これまでに開発した4種類の新規アイテムの有効性を細胞レベルでさらに検証するとともに、各アイテムのさらなる質の向上と個体レベルでの検証を行い、研究成果の早期事業化につなげる。